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『再会』 その9 (最終回)

 およそ一ヶ月後のある日・・・・・

社長室には、森島香織と朝倉真穂の2人のOLが慶子に呼び出されていた。
 新人受付嬢の教育係である彼女たちの指導が行き過ぎではないかという、ある男性社員からの報告があったからだ。

「では、この報告にあることは事実なのね?」
 慶子は2人の顔を交互に見ながら問いかけた。
「はい。事実です。」
 森島香織がきっぱりとした口調で答えた。(何か問題でもあるのでしょうか)とでも言いたげな自信に溢れた態度だった。
 
 24歳の若さではあるが、高校卒業後、慶子の勤めていた会社に一般職として入社し、社会経験はそれなりに長い。その後、慶子が独立した際に進んで参加を希望した子でもあった。ただ正直に言うと、慶子自身は香織の参加にはあまり気が進まなかった。なぜなら香織は仕事も遅く、決して有能なOLとは言えなかったからだ。だが、長年一般職として勤務していたこともあり、いわゆる雑務には長けていた。慶子の独立に進んで参加を希望してきた社員のほとんどが大卒のエリートサラリーマンとキャリア志向の強いOLだったことで、いわゆる「下働き」をする人物がどうしても必要だったのだ。つまりある意味、妥協の産物として香織の採用が決まったのであった。
 だが、「下働き」は、いくら小規模の会社とは言え一人というわけにはいかない。少なくとももう一人は欲しかった。そこで、白羽の矢が立ったのは香織と同期で、同じく高校卒業後一般職として採用された朝倉真穂だった。
 実際のところ、慶子の本当に欲しかった人材は真穂の方だった。仕事の覚えも早いし、てきぱきとこなすし、さらに性格もいい。常に明るい笑顔を浮かべ、「慶子先輩、慶子先輩」と人なつっこい可愛らしさもあった。
 だが、皮肉なもので、慶子の独立に対して真穂は参加の意思を示さなかった。「超」の付くほどの安定志向である真穂にとって、新たな環境に身を置く決断はできなかったのだ。
ただ、もし親友である香織が参加するなら自分も参加しても良いという返答をよこした。慶子にとってはそのことも香織採用を決断する要因となったのである。
 比較的長身のスラリとした体型で勝ち気な香織と、ぽっちゃり気味の小柄でおっとりした真穂という、まるでデコボココンビのようなコントラストのある二人が親友になったのには大きな理由があった。もちろん、同じ高卒で同期入社、同じ一般職採用と共通点も多かったが、もっと大きな要素として「同病相憐れむ」的な要素が大きかったのである。実は二人もまた鬼上司、坂下智則部長の哀れな犠牲者であったのだ。男性社員ほどではなかったにせよ、周囲からは常に「やりすぎ」との陰口が囁かれるくらいだったし、彼女たちへの同情の声の方が大きかったくらいである。そんな彼女たちにとってお互いを慰め、同情し合う関係がその後唯一無二の親友同士としての関係に変わっていったことは当然の結果だと言える。
 
 今、この二人のOLが一人の新人受付嬢の教育係を務めているのだ。
 もちろん、「沙也香」というその新人受付嬢が、実は「坂下智則」その人であることなど二人には知るよしもないが。
 
 ただ、この元部下二人が元上司を指導教育する立場になっていることには、皮肉な運命や巡り合わせの妙などいう要素はなかった。そこには人為的な意図があるだけである。
 沙也香の「おば」である有希江が慶子にたってのお願いということで頼み込んだことなのだ。
 いずれにしても新人を指導する教育係は不可欠だったので、慶子はその願いを叶えることにしただけのことであり、他意はなかった。
 だが、有希江には明確な「他意」があったのだ。それはまさに真性S女にしか思いつかないような残酷な「他意」だった。
 有希江は、この二人のOLが坂下部長のしごきを恨んでいたことを知っていた。その二人がもし沙也香の本性を知ったらどういう言動をとるだろう、その時の沙也香の感情は果たしてどんなものだろう、そしてその時の表情は・・・・などということを考えると、燃え上がるSごころが抑えきれなくなってくるのだった。
 
  
「でも、社長、沙也香さんの指導については私たちにお任せ頂いたものと思っていましたが・・・。」
 香織の瞳には自信の光が宿っていた。
「ええ、確かに任せたわ。でも、これはさすがにやりすぎではないかしら?この報告書には、ミニスカートの裾をまくり上げてショーツ丸出しの格好で、オフィスを歩かせ、しかもブラウスのボタンを外させて、そこに『露出狂女 沙也香』とボディペイントがされてあり・・・とあるわ。これが確かならやはりやりすぎでしょ?」
「でも、社長、沙也香さんは男性が近くにいるとしょっちゅう転んだり、物を落として、それを拾ったりするんです。それもあの受付用のマイクロミニの制服ですから、いつもショーツ丸見えで・・・。だから、恥ずかしい思いをさせれば気をつけると思って、罰としてやったことです。間違っているでしょうか。」
「ああ、そ、そう・・・で、では・・・こちらの報告はどう? こちらにはこう書いてあるわ。男性クライアントが受付の前で待っていると、キャンディーを持って近づいて、
誘惑するような声と表情で『当社では、キャンディーサービスがございます。待ち時間にお一ついかがでしょう。ただ、お客様からのお返しもいただくことになっております。私にもお客様お持ちの太くてかた~いスティックキャンディいただけますか?あちらの個室で』などと語りかける・・・・と書いてあるわ。これは、どうなの?」
 慶子の問いかけに、初めて真穂が口を開いた。
「あ、あの・・・それは、私がやらせました。沙也香さんはいつも受付に男性クライアント様がおいでになると、決まって脚を開いて下着を見せながら、ロリポップキャンディーを舐めたり、ペンの先を口に銜えたりするんです。それも舌をペロペロ出しながら。下品だからやめなさいって何度も注意したんですけど、『口が寂しくてついやってしまうんです。癖なので許して許してください』って言ってやめようとしないんです。だから、もっと恥ずかしい思いをさせればやめると思って・・・。これもやりすぎですか?社長?」

 慶子は深く大きなため息をついた。
(ホント、あきれちゃうわ。)慶子は心の中でそう思った。
 目の前の香織と真穂に対してではない。
 もちろん、彼らの指導はやりすぎである。もしも、彼らが別の女性社員にこのような指導をしたとすれば、「それは絶対にやりすぎよ。すぐにやめなさい」と、慶子は叱責したにちがいない。
 だが、今回は彼女たちを責めるわけにはいかなかった。
 なぜなら、これは沙也香自身が意図的に招いた結果だと言えるからである。
 
 
 今からほぼ一ヶ月前の初めての出勤日、レースクィーンと見紛うばかりの超マイクロミニドレスの受付用制服に着替えた沙也香は羞恥に頬をひきつらせながらも、慶子に挨拶をするため社長室を訪ねた。 
 二人きりになって、慶子は沙也香の、いや坂下智則としての本心を聞こうと真剣な口調で話を切り出した。
「坂下部長・・・あなたの本心をお聞かせください。これはあなたの望んでいる姿なのですか?」
 意外にも慶子から「坂下部長」と呼びかけられ、一瞬ハッとした表情を浮かべたが、すぐに元の顔に戻って静かに重い口を開いた。
「いや・・・実は・・・自分でもよく、わからないんだ。これが・・・望んでいたことなのか・・・どうか。」
 できるだけ、昔の声を取り戻そうとしながら、小刻みに言葉を継いだ。
 だが、悲しいかな長期間に渡り、女性言葉と高いトーンでの会話しか許されていなかった智則の話しぶりは不自然を通り越して滑稽ですらあった。
 慶子は思わず笑い出しそうになるのを必死にこらえた。
「私も部長の指導の厳しさに恨んだこともあります。でも、そのおかげでここまでやってこれたということも事実なので、感謝している部分もあるんです。ですから、部長、もし私に力になれることがあるのならおっしゃってください。まだ、今なら、引き返すことができるはずです。このままエスカレートしたら必ずいつか・・完全に・・・」
 慶子は智則の股間に目をやった。
 智則にはその視線の奥に隠された意味が分かっている。
(いつか・・完全に・・「性転換手術」を受けさせられることになる)という意味なのだろう。
「ああ、確かにそうかもしれない・・・でも・・・」
「でも?」
「うん、それでも・・・・いいような気もしているんだ。」
「え?いいって・・・完全に女性になってもということですか?」
「ああ、それがもしかしたら自分にとって最も幸せなことのようにも思えるんだ。」
 慶子には智則の顔に微かな笑みが浮かんでいるのが見えた。

 慶子はわずかの間の後、思い切って口を開いた。
「で、では・・・せめて、キャリア女性としての道を歩んだらどうなんです?部長のキャリアなら十分それも可能なのではないですか?」
「いえ・・もう、それはできないわ。」
「うん?どうして?」
 智則の言葉は女性言葉に戻り、声のトーンも高くなっていた。
 それによって不自然さと滑稽さは消え、慶子の受け答えも元部長に対する口調ではなくなっていた。
「だって、私の身体はもう有希江おばさまのものだもの。有希江おばさまに命じられることが私の幸せなの・・・。」
「有希江はあなたにキャリア女性として生きることは許さないと?」
「ええ、おばさまはおバカでドジで、どんな命令にも従順な可愛い女の子が好きだって。」
「それにしたって、あんな辱めを受けても平気なの?しかも宮田君の相手までさせられて。」
「おじさまの相手は・・・確かに辛いけど・・・でも、その後には『ご褒美』がもらえるし・・・」
 慶子は智則の言う、『ご褒美』のシーンを思い出していた。
 あんな屈辱的な出来事をこの男は『ご褒美』と称してありがたがっているのだとわかると、慶子の心に微かに残っていた霧のような部分が晴れていくような思いがした。
「よくわかったわ。あなたが心の底からMであるということ、いえ、有希江という女性によってMにされてしまったと言った方がいいかもしれないけど。それがあなたの本心から出ているということは確かなようね。いいわ。私もこれからはあなたが坂下部長だったという記憶は捨てる。あなたを沙也香という何もできない、新人受付嬢だと思ってあつかうわよ。いいわね。」
 智則は無言のまま小さく頷いた。
 これでよかったのだろうか、もしかして引き返すなら今なのではないかという思いも微かに残っていたのである。
 だがそんな心の迷いを次の慶子の声が吹き飛ばした。
「何、黙ってるのっ? 沙也香はただの新人受付嬢でしょ? 目上の人が言うことに返事もしないとはどういうこと? しっかりと目を見てお返事なさいっ!」
「は、はい・・・申し訳ありません。 沙也香は・・・社長に新人受付嬢としてあつかっていただけてうれしいです。こ、これからも・・・厳しく指導してください。お願いします。」
「まあ、いいでしょう。自分のこと『沙也香』なんて名前で言うのは社会人としては失格よ。だけど、沙也香はそうしていなさい。そのほうがお望み通りおバカでドジな女の子に見えるからね。フフフ・・ ところで、沙也香、あなた、今日おばさまやおじさまから何か言われて来たの?」
「は、はい・・・お仕事がんばってと言われました。」
「ふ~ん、それだけ?」
「い、いえ・・・あの・・・皆さんに可愛がってもらえるように何でも言うことをよく聞きなさいと言われました。」
「後は?」
「あの・・・いっぱい・・・いっぱい・・・恥ずかしい思いを・・・してきなさいと。」
「フフッ、また言われたのね? で、どんな風にしろって?」
「あの・・・できるだけ・・・おバカでドジで・・・エッチな・・・女の子として振る舞いなさいと言われました。」
「ハハハ・・・わかったわ。また、帰ってからエッチで恥ずかしい告白させられるのね?沙也香の好きな『ご褒美』をもらうために。そうなのね?」
「は、はい・・・」
「わかったわ。でもあんまりやりすぎないでよ。仮にもここは私の会社なんですからね。フフフ・・」

「あと・・・社長様に一つだけ、お願いしたいことがあります。これは沙也香の心からのお願いです。おばさまもおじさまも知りません。社長様にだけお願いしたいことです。」
 沙也香の目に真剣な思いが浮かんでいた。演技ではなく本心からの言葉を口にするつもりなんだと慶子は感じた。
「うん?なに?言ってごらんなさい。私に叶えられることかしら?」
「はい・・社長様にしか叶えられないことです。」
「あら、ずいぶん信頼されたものね、いいわ、言ってみて。」
「あの・・・こちらの会社は皆さん、元々沙也香の部下だった人たちです。」
「ええ、そうね。ほとんどそうだわ。『沙也香の部下』っていうのは変な感じだけどね。フフっ・・・」
「それに、沙也香の教育係として森島香織さんと朝倉真穂さんが受け持ってくださると先ほど聞きました。」
「ええ、おばさまからのたっての要望でね。」
「ああ、やはり・・・」
 沙也香の目に悲しみの色が浮かんだ。

「あの・・皆さんに、沙也香の正体を言わないで欲しいんです。もし沙也香の正体がわかったら、きっと皆さん、沙也香のこと・・・あの・・・いじめると思うし・・あの・・・」「ああ、黙ってて欲しいということね?特に森島さんと朝倉さんは、昔思い切りしごいた部下だから、知られたらどんな苛めにあうかわからないものね?」
「は、はい・・・」
「ふ~ん、でも沙也香は本当はMで、苛められたいんじゃないの?だったらみんなに言って苛められた方がうれしいんじゃない?」
「そ、そんな・・・お願いです。黙ってください。他のことは何でもします。だから、沙也香の正体だけは・・・黙っててください。」
「フフフ・・・そんな慌てなくても大丈夫よ、冗談だから。いいわ、約束する。他の人には黙っててあげる。私は有希江ほどサディストじゃないから、そこまでのことするつもりはないわよ。アハハ・・・」
 沙也香は心からの安堵の笑みを満面に湛え、社長室を後にした。
 それから約一ヶ月、沙也香と慶子の間の「女同士」の約束は未だ破られてはいない。  
 
 慶子は、いまだに社長室に呼び出されたことに納得のいかない表情を浮かべている森島香織と朝倉真穂に視線を向けた。
 屈辱的な行為を自ら招いたのが、沙也香である以上、これ以上二人を責めるのはおかしな話である。それにもし今回、やりすぎを自重させても根本的な解決にはならない。なぜなら、沙也香の恥ずかしい振る舞いが収まることはないからだ。それをしなければ沙也香にとって「ご褒美」を得られる手段はないのだから。

「いいわ、話はよくわかった。あなたたちはこれまで通り、沙也香さんの指導教育を受け持ってもらいます。それにあなたたちのおかげで沙也香さんの男性クライアント受けはとてもいいみたいだしね。」
 慶子の言葉に香織と真穂は顔を見合わせて、ニコっと微笑みあった。
「それはそうよねぇ~?」
 香織は意味ありげな表情を真穂に向けた。
「うん、ねぇ~ ククク・・・」
 真穂は含み笑いをしながら相づちを打った。
「んん?なに?何か秘密があるの?」
「社長、沙也香さんのテクってすごいんですって。もう最近では沙也香さんの『キャンディーサービス』目当てに、アポイントよりずっと前にいらっしゃる男性クライアントさんで待合室が一杯になることもあるんですよ。ククク・・・」
「そうそう、一昨日なんか、午前中だけで7人もいらっしゃったんです。で、ランチタイムになって沙也香さん誘ったら、あまり食欲がないって言うんですよ。で、ダイエットでもしてるの?って聞いたら、何て言ったと思います?フフフ・・・」
 真穂の問いかけに、慶子は小さく首を振った。
「午前中、おいしいミルク飲み過ぎでお腹一杯なのって言いながら舌をペロって出すんだもん、もうびっくり。社長、あの娘みたいな娘を言うんですよね『先天性色情狂』って?ククク・・・」
「ええ、きっとそうね。『かわいそうな』娘なのね、たぶん。」
 
 慶子は二人を退室させると、応接用のソファに腰を下ろし目を瞑った。
 脳裏に沙也香の様々な姿が浮かんでは消えていく。
 先ほど二人に言った「かわいそうな」は、きっと慶子の真意とは違って取られたに違いない。
 二人にとって、沙也香は頭の弱い、色情狂の「かわいそうな」女の子であり、慶子にとっては、本来は男であるにも関わらず、無理矢理そのような姿を演じなければ、喜びを味あうこともできない「かわいそうな」女の子であった。

 その時、携帯電話が鳴った。表示を見ると、「YUKIE」だった。
 一頻りの挨拶を終えると、話題は沙也香のことに移った。
 有希江からしてみれば、それが目的で掛けた電話なのだから当然のことである。
「ねえ、慶子、運命の『再会』はまだ?」
「うん?何よ。運命の『再会』って?」
「もう~決まってるじゃない。社員のみんなと坂下部長との『再会』よ。」
「え?なに?どういうことよ。」
「もう~慶子、本当に鈍いわね。沙也香の正体をみんなにバラしちゃうことに決まってるじゃない。」
「何言ってるの? そんなことするつもりはないわよ。」
「ええ?どうして?知らせれば面白いことになるじゃない?フフフ・・・」
「うん?面白いことって、何よ?」
「だって、みんなもう沙也香が淫乱で、露出狂で、Mっ娘だってこと知ってるんでしょ?」
「うん、まあね・・・でもそれ、有希江が無理矢理させてることじゃない?」
「アハハ・・そんなことはどうでもいいの。で、そのMっ娘、沙也香ちゃんが、実は昔自分たちをいじめ抜いた坂下部長だって知ったら、それも自分の意志でそんな女の子になったって知ったら、みんなどうすると思う?」
「・・・・・」
「特に、今教育係をしている森島香織と朝倉真穂が知ったらどうなるかしら? ああん、ダメ、私話しているだけで感じてきちゃうわぁ・・・フフフ」
「もう~いい加減にしないと、本当に地獄に堕ちるわよ。有希江。」
「特にさ、小柄な朝倉真穂が腰にディルドウを付けて、沙也香のアナルを犯している姿とか想像すると、なんか濡れてきちゃうのよ・・・ 一番可愛くて素直だった子に、鬼上司が犯されて、しかもアンアン悶えるのよ。見物だと思わない?ああ、そうだわ。もしそうなったら、私、真穂にディルドウ送るわ。今より、1サイズ・・・ううん、2サイズくらい大きいやつ。さすがにそれだと苦しむだろうな~。もしかしたら、出血して泣き叫ぶかもしれないわ。何かゾクゾクするわ。ねえ、慶子、早くみんなに知らせちゃおうよ。」
 有希江は一方的に自分の思いを伝えると、電話を切った。最後に、「『再会』の日程が決まったら連絡して。ビデオカメラ用意して行くから」と付け足して。

 電話を切って、慶子はもう一度目を瞑った。
 再び沙也香の姿が脳裏に浮かんできた。だが、今度浮かんできたのは、これまで目にした沙也香の姿ではなかった。有希江の話した沙也香と朝倉真穂の空想のアナルセックスシーンだった。
 有希江が沙也香を犯すシーンは目の当たりにした。それももちろん衝撃的な光景だったのだが、大柄な有希江が小柄な沙也香を犯していると見れば、自然な姿と言えなくもない。だが、小柄な沙也香が自分よりも更に小柄な女の子に力づくで犯される姿はどうだろう。しかも有希江によると、これまでに経験したことのない巨大ディルドウを用意すると言う。沙也香はきっと泣き叫ぶだろう。そしてかつていじめ抜いた女の子に涙ながらに懇願するに違いない。
 空想の中の沙也香が震える唇で言う。
「真穂様・・お願い、痛くしないで・・・・優しくして・・・」

 慶子は高鳴る鼓動を鎮めようと深呼吸をした。だが鎮まる気配はない。むしろ鎮めようとするほど、呼吸が荒くなっていく。
 慶子は今日、おろし立ての高級シルク製のタンガを履いてきたことを後悔した。
 触れてみるまでなく、ヴァギナから大量の愛液が溢れ出しているのがわかる。
 慶子の右手はいつの間にか欲望に促されるまま、スカートの中に延びていた。
 社長室には慶子の抑えた喘ぎ声が響いた。


 慶子がソファからゆっくりと立ち上がり、乱れたブラウスとスカートを直したのは、それからおよそ30分後のことだった。
 呼吸はやっと落ちついてきた。これほどの短時間の内に2度もアクメを迎えたのは初めてのことだった。
 慶子はふぅ~っと大きくため息をつくと、内線電話の受話器を取り、ボタンを押した。
 
「ああ、久保寺専務? 明日の朝、始業前にミーティングをするので、みんな必ず出席するように伝えておいて。うん?ううん、その件じゃなくて・・・。新人受付嬢の沙也香さんの件でみんなに知らせておきたいことがあるから。」

 慶子は受話器を置くと、携帯電話の着信履歴から最も直近のナンバーをプッシュした。 液晶には「YUKIE」という文字が浮かんだ。
 呼び出し音が耳に響いている間、慶子は独り言を呟いた。
「ごめんね、沙也香、約束守れなくなっちゃった。どうやら私も有希江と同じ『趣味』があるみたい。」

 5回の呼び出し音の後、有希江の声がした。
 慶子は挨拶もせず、いきなり話を始めた。
「ねえ、有希江、さっき言ってた新しいディルドウって、すぐ手に入るの?」

              【終わり】

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『再会』 その8

 その後しばらくして、沙也香の「ご褒美」の時間がようやく始まった。
「じゃ、そろそろご褒美の時間にしようかしら?」
 有希江の言葉に、反応して、沙也香の顔にようやく笑みがもれた。
「そうそう、さっきも聞こうと思ってたんだけど、『ご褒美』って何なの?」
 慶子が立ち上がった有希江を見上げて言った。
「フフフ・・それは、沙也香が一番好きなこと。ね、沙也香ちゃん?」
 沙也香の顔に再び燃えるような赤みが差す。

「ほら、社長さんが、聞いてるのよ?答えて差し上げなさい。」
「は、はい・・・あの、おばさまのディルドゥで・・沙也香のお・・お尻を・・犯していただきます」
「あ、あ・・・そ、そう・・・」
 慶子は少し慌て気味に答えた。あまりに直接的な表現に一瞬たじろいだのである。
「フフフ・・そういうこと。沙也香の一番好きなことだものねえ? 沙也香の一番幸せな瞬間よねぇ?」
 有希江はからかい気味に言った。

 しかし、その日の「ご褒美」の時間はすんなりとはいかなかった。
 どうやら有希江がいつもと違う指示をしたかららしい。
 有希江は、沙也香にディルドウをリビングに持ってくるように指示した。
 沙也香は怪訝そうな顔をしながらも指示に従った。
「今日は、社長さんに見てもらいながらにしましょうね。」
 有希江の言葉に沙也香は驚いた表情を見せ、小さく首を横に振った。
「フフっ・・ダメよ、あなたの雇用主にはあなたがどんなエッチな子か知っておいてもらわないといけないもの。」

 その後、約2時間に渡ってリビングで繰り広げられた光景は、慶子の記憶の片隅にその後ずっと残っていた。
 新鮮で、刺激的で、官能的な、そして隠微な光景だった。
 沙也香への「ご褒美」とは言いながら、実際には誰のためのものなのかわからなかった。 有希江は、それを「飴と鞭」だと言った。ご褒美を受け取る前には先に「役目」を果たさなければならないのだと説明した。その役目とは雅明と有希江に対する奉仕だった。
 有希江は、慶子も奉仕を受けてみるかと聞いてきたが、慶子は遠慮した。沙也香への同情心が多少なりともあったからだ。

 沙也香は最初に雅明の前に跪くと、予め教え込まれていたセリフを自然な調子で口にした。恐らく相当な回数を経ているに違いなかった。
「おじさま、今日も沙也香にご奉仕させてください。沙也香は昔、おじさまの大事な恋人を怒らせてしまいました。そのためにおじさまを辛い目に遭わせてしまって本当にごめんなさい。沙也香をおじさまの昔の恋人の「沙也香さん」だと思って、心ゆくまで弄んでください。沙也香は「沙也香さん」と似ていますけど、心の中は淫乱で、変態で、どうしようもないマゾっ娘です。どんなひどい目にあっても感じちゃう、そんな娘です。どうか遠慮なさらずに沙也香のこと、おもちゃだと思って使ってください。」
 沙也香はそんなセリフを時折、熱い視線を雅明に向けながら、そして熱い吐息をもらしながら、口にした。
 沙也香は初めにうずくまると、舌先を伸ばして、雅明の裸足のつま先に触れた。
 その後足先の奉仕から、ふくらはぎ、膝、太股とじっくり時間をかけて進んでいき、雅明の太く逞しいペニスの先端にチュッチュッと音を立てながら、口づけを繰り返した。
「おじさまのおチ○ポ、とっても逞しくて素敵・・・沙也香、女の子だからおチ○ポないでしょ?だから、おチ○ポ大好きなの。ね、おじさまの・・・沙也香にちょうだい。」
 そんな沙也香のセリフに決められたシナリオがあるかのように雅明が返す。
「ほう~、じゃあ、その沙也香のおマタの所にあるのは何かな?」
「クリトリスよ、おじさま。沙也香のクリトリス、ちょっと大きいの。クラスのみんなが苛めるのよ。ねえ、おじさま・・どうしたらいいの?」
「う~ん、そうだな~、ではお医者さんに頼んで取ってもらおうか、全部取って、すっきりしてもらおう。その方が沙也香も嬉しいだろう?」
「うん、嬉しい、おじさま、早く沙也香のクリトリス取って・・・お願い・・」
 決められたセリフとは言え、最後のセリフはさすが屈辱的に感じたのか、口にしながら視線は雅明の目から外れていた。

 沙也香の唇が再び雅明の屹立したペニスに触れる。全体に小さな口づけを繰り返した後、大きく舌先を伸ばして、全体をゆっくりなめ回していく。時折、卑猥な音が慶子の耳にまで届いてくる。
 慶子は改めて、この光景を演じている2人に思いを馳せた。
 ソファに座り大股開きでふんぞり返っている体格のいい男は、間違いなく元同僚の宮田雅明である。一方その股間に顔を埋め、貪るようにペニスを頬張っているのは、どう見ても一人の少女である。だが、その実、過去の一時点では間違いなく雅明の鬼上司だったのだ。それがどういう運命の悪戯なのか、『自分にはペニスすらないから、男の人のペニスが好き』などというセリフを元部下に投げかけている。それも嫌われないよう媚びを売りながら。運命の歯車さえ狂わなければ、今でもこの男を叱りつけ、『恥』の告白をさせていたのかもしれないのだ。しかし現実には自分の方が部下であった者に『恥』の告白をしなければならない。しかもわざわざ自ら恥辱を受けるのを好むかのように演じながら。
 これほどの屈辱は他にあるだろうか、慶子はそう思い、微かな同情は示しつつも、内心はじっと好奇の目を向けていた。
 儚げでか細い沙也香の懸命な奉仕を見ていると、慶子の中に隠れている嗜虐性が芽生えていきそうで怖い。
 もしかすると、有希江がこれほどまでのS性を表すようになったのは、沙也香自身の持って生まれたM性が原因なのではないだろうかとさえ思えてくる。

 やがて沙也香の口唇奉仕は、夥しい量の白濁液が、右頬から右瞼までに一筋の線を画き、さらに、沙也香の口中を直撃して終わった。むせながらも何とか燕下した沙也香は、しかしその場をすぐには離れない。丁寧な「後始末」をしなければならなかったからだ。沙也香は顔に残った白濁を拭おうともせず、柔化し始めたペニスをおいしそうな音をたてながら「掃除」した。そして最後に顔に残る白濁を指ですくいとり、口へと運んだ。その姿には言いようもない背徳感が漂っていた。

「鞭」の洗礼を受けた沙也香は、いよいよ「飴」を求めて、有希江の近くに歩み寄る。
 だが、すぐに「ご褒美」にありつけるわけではなかった。
 ソファには大胆にもショーツを脱ぎ捨て、深く腰を下ろした有希江が口許に好色な笑みを浮かべながら手招きしている。
 沙也香は有希江のスカートを優しく丁寧にまくり上げると、露出した股間に顔を埋めていく。
 その瞬間、ピクっと有希江の身体が反応する。沙也香の舌先が有希江の敏感な部分に触れたのだろう。
 しばらくしてピチャピチャといかにも卑猥な音がし始めると、徐々に有希江の胸の膨らみも上下に波を打ち始めた。呼吸が深く荒くなっているのが慶子の目にも明らかだった。
「そうよ、そう・・・ホントに、沙也香はクンニが上手ね。まだ夫だった頃に知っていたら、離婚することもなかったかもしれないのに・・・・」
 有希江は乱れる呼吸の中で、沙也香に皮肉混じりに語りかける。右の手のひらでしっかりと沙也香の三つ編みの根本を抑えながら。
「でも男だった頃は、クンニを嫌がっていたわね。そんなこと男のすることじゃないなんて言いながら。そのくせ私にはいつもゆっくりと丁寧なフェラを求めてきた。でも何ていう皮肉かしらね、今の沙也香はクンニもこんなに上手だし、そのうえ、上手にフェラまでできるようになったんだもの。変われば変わるものね。」
 有希江のからかいの言葉に、羞恥心がわき上がったのであろう。沙也香の頬から首筋にかけてうっすらと赤みが差しているのがわかった。同時に慶子の目は沙也香の瞑った左の目尻から、一筋の涙が流れ落ちる瞬間を捉えていた。

 沙也香によるクンニ奉仕は長時間に及んだ。
 沙也香の顔が有希江のヴァギナから解放されたのは、彼女の2度目の絶頂感がようやく鎮まった後のことだった。
 有希江は、唾液と愛液とですっかり覆われた沙也香の顔を見つめて、クスッと小さく笑うと、かすかに頷いて見せた。
 その瞬間、沙也香の顔が崩れた。恥ずかしさに紅潮しつつも喜びを隠し切れない表情だった。
 沙也香はスクッと立ち上がると、先ほど指示されてベッドルームから持ってきていたディルドゥをテーブルの片隅から取り上げ、それを有希江に手渡した。
 有希江はそれを左手で受け取ると、右手で羞恥に俯く沙也香の頭を軽く撫でた。
 それはまるで、投げたボールを口に銜えて戻ってきた子犬に対する主人からの行為のようだった。
 有希江はディルドウから延びる細いストラップを、手慣れた手つきで自らの腰に装着すると、そのまま跪いてじっと待っていた沙也香の前に仁王立ちになった。
 沙也香は、リアルな形状と大きさを持つディルドウを目の前にしながら、震える声で屈辱のセリフを口にした。
「おばさま・・・今日も沙也香を女の子にしてください。沙也香のイヤらしいアナルま○こを、おばさまの逞しいおチ○ポさまで犯してください。お願いします・・・」
「フフっ・・いいわ。お望み通り、今日も本当の女の子にしてあげる。さあ、女の子らしく、ご奉仕なさい!」
 有希江の言葉に小さく頷くと、沙也香はエロチックに黒光りするディルドウの先端に唇を寄せ、チュッチュッと音を立てて口づけをした。
 それから舌をのぞかせると、擬似ペニスの全体にネットリとした愛撫を重ねた。
「フフッ・・今日は特に念入りにご奉仕なさい。今日はローションなしで犯してあげるから。沙也香のアナルま○こがローションなしでも大丈夫なくらい、十分に使い込んでいることを社長様にも見ていただかないとね。」
 沙也香の瞳に微かな恐怖心の光が浮かんだが、すぐに目を瞑ると小さくコクリと頷いた。

 ひとしきり擬似ペニスへの愛撫が終わると、有希江は沙也香を立ち上がらせ、逆に自らが跪き、超ミニのプリーツスカートをたくし上げた。すでに医療用テープが外されてあったために、沙也香の「クリトリス」が姿を見せる。
 慶子はハッとした。小さいのだ。哀れなくらい小さいのだ。太さも長さもまるで小指ほどしかない。
 いや、「クリトリス」として見るなら、確かに大きい。だが、それは本来・・・
 慶子はエストロゲンの効果とはこんなにも顕著な形で現れるものなのかと思いながら、しばらく沙也香の「クリトリス」を凝視した。
 しかし、視線をもう一度、沙也香の顔に向けると、今抱いた印象が薄らいでいくのを感じた。長い睫毛をフルフルと揺らしながら俯いている少女の顔を見ていると、もはやそこは紛れもなく「クリトリス」にしか見えなくなってくる。性的興奮を感じているにも関わらずエレクトの兆しすら見せずにダラリと垂れ下がっているそれは「クリトリス」以外の何物でもないように思えたのだ。
 
 次に慶子が目撃した光景は、ある意味コミカルに映った。
 有希江はピンク色の細いリボンを、沙也香の「クリトリス」の根本に巻き付けると、キュっと力を入れて結んだ。
「んっ・・・」
 一瞬、沙也香の口許が痛みに歪んだ。
 慶子が怪訝そうな顔をして見つめているのに気づいた有希江が微笑みながら口を開いた。
「フフっ・・これはね、大事なおまじないなの。沙也香をもっともっと従順で可愛い女の子にするためのね。」

 有希江に命じられるまでもなく、沙也香は四つんばいの姿勢になると、有希江の方に物欲しそうな表情を向けた。
「違う! 今日はこちらに顔を向けなさい。」
 有希江の指示に従って、沙也香は位置を変えた。慶子から見ると、沙也香の顔に正対することになる。
 慶子にはその意図がすぐにわかった。有希江は沙也香の犯される時の表情を自分に見せようとしているのだ。

 沙也香の背後に回り、跪いた姿勢で位置を確認した有希江は、見つめる慶子に軽くウインクをすると、一気に擬似ペニスの先端を沙也香のアナルに差し入れていった。
「うっ、くっぅ・・つぅ・・・」
 沙也香の眉間に苦痛の皺が寄った。
「フフっ・・・ほら、ローションなんかなくても、沙也香ちゃんのアナルま○こは、どんなペニスでも飲み込んじゃうんだから。良かったわね、巨根の雅明に鍛えてもらったおかげよ。ちゃんとおじさまの目を見てお礼を言いなさい。」
 沙也香はゆっくりと瞼を開けると、切れ切れの呼吸の中で、雅明に向かって言葉をかけた。
「お、おじさま・・沙也香の・・アナルま○こ・・・おじさまのおかげで・・・とても・・・名器になりました・・・これからも・・・もっともっと・・・鍛えてくださいね。」
 沙也香の屈辱的なセリフに、雅明は満足そうな笑みを浮かべると、
「ハハハ・・・かしこまりました。坂下部長、ご命令とあらば、いつでも部長のアナルま○こを使わせて頂きます。でも、私のような無能な部下のチンポにご満足頂けますかどうか。先日のように2度も3度も求められても、なかなかご期待にお答えすることはできません。どうぞ、お叱りにならないでください。」
 と、芝居がかったセリフで返した。
 有希江は、それがよほど可笑しかったのか、一瞬ピストン運動の動きを止めると、声を上げて笑った。
 だが、沙也香にとってはこれほど屈辱的な言葉はなかったのだろう。固く目を閉じると、嫌々をするように激しく顔を左右に振った。その動きに合わせ、左右の三つ編みがスィングしながら沙也香の頬をなぞる。同時にそれは頬を流れ落ちる涙を払った。
 その悲しげな様子は、確かに慶子の心に同情心をもたらしはしたが、一方で彼女の脳裏に浮かんだのは、かつて叱りつけていた部下に背後から犯される沙也香の姿だった。しかもその顔には苦悶と共にあきらかな喜悦の色が浮かんでいる。
 慶子は本能的にその光景を「見てみたい」と思った。できれば、今有希江が雅明に変わってくれたらとさえ思った。
 慶子は思わず両太股に力を入れた。しっかり閉じ合わせないと、熱く燃えたヴァギナから夥しい量の愛液が溢れ出しそうだったからである。

 やがて、断続的に続いていた沙也香のうめき声のトーンに明らかな変化が現れる。
 鼻にかかった甲高い声がはっきりとした喘ぎ声へと変わっていった。
 表情にもそれまでとは違った喜悦の色が広がっている。
 それが何を意味するかは、慶子にはすぐにわかった。
 沙也香にまもなく絶頂の時がやってくるのだ。沙也香にとって待ちに待った「ご褒美」の瞬間がやって来るのである。

 だが、沙也香は意外な行動を取った。首を振り、その快楽が絶頂に向かうのを拒否しようとしているのだ。
 その理由は、沙也香の「クリトリス」に結ばれたピンクのリボンの謎と共にすぐに明らかになった。
 このままの状態で、前立腺への刺激によって絶頂へと導かれても、沙也香の「クリトリス」から「愛液」の放出は叶わない。それがどんなに苦しいことか、沙也香にはきっとわかっているのだろう。おそらくこのような仕打ちを受けたことも一度や二度ではないのかもしれない。
「フフッ・・あら、沙也香、もうイキそうなのね? いいのよ、イッチャって。おばさまに沙也香のイクところ見せてちょうだい。」
「い、いや・・・おばさま、お願い・・このままじゃ・・」
「うん?どうしたの?いいって言ってるのに・・ホラホラ・・・」
 有希江は更に巧みにディルドウの律動を操作した。
「あ、あああん・・・おばさま、お願い・・・外して・・・お願い・・・」
「フフフっ・・そう?外してもらいたいのね。クリトリスのリボンを・・・。それじゃ、今日はおばさまじゃなくて、せっかくだから慶子社長にお願いしてみなさい。」
 沙也香の瞼がうっすらと開く。薄く開いた目の周りにはほんのりと赤みが差し、色白の肌に映えている。唇が微かに震え、そこからため息混じりの喘ぎが間断なく漏れていた。
 それは女の慶子から見ても妖しげな魅力を感じさせるのに十分であった。
「しゃ、社長様・・沙也香の・・・リボン・・取って・・・アアン、お願い・・・取ってください・・・アンンン・・・」
 慶子は沙也香のせっぱ詰まった表情に気圧されて、前屈みなると、沙也香の「クリトリス」に手を伸ばそうとした。
「だめ、慶子、ちょっと待って。」
 有希江の声に慶子は思わず手を止めた。
「沙也香ったら、社長さんの前だからって、遠慮してるのね。ダメよ、そんなんじゃ。いつものようにお願いするのよ。そうしないと、ここで終わりにするわよっ!」
 有希江は強い口調で言うと、腰のグラインドを止めた。
「イ、イヤ・・・やめないでっ・・・」
 沙也香の悲痛な叫び声を無視して、有希江はゆっくりと腰をひき始めた。
 (このまま終わりにするわよ)という無言の合図だった。
 沙也香はその動きに敏感に反応した。
 一度目を瞑り深く息をすると、もう一度瞼を開け、慶子の目を見つめながら口を開いた。
「あ、あの・・・しゃ、社長様・・・沙也香ね・・・秘密があるんですっ・・・沙也香女の子なのに・・・クリちゃんから、ミ、ミルクが出ちゃうんですぅ・・・きっと、沙也香が悪い子だから、神様のバチが当たったんだと思います・・・リボンがあると、ミルク出せなくて・・沙也香、とっても苦しいんですっ。お願い、社長様・・・リボン取って・・沙也香・・・ミルク出したいのぉ・・・」
 沙也香はそう言うと、もう一度目を瞑りじっと次の動きを待った。顔は羞恥で上気していた。
 慶子は有希江の顔を見た。有希江は大きく一度頷いてみせた。
 慶子はもう一度沙也香の股間に手を伸ばした。しっかり結ばれているとは言え、たかが細いリボンである。それは容易に解けた。
(そんなに苦しいのなら、自分でも解けるのに。手足が縛られているわけでもないのだから。)と慶子は思った。
 だが、それは間違いだった。やはり沙也香は縛られていたのである。目に見えない「服従」というロープによって全身だけでなく心までも拘束されていたのだ。だからこそ、沙也香には手を伸ばしてリボンを解くという簡単な行為にさえ許しを請う必要があったのだ。

 その後、すぐに有希江の擬似ペニスによるアナルセックスは再開した。
 すでにぎりぎりの所まで追い込まれていた沙也香は最後に、慶子の顔をしっかりと見つめながら、
「社長様・・・沙也香、イきますぅぅ・・・」
という甲高い叫び声を上げ、あっけなく果てた。
 沙也香の「クリトリス」からは確かに「ミルク」が「滴り落ち」た。
 それは「ペニス」からの「ザーメン」の「噴出」とは明らかに異なるものだった。
 柔らかいままの「クリトリス」から「滴り落ち」たものは、沙也香にとっては確かに「ミルク」だったに違いない。

 
 1時間後、慶子は自宅に戻るタクシーの車中にいた。 
 マンションを出る際に有希江が引き留めるように言った言葉を思い出していた。
「あら、もう帰っちゃうの?これからが面白いのに。私と雅明のセックスを沙也香にお手伝いさせるの。屈辱に耐えながら、必死でご奉仕する沙也香の顔は何回見ても飽きないわ。ねえ、慶子も見ていったら?本当に面白いんだから・・・。」
 慶子の脳裏に、ベッドで絡み合う有希江と雅明に献身的な奉仕をする沙也香の姿が浮かぶ。
 沙也香による、有希江への献身的なクンニ奉仕、雅明への丁寧なフェラ奉仕、そしてセックス後の有希江の熱く濡れたヴァギナへの舌を使った後始末・・・そんなシーンがリアリティのある映像として浮かんでくる。
 
 実のことを言えば、マンションを後にする時、慶子は後ろ髪を引かれていた。
 有希江の言う、「女になった寝取られ夫の屈辱シーン」を見てみたい衝動がわき起こっていた。
 だが、一方で怖さもあった。これ以上沙也香のM性に接していると、自分も有希江と同じような真性S女へと変わっていきそうな気がしてならなかった。 
「元同僚のセックスシーンを見なきゃならないほど、セックスに飢えてるわけじゃないわよ。」
 と、半ば冗談めかして、慶子はマンションを後にしたのだった。

 慶子は、タクシーが途中、工事のために未舗装になった道路を通り抜けた時、思わず小さな喘ぎ声を漏らした。
 車の上下動が、すでにショーツをグッショリと濡らすまでに熱くなっていたヴァギナを巧みに刺激したからである。
 タクシーが未舗装部分を抜け、通常の舗装道路に入った時、慶子はタクシードライバーに急いでくれるように頼んだ。このままでは無意識の内に車中でのオナニーに浸ってしまいそうだったからである。

 〔続く〕

プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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