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私立明倫学園高校 第4章-3

翌日から「第二段階」の指導が本格的に始まった。
 言うまでもなく、扇情的で挑発的なフルメイクは、毎朝自らの手で行わなければならない。教室では真希と里佳による厳しいチェックが待っているので、少しの手抜きも許されなかった。
 明彦は姿見で入念に確認し、最後に肩にかかるナチュラルボブの髪に白いメイドキャップを被ると、一つ大きなため息をついてから教室へと向かうのが日課となった。

 学園側の言う「第二段階」の指導は本当に不思議なものだった。
 12センチヒールと慣れないフレンチメイドユニホームでの歩き方、座り方、身のこなしなどの指導を2週間ほど行った後、生徒たちを待ち受けていたのはビデオによる撮影だった。
 後で反省点などをチャックするためと称して始まった撮影は、個人別に別室で行われた。 相当丁寧な撮影を行っているのか、なかなか順番が進まない。
 一日に2名から3名というゆっくりとしたペースに、待つ方の身としては、いったいどういう撮影が行われているのだろうかという緊張感に押しつぶされそうになる者もいた。
 
 明彦は、撮影を終えて教室に戻ってきた親友の裕樹に密かに声をかけた。
「ねえ、裕香、ずいぶん長くかかったけど、どういう撮影だったの?」
 だが、裕樹の反応は意外なものだった。
「え?何言ってるの?他の人はわからないけど、わたしはすぐ終わったわ。たぶん20分くらいでしょ。きっと明菜もその位で終わるわよ。」
 裕樹はクスッと小さな笑い声をもらすと、読みかけの少女コミックに目を落とした。
 撮影のない生徒には課題図書が与えられ、読み終えた後感想を発表することになっていた。小説でなく、典型的なラブロマンスを扱った少女コミックを課題にしているのは、むろん彼らの読書力を考慮してのことである。
 
「ええ?裕香こそ、何言ってるの?2時間以上もかかったじゃないっ」
 明彦は少女コミックを楽しげな表情で読み進めている裕樹に向かって思わず声を上げた。
 その声に気づいて、教卓近くに立つ宮田里佳の視線が明彦に向けられた。
 その視線に威圧され、二人の会話は途切れた。
 裕樹は不思議そうな表情を明彦に向けはしたが、そのまま無言で読書を続けた。

 確かに教室には時計はない。だから2時間以上というのが正確かどうかはわからないが、そんなに外れている気はしない。少なくとも20分などという短時間でなかったことは確かだ。
 明彦はその後、撮影を済ませた数人の生徒に裕樹にしたのと同様の質問をしてみた。
 驚いたことに答えはほぼ同じで、撮影は短時間だったという。ただ、撮影そのものはかなりハードで終わった時にはメイクも落ちてしまって、教室に戻る前にメイク直しをしなければならなかったと笑って答えた者もいた。
 そう言えば、撮影を終えて帰ってきた生徒は皆、メイクがリフレッシュして戻ってきていたような気がする。
 メイク落ちするほどの撮影って一体どういう撮影?それに何でみんな時間を短く感じてるの?
 明彦の心には何やら抑えようのない不安がわき上がってきたのだった。

明彦の順番はその2日後に回ってきた。
 不安を払拭することのできないまま、臨時の撮影室として準備された部屋のドアをノックした。
 部屋の中は、明彦たちの教室と同程度の広さだったが、ほとんど物が置かれていないためかなり広く感じる。
 向かって右奥にソファとガラステーブルが置かれている以外はほとんどがオープンスペースと言っていい。
「準備ができ次第、すぐに撮影を始めるから、その間にメイクのチェックをしておいて。」
 真希の声だった。 
 ソファとはちょうど対角線の位置に、小さな折りたたみ椅子が3脚置かれているのが目に入った。真希はその一つに脚を組ながら腰掛けていた。
 他の2脚の椅子には担任教師と、なぜかカウンセラーが座りながら談笑している。
 さらにその椅子の近くには二人のSPが無言で立っている。
 ただのビデオ撮影になぜこれほどまでの人数が必要なのか、明彦には全く見当もつかなかった。
 もしかしたら撮影などというのはただの口実で、全く別の目的のために呼ばれたのでは、とさえ思え、不安は一層募っていった。

 だが、5分後にはそれも杞憂であったことが判明する。
 真希の言うように、カメラの準備終了後に、すぐに撮影が始まったからだ。
 ハンディのビデオカメラを持った担任教師が、準備ができた旨を真希に告げ、撮影は始まった。
 フレンチメイドユニホームでの立ち姿から始まったビデオ撮影は、真希の細かい指示に従って、ウォーキング、ポージング、さらには客に見立てたSP二人をソファに座らせ、そこに飲み物を運ぶ様子にまで及んだ。
 ウォーキングでは背筋をしっかり伸ばすことと共に、一本の直線の上を歩くことをイメージするよう指示された。
 明彦はこの歩き方が好きではなかった。特に12センチピンヒールでこの歩き方をすると、ヒップの上下左右の揺れが大きくなりセクシーさを強調しすぎてしまうのだ。しかも今身につけているのはペチコートの重ね着でフワリと膨らんだマイクロミニなのだ。それはもうセクシーを通り越して、男を挑発する卑猥で隠微な印象すら与えるものだった。それでも何とかやり遂げた時、明彦の顔にははっきりとした羞恥の赤みがさしていた。
 次のポージングでは、真希からの指示はさらに詳細に及んだ。
 トレイを持って微笑む仕草から始まり、客からの注文を待ちながら黙って俯く仕草、客に対して膝を落として行うお辞儀のポーズ・・・その度に真希からの細かい指示が間断なく降り注ぐ。それは叱責にも似た強い口調だった。
 ポージングはさらに続いたが、その内容は、徐々にメイドとしてのポーズからかけ離れていった。
 スプーンを床に落とし、それを拾ってみせなさいという指示があった。
 明彦は一瞬戸惑いながらも、言われるままスプーンを床に落とすと、普通に身をかがめてそれを拾おうとした。
「ダメよっ。それじゃ・・」
 真希の鋭い声にビクッとし、明彦の動きが止まった。
 なぜ制止されたのか、どこが悪かったのか全くわからなかったが、それを考えることは意味のないことだった。明彦には真希の指示に従うより他に選択肢はないからだ。
「膝を曲げてはダメ。それから、背中をカメラに向けて・・・そう。で、膝を伸ばしたまま、上半身だけかがめて・・・そう、ゆっくりね。で、手を伸ばして拾う・・・・はい、それでいいわ。拾ったらそのまま顔だけこっちに向けて・・・そう。はい、スマイル・・・いいわ オーケー」
 姿勢を戻した明彦の目に飛び込んできたのは、担任教師ら、その場の男性たちの情欲を秘めた笑みだった。
 明彦は、真希の言われるままに取ったポーズを思い返し顔を赤らめた。
 裾の広がった超マイクロミニ姿で、膝を伸ばしたまま思い切り身をかがめたのである。
 ショッキングピンクのソングショーツはきっとその姿を現していたに違いない。さらにその姿勢のまま、フルメイクに覆われた顔に扇情的な笑みを浮かべて、挑発的に振り向くのである。男性であればその姿に「性」を連想しないはずはない。
 明彦自身、明倫学園へ入学する以前には、そんな挑発的なポーズが収められた写真集を眺めながら、幾度となく熱く硬くなったペニスを擦り上げ、果てたことがあった。
 その時の明彦にとって、そんな挑発的なポーズを取るモデル女性は、人間性を持って「人」ではなく、単なる性の対象としての「物」だった。
 一体何という変わりようだろうか。
 今自分は明らかに、「物」の側に立っている。男のペニスを硬くし、果ては射精へと導くという目的しか持たない存在。しかも自分にはエストロゲンの作用によって熱く硬くなるようなペニスすらなくなっている。そこに残っているのは性的興奮の証すら示さない、小指の先ほどの哀れな「突起物」だけだ。
 明彦の心は表しようのない屈辱感に占められた。
 いっそのこと、催眠状態のままにしておいてくれていたらどんなによかっただろう。そうすれば、こんな屈辱感を抱くこともなかったのに。
 そう思うと、この時ばかりは学園側のすべての人間への恨みを抑えることはできなかった。

 屈辱的なポージングはその後いくつかのパターンをカメラに収めて終わった。
 肩にかかる髪をかき上げながら、挑発的な視線を送り、唇を舌でなぞって見せるポーズでは、真希からのこんな言葉を背に受けながら演じて見せた。
「ダメダメそれじゃ・・・もっとセクシーに、男がキスしたくてたまらなくなるように・・・そう、ゆっくり、誘い込むように。」
 
 また、ブラウスのボタンを外しDカップの谷間を示しながら、悪戯っぽく微笑むポーズでは、こんな言葉に耐えなければならなかった。
「ほらぁ・・・もっと大胆に胸を突き出しなさい。男の人がその谷間でパイズリしてほしいって思うように・・そう、もっと、誘うような目で・・・いいわ、その調子」

 だが、明彦にとって最も屈辱的だったのは、ロリポップキャンディーとアイスキャンディーを使用した、いわゆる「擬似フェラ」のポーズだった。
 最初ピンク色のロリポップキャンディーを真希から手渡された時は、愚かにも、疲れを癒すために甘い物でも食べなさいという意味だと判断し、普通に口に含んでしまった。
「ハハハ・・バカね、普通に口に入れてどうするのよ? 前にも教えたでしょ?あんたたちの唇はD・S・Lだって。ロリポップキャンディーは男の人のアレの代わり。そのエロい唇と舌を使ってフェラの練習してごらんなさい。」
 明彦は真希の声にハッとした。以前見た写真集の中で、グラビアアイドルがセクシーな表情で、ロリポップキャンディーを口にしているものがあったのを思い出したのだ。それは真希の言うように、男性読者にフェラを連想させることだけを目的とした写真であることは明らかだった。
「んん?どうしたの?それとも明菜ちゃんはキャンディーでなくて本物の方がいいのかしら? いいわよ、ここにはたくさん本物が揃ってるし・・・フフフ」
 躊躇っている明彦に真希の容赦ない言葉が投げかけられた。
 拒否することなど許されないことはわかっている。であるなら、少しでも早くこの恥辱的な撮影を終えなければ・・・。
 明彦は意を決して、キャンディーへの口唇奉仕を始めたのだった。
「ダメよ、そんな嫌そうな顔してたら。 もっと嬉しそうに・・・そう、舌を思い切り出しておいしそうに・・・全体をなめ回すように・・・うんうん、上手じゃない。明菜ちゃん、才能あるわ フフフ」
 
 その後、「擬似フェラ」の撮影は真希の指示通り順調に進んでいった。
 カメラのスイッチが止められた時、明彦の手にはすっかり溶けてしまったミルクアイスバーが握られていた。途中でロリポップキャンディーから置き換えられていた。
 明彦の唇の端からは、純白の筋が滴り落ちていた。
 それはもちろんアイスの溶けた名残である。だが、途中何度も「アイスを男の人のペニスだと思ってご奉仕してみなさい」との真希の言葉を聞きながら演じ続けた明彦にとっては、その純白の筋は他の男のザーメンそのものに思えたのである。
 いや、「他の男」という表現は正しくないのかもしれない。
 撮影の途中で明彦が躊躇いを見せた時、真希が口にした言葉が耳にこびりついて離れない。
「他の男に奉仕してるなんて考えるからできないのよ。女の子の明菜から見たら『他の』男の人なんていないの。いるのは『ある一人の』男の人だけ。女の子の明菜が男の人に奉仕するのは当たり前よ。恥ずかしがることなんて何もないの。」
 この言葉を認めることは、自分を完全に女として認識することと同じである。
 そのことには心のどこかでまだ躊躇いがあった。しかし今こうして撮影されている自分を「他の」男と認識してくれる人はいるだろうか。担任教師もカウンセラーもそして二人のSPも皆、自分を性の対象として見なしているのは明らかだ。それは自分に向けられる情欲の視線からもわかる。特に「擬似フェラ」の撮影時の最後に担任教師が見せたズボンの前を押さえる仕草は、明彦にそのことをはっきりと認識させるのに十分な行動だった。 明彦の脳裏には真希の言葉が何度も繰り返し浮かんできた。
 口の端から滴り落ちる「擬似ザーメン」が「他の」男の物ではなく、「ある一人の」男の物に思え始めた瞬間だった。 

「撮影はひと通り終わったわ。ご苦労様。じゃ、ひと休みしてお茶でも飲みましょうね。」
 真希はそう言うと、明彦をソファに座らせ、用意してあった紅茶の準備を始めた。
 撮影は一体どのくらいかかっただろうか。時計がないので何とも言えないが、体感的には短くて20分、長くて30分程度のような気がした。
 これで撮影終了ということは、やはり裕樹たちの感覚の方が正しかったのだ、自分の時間感覚がずれていたのだろう、と明彦は思った。
 
 だが、その判断こそが誤りだったのである。
 勧められるままに紅茶を口にし、真希との会話を一言二言交わしていると、撮影の疲れが出たのか虚脱感にも似た感覚が襲ってきた。
 まどろみの中で明彦が目にしたものは、いつの間にか真希の横に座っていた白衣のカウンセラーの姿だった。
 カウンセラーの手から、コインの付いたチェーンのようなものがぶら下がっている。
 それが明彦の目の前でゆっくり左右に揺れている。
 カウンセラーが何やら言葉を発している。静かで穏やかな口調である。
 しかし、その言葉がどんな内容なのかはっきりとはしない。
 遠のく意識の中で、明彦が最後に目にしたものはサディスティックな笑みを浮かべる真希の姿であり、最後に耳にしたのはカウンセラーの口から呪文のように発せられた、「明菜」「フレンチメイド」「淫乱」という三つの単語だった。

 
意識の戻った明彦が最初に感じたことは、不思議なくらいの快活な気分とすがすがしさだった。それは初夏の森の中、心地いいそよ風に吹かれながらの熟睡から覚めたような気分と似ていた。
 だが、それとは決定的に違っていたことがある。
 すがすがしい気分とは裏腹に、明彦はこの間ずっと悪夢を見ていた。それは夢と言うにはあまりにリアリティがあり、もしかしたら現実に起こっていたことなのではないかという気さえしてくるのだ。
 夢の中に「明彦」はいなかった。そこにいたのは挑発的で淫らで扇情的なフレンチメイドの「明菜」だった。「明菜」はその場にいる男たちに悪戯っぽい微笑みを投げかけながら、その蠱惑的な身体をちらつかせ、彼らの関心を引きつけていった。
 男たちの顔ははっきりとはしない。だが、今目を覚まして周囲を見回してみると、それが担任教師と二人のSPのイメージと重なってくる。
 その後夢の中の「明菜」が男たちに対して取った行動を思い出すと、羞恥心が全身を駆けめぐっていく。
 「明菜」は男たちの情欲を、自ら進んで受け止めようとしていた。
 二人の男のペニスを左右の手でゆっくりと愛撫しながら、もう一人の男のそれに唇と舌での奉仕を重ねている。そして時折口を離しては卑猥で扇情的な言葉を投げかける。
「ああん・・・明菜に、ご主人様のザーメンください・・・いっぱいいっぱい・・お口にも、お顔にも・・・明菜を、ご主人様の精液処理係にしてくださいィ・・」
 やがて一人の男がくぐもった声と共に絶頂を迎える。粘性の白濁の第一撃が「明菜」の右の瞼から頬を襲った。脈打つペニスから第二、第三の襲撃が後を追う。そしてやっと脈動が収まったときには、「明菜」の顔は白濁で覆われていて瞼を開けることもできないくらいだった。
 休む間もなく、二人目、三人目と白濁の襲撃は続いた。
 一人は「明菜」の口中深くに発射した。大量の精液を嚥下するのが無理だったのか、ふっくらと官能的な唇の端から、一条の白い筋が糸を引くように流れ落ちる。
最後の一人は、「明菜」の左瞼が未だ白濁の洗礼を受けていないことを確認し、そこをめがけて発射した。
 この一連の行動を「明菜」は自ら進んで行っていた。三人の情欲を受け止めた「明菜」の顔には満足の笑みが浮かんでいた。まるで自らも絶頂を迎えたかのように恍惚とした微笑みだった。
 夢の中の「明菜」は、どこまでも淫乱で色情的で、どん欲なフレンチメイドだった。

 明彦はハッとして自らの顔に手を這わせた。
 あまりにもリアリティのある夢だったために、もしかしたら現実の出来事だったのではとの思いだった。もし現実だったら、明彦の顔には彼らの情欲の証が残っているはずだからだ。
 明彦の胸に安堵感が広がった。顔には何の証も残っていなかったのだ。
「あら?気づいたみたいね。どう気分は?」
 真希の優しげな声に明彦はハッとした。
「は、はい・・・気分は、とってもいいです。」
 正直な感想だった。悪夢を見ていたにも関わらず、気分の良さは言葉にできないほどだった。
「そう、よかったわ。慣れない撮影で疲れたんでしょう。すっかり眠っちゃってたわよ。
もう、大丈夫だったら、起きてメイク直しなさい。汗ですっかりメイクも落ちちゃってるから。フフフ」
 明彦はソファから立ち上がると、真希に案内されるまま、部屋の片隅に設置されてあるドレッサーの椅子に腰を下ろした。
「うっ・・ひ、ひどい・・・」
 明彦の口から思わず声が漏れた。
 真希の言うようにメイクはすっかり落ちていて、半ばスッピン状態に近かった。所々にメイクの名残があることでかえって荒んだ感じが強調されている。

 それにしても、こんなに汗をかくなんて・・・
 明彦は元来、あまり汗をかく体質ではない。さらにその体質はエストロゲンによって女性化が進んでいる今、より顕著になっていたはずである。
 心に微かな疑問がよぎったが、そのことよりも目の前の醜い顔を何とかしなければという思いが行動を速めさせたのだった。
 明彦はメイクの名残を落とすと、改めて念入りにメイクを始めた。指示されるまでもなく、官能的でアダルトなフルメイクで、仕上げのリップもD・S・Lを意識したものだった。
 明彦はメイクを終えるとゆっくりと椅子から立ち上がり、今度は姿見の前に立った。
 ユニホームの乱れがないかをチャックするためである。
「んん?」
 黒サテン地のユニホームの胸元と肩の部分に3カ所ほど、5ミリほどの小さくて白い染みがあるのに気づいた。漆黒の黒サテンに白い染みは、例え小さくても目立つ。
 リキッドファンデーションでも落ちたのかしら?でもちょっと色が違うような・・・
 明彦は違和感を覚えながらも、ボルドーレッドにマニュキアされた長く伸びた爪の先で白い染みをこそぎ落とそうと試みた。完全というわけにはいかなかったが、なんとか目立たなくすることはできた。

 明彦が部屋を出ようとした時、それまで一連の動作をただ黙って微笑みながらみつめていた真希は、明彦に近づき声をかけた。
「明菜ちゃんは、本当に優秀だわ。飲み込みも早いし、素直だし。きっと卒業したら誰よりも早く『幸せ』を手にできるはずよ。」
 真希は『幸せ』を強調するように言うと、意味ありげな笑みを浮かべた。
 その瞳の奥には「あなたにとっての『幸せ』がどんなものかわかってるわよね?」という皮肉を込めたサディスティックな光が見て取れた。
「あ、ありがとう・・・ございます。明菜、これからもがんばります」
 明彦は、他人から褒められた時にただ一つ許されている返事の言葉を口にすると、深くお辞儀をして部屋を後にした。
 
 (続く)

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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
=============================================
女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

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