FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私立明倫学園高校 第8章-2 

 トン・・・・トン・・・・・トン   

 ドアを叩くノック音がした。一音ずつ間をおいた特徴のあるノック音だった。
 明彦は、その瞬間ビクッとして、一気に鼓動が高鳴るのがわかった。
 自分を納得させたつもりだったが、やはりいざとなると平常心ではいられない。
 明彦は、もう一度鏡を見つめて呟いた。
「大丈夫よ。あなたは明菜なの。心の中の明彦は、この瞬間に消えたわ。だから、自信をもって・・・ほら、微笑んで。」
 明彦は大きく一つ深呼吸をすると、口角を意識的に上げてスマイルを作った。

 ドアをゆっくり開けた。
 徐々に詰め襟学生服が部分的に目に入ってくる。
 少しずつ視線を上げていく。日に焼けた首筋が目に入ってきた。そして顎、口、鼻、目・・・
 先ほどパーティ会場で目にした良介の顔がそこにあった。
 
 大きい・・・・
 それが明彦の率直な感想だった。
 パーティ会場ではこんな間近で顔を合わせてはいない。だからこれほどまで大きな身体だとは思わなかった。
 12センチピンヒールを履いているのに、その健康的な笑顔を見つめるには、遙か高く見上げなければならない。
 首筋の太さも胸板の厚さも肩幅の広さも、すべて圧倒的な存在感だ。
 
 良介はドアの外でじっと立っている。笑顔を湛えたまま、何も話そうとしない。
 明彦は思わず、「あっ」と小さな声を上げた。あまりの存在感に、彼が「客」であることを忘れていたのだ。
「ご、ごめんなさい・・・お客様・・・・ど、どうぞお入りください。」
 明彦は軽くお辞儀をすると、壁側に身体を寄せて、通り道を作った。
「こんにちは・・・さっきはどうも。今日はよろしくね。」
 良介は明るい笑顔で言うと、明彦の前を通り過ぎていった。
 その瞬間、若い男子の汗の匂いがした。決していい香りではない。でも、なぜか鼻腔の奥を刺激する心地よさがある。それが、フェロモンというものなのかはわからない。しかし明彦の身体からは決して発散することのない香りだった。

「明菜ちゃんっていい匂いがするね。それにこの部屋も・・・同じ香水?」
 明彦はドキッとした。
「明菜ちゃん」と呼ばれたこともそうだが、匂いのことを言われたからである。
 自分が今良介の匂いに心を奪われていたのを見透かされているような気がしたのだ。
「あ、はい・・・あの・・・ミッドナイトプアゾンっていう香水です。ディオールの・・・・。ローズ系で・・・・」
 明彦は言いかけて言葉を止めた。香水の成分やブランドの話なんて男性が興味を持つわけはない。そんな男性の心理すら、すっかり忘れてしまっている自分に明彦は恥ずかしくなった。

 飲み物を用意している明彦の後ろ姿に、良介がさりげなく声をかけた。
「明菜ちゃんって、本当に綺麗な脚しているね。それにお尻も可愛いよ。」
「え?あっ・・・」
 明彦は咄嗟にスカートの裾を抑えた。飲み物に集中していて前屈みになっているのに気づかなかったのだ。
「アハハ・・そんあ仕草も可愛いけど・・・だけど、俺のリクエスト聞いているよね?だからそのユニホーム着てるんだよね?」
 明彦は良介に言われてハッとした。
(何を普通に振る舞っているの? 自分に求められているのは、セクシーで挑発的なフレ ンチメイドでしょ? しっかりしなさい、明菜!)
 明彦はそう心に呟くと、飲み物を準備する手を止め、ゆっくり振り向くと思わせぶりに微笑んでみせた。
「もう~お客様・・・せっかちなんですね? これから明菜、少しずつセクシーモードに入っていこうと思ってたのに・・・」
「ふ~ん、そうかぁ・・でも、そんなじれったいことしてられないよ。」
「フフッ、でも、お客様。夜は長いんですもの。もっとゆっくり楽しみましょ。」
 明彦はアイスティーをテーブルに置きながら、上目使いで良介の顔をのぞき込んだ。
 良介の視線が胸元の深い谷間に注がれているのがわかった。
(だめよ、隠しちゃ もっと見せつけるの。)
 明彦は胸元を押さえようとした右手の動きを途中で止めると、胸を少し突き出して、舌先で唇をなぞってから、悪戯っぽくウィンクをして見せた。

「なあ、明菜、その『お客様』っていうの、やめてくれないか。たった一日だけのこととは言っても、もっと親しみを込めて、名前で呼んでくれよ。」
 良介の口調が少しずつ変わってきたのがわかった。自分への呼びかけも呼び捨てになっている。
「では・・・・良介様・・・でいいですか?」
「いや、もっと気楽に。」
「では・・・良介さん・・・?」
「う~ん、いいよ、呼び捨てで。恋人同士みたいに。」
「ええ? り、良介・・・?」
「うん、それがいい。」
 
 明彦の心に急に動揺が広がった。中学時代にずっと慣れ親しんだ呼びかけ方をしたことで、客としてではなく、親友の「良介」としての意識が甦ってきてしまったからだ。そしてひとたび意識すると、今はほとんど残っていない面影を無意識の内に見つけ出そうとして、かえって心が苦しくなるのだった。
「い、いいえ・・・それはダメです。」
「どうして?客の要望は絶対なんだろ?」
「は、はい・・・でも・・・」
 明彦は何か言い訳をしなければと思った。嘘を付いてでも、「良介」と呼ぶことだけは避けなければと思った。
 でも、頭がまとまらない。上手い言い訳が思いつかないのだ。

「ああ、わかった。なるほどぉ。」
 良介はそう言うと、ニヤリと大きな笑顔を見せた。先ほどまでのさわやかで健康的なものではなくて、少し邪気の加わった笑顔に見えた。
「明菜はMっ娘だったもんな。手紙でわざわざ『イジメテ』ほしいなんて書いてきたくらいだしな。イジメテもらう客に呼び捨てはできないよなぁ。アハハハ・・・」

 明彦は咄嗟に否定しようとした。「それは私の書いた手紙ではなくて・・・・」と言いかけたが止めた。下手な言い訳をするより、良介がそれで納得しているなら、そのままにしておいた方がスムーズに進むと思ったからだ。
 だが、それは間違いだった。「娼婦明菜」のレッテルに、この後は「Mっ娘」の冠まで付加して演じなければならなくなったからである。
 
「わかったよ。それじゃ、俺のことは『様』付けで呼びなさい。俺は、お前のことを『明菜』と呼び捨てにする。いいな?」
「は、はい・・・」
「声が小さい! はっきりとご主人様の目を見ながら、答えなさい!」
「はい、ご主人様、それで結構でございます。」
「フフフ・・まあ、いいだろう。」
 明彦は良介の変わりように戸惑いを感じながらも、流れに身を任せるしかなかった。
「Mっ娘娼婦 明菜」には躊躇いも逡巡も、ましてや抵抗も許されないからである。

「では、明菜、最初の命令だ。こちらに来て、ご主人様の着替えを手伝いなさい。」
 良介は、ソファから立ち上がると、両腕と両足を少し広げた姿勢で直立した。
「は、はい・・・ご主人様。」
 明彦は、良介のそばに歩み寄ると、「失礼します。」と言って、詰め襟制服のボタンに手をかけた。 

 震える指先で制服の上着を脱がし終えると、次に純白のワイシャツのボタンを外していった。一つまた一つと、徐々に良介の素肌が露わになっていく。最後に袖のボタンを外し、ワイシャツの前を大きく広げた。
 明彦は息が止まりそうだった。
 日焼けして健康的な肌色と、鍛えられた無駄のない筋肉は、制服越しに想像していた姿を遙かにしのぐ存在感だった。
 太い首筋、広い肩幅、厚い胸板、割れた腹筋、そのどれもが見事なまでのバランスで調和している。それはまるで一枚の画のような美しさだった。
 明彦はその逞しい身体からワイシャツを抜き取るために、両襟を後ろに回した。
 だが、上手くワイシャツを抜き取れない。
 12センチピンヒールを履いているにも関わらず、約20センチもの身長差があるのだ。
 明彦の両手が良介の背中に回らないのは当然だった。

 すでに限界に近いつま先立ちに最後のひと伸びを加えようとした時、明彦の身体のバランスが崩れた。
 半ばはだけかけた良介の逞しい上半身に、明彦のか細い身体がもたれ掛かった。
 良介の筋肉質の腕が、咄嗟に明彦を支えた。ウェストの縊れに力強い握力を感じた。
 明彦は露出した胸に唇が触れるのを避けようと、顔を横にずらした。
 姿見に映る二人の姿が、明彦の目に鮮やかな映像として飛び込んできた。

 それは一瞬の映像だった。
 良介が、「危ないじゃないか、気をつけなさい。」と言って、明彦を引き離すまでのほんの刹那の時間を切り取ったものに過ぎない。だが、明彦にとってはその刹那が永遠に思えるほど衝撃的な映像だった。
「コントラスト」という単語で表現するなら、これほど適切な例は他にないかもしれない。
 背の高い逞しい男性に身を任せる小柄な女性。女性の細い腕は男性の太い首に回って、ピンヒールの片足がピョンと空を蹴り上げている。それはまるで洋画のキスシーンのようだった。 
 細部を見れば、日焼けした肌と、抜けるような白い肌。筋肉質の腕と、筋肉の欠片も見えないか細い腕。そして何より、咄嗟の出来事にも慌てることのない自信に満ちた笑顔と、ハッとして目を丸くした頼りない表情。
 そのいずれもが明彦と良介の「立場」の違いを象徴的に表しているように感じられたのである。

「それにしても、明菜のウェストは細いなぁ。俺の太股より細いんじゃないか?」
 良介は明彦の身体を引き離すと、ワイシャツを脱ぎながら言った。
 明彦は無意識に、良介の鍛え抜かれ、腹筋の割れたウェスト部分に目を向けた。
 腹筋運動くらいなら永遠に続けられるのではないかと思えるほどの逞しさだった。
 明彦は自分の腹筋運動の限界が2回、それも腕を頭から離した状態でしかできないことを思い出し、顔を赤らめた。
腹筋だけではない。首だって、肩だって、腕だって、胸だって、明彦の筋肉のサイズダウン分が良介にそっくり移植されサイズアップしてしまったのではないかと思えるほどだ。
(だけど、バストだけは・・・そう、バストサイズだけはアップしているわ。力強さも、逞しさも、筋肉もないけど・・・・)
 明彦は、半ば自嘲気味に心の中で呟いたが、そもそも「胸囲」を「バストサイズ」と当然のように捉えている自分に気づき、より一層赤面するのだった。

 
「今度は下だ。」
 上半身裸になった良介は、腕組みをしながら仁王立ちになった。
「はい、ご主人様。」
 明彦は跪いて指示に従った。
 
 筋肉質のいかにもスポーツで鍛えられたような太股が現れる。
 確かに良介が言うように自分のウエストより太いかもしれない、と明彦は思った。
 トランクスに手をかけて、一瞬躊躇った。
 このまま続けると全裸になってしまう。もしかしたらバスローブか何かが必要なのでは、と思った。   
 明彦は上目遣いに良介を見た。良介はそれに力強い視線で返した。
「どうした?続けなさい。」
「は、はい・・・かしこまりました。」
 トランクスにかかる指先にもう一度力を入れる。
 腹部から臍の下にかけての太く濃いヘアが見えてくる。明彦の身体にはこれまでも、いやこれからも一生見られないであろう男性的特徴だ。
 ヘアは下にいくにつれ濃さを増し、そして・・・・・
 良介のペニスが目の前に姿を現した。
 大きくて太くて長い、大人のペニスだった。まだ、エレクトをしていないにも関わらず、亀頭部分が完全に露出していて、精力の強さをアピールしているかのようだった。
 
 明彦は中学時代にプールのシャワー室で見た良介のその部分を思い出していた。
 当時も、良介のペニスは明彦のそれよりいくぶん大きかったが、共に包皮が被ったままの少年のペニスだった。
 3年間の内に、良介のペニスは堂々とした大人のそれへと変化し、いつでも女性に性の喜びをもたらし得る、正真正銘の「男根」になった。
(それにひき換え・・・)と明彦は思った。
 この3年間で明彦のペニスは一度も亀頭部分の露出をするもことのないまま、矮小化の一途を辿った。そして少年のペニスは少女の擬似「クリトリス」へと変化し、一生女性に性の喜びをもたらすことなどできないばかりか、男性からの愛撫をじっと待つ、儚げな「女陰」となってしまったのである。

「どうだ?俺のペニスは?」 
 良介は明彦が手を止めたまま、自らのそれを凝視しているのを見て、誇らしげに言った。「は、はい・・・とても・・・ご立派です。」
「ハハハ・・やはり、女は自分がペニスを持っていないから、大きなペニスが好きなんだな? 俺たち男がお前のような巨乳女が好きなのと同じだな、アハハ・・」
 良介の視線が大きく開いた胸の谷間を向けられているのに気づき、思わず手で覆おうとしたが、途中でその手を止めた。
(ダメよ、隠しちゃ。あなたは娼婦なのよ!)という心の声が耳に響いたからだ。

 明彦は一瞬の躊躇の後、ゆっくり口を開いた。
「ええ。お互いにないものねだりなんですね。でも、今日はこのオッパイはご主人様のもの。だから、明菜にもご主人様のりっぱなペニスくださいね。」
 明彦は跪いたまま、上目遣いに見上げ、悪戯っぽく、そして思わせぶりに微笑んだ。
(そう、あなたの言う通りよ。「女」の明菜にペニスなんてないもの。だから大きくてりっぱな男性のペニスが好き。)
 明彦は自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。    

 (続く)

スポンサーサイト
[PR]

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
=============================================
女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。