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私立明倫学園高校 第10章-2

「そろそろ、君たちに学園の秘密を漏らした人物を知らせてもらえないか?」
 学園長はしばらくの沈黙の後で、口を開いた。
 すでに「取引」が成立してしまった以上、どうすることもできないが、少なくとも今後のトラブルを事前に防ぐ意味でも、「機密漏洩者」の名前だけは押さえておきたかたのだ。

「それを聞いてどうなさるつもりです?」
「い、いや・・・まあ、念のためってことだ。」
 良介は隣の美穂に視線を送った。美穂はそれに応え大きく頷くと、口を開いた。
「先生は、9年前のSクラス生の中に『山本明彦』という生徒がいたのを覚えてらっしゃいますか?」
(もちろん知っている。君たちの恋人でもあり親友でもあった生徒だろう?その後「明菜」という魅力的な美少女に変わり、君たちと卒業式の日に再会したのも知っているし、良介と「明菜」の性行為も見ている。それに・・・俺のデスクにはいまだに「明菜」のDVDが大事にしまってあるんだ。)
 と、学園長は心の中で囁いたが、実際に口を開いて出た言葉は、「いや、あまりよくは覚えていないな。」であった。
 美穂は、「そうですか、では少しお話ししますが・・・」と切り出して、説明を始めた。
 良介と美穂と明彦の3人が小学生時代からの友人であり、高校入学式の日までは常に一緒に行動していたこと。卒業式後のパーティで偶然再会したが、美少女ウエイトレス「明菜」に変身していたため、良介と美穂は気づかなかったこと。その夜の「イベント」でどういう偶然か、良介の相手を「明菜」がすることになったこと。その夜、これもどういう巡り合わせなのか美穂の元に「明菜」からの告白の手紙が届いたこと。その手紙の内容が「明菜」と明彦は同一人物であり、いままで美穂たちを騙していたことを告白するものだったこと。そして怒った美穂が二人の部屋に乗り込んで、友情の決別を迎えたこと・・・
 それらを美穂は弁護士らしい理路整然とした話しぶりで端的に纏めながら話した。

「ただ、その後しばらくして、卒業式の日のことが、やはりどこかおかしいという思いがこみ上げてきたのです。あまりにもおかしな偶然が重なりすぎている。何か第三者の手が入っている気がする。それは良介も同じ考えだったようで、確認するためにも明彦、いえ明菜に会わなければならないと考えました。けれでも明菜の行方は全く掴めません。家を訪ねても、勘当した変態息子のことは知らん、と冷たく言われるだけでした。でも、それから1年くらいしてからでしょうか。偶然にも街で・・・とは言っても、夜の繁華街ですけど、立ちつくしている明菜に会いました。濃いメイクに胸元の大きく開いたチューブトップ、今にもショーツが見えそうな超マイクロミニ、そして歩くのもままならないような高いピンヒール姿で、もうどこからどう見ても「夜の女」そのものでした。私に気づいた明菜は、最初驚いた様子でしたが逃げ出そうともしませんでした。いえ、むしろ私の胸に顔を埋めて泣き出しました。お姉様、会いたかった、と何度も言いながら。その後私の部屋に明菜を連れて帰り、良介の到着を待って話を聞きました。聞くと、暴力団風のヒモがいて無理矢理客を取らされているということでした。私も良介も、それも自業自得ではないかという思いもあったのですが、明菜が高校3年間での出来事を話してくれた時にすべてが誤解であったことがわかったのです。と同時に明倫学園高校の闇の部分が明らかになりました。」
 美穂はそう言うと、目の前で動揺する学園長の顔を見つめた。その額には再び汗が滲んでいた。
「つまり、明菜の口からすべての秘密が暴露されたということだな?」
「ええ、そういうことです。もちろん、その後何人かの旧Sクラス生の元を訪ね、裏付けを取っています。それはそれは、皆さん、可愛い美少女ぞろいでこちらがかえってドキドキしてしまいました。先生たちの丁寧なご指導の賜物ですね?フフフ・・・」
 美穂の皮肉に学園長はあからさまな嫌悪感を浮かべたが、心の中はどうにもならない後悔で満ちあふれていた。
 考えてみれば、自分が何もしなければ、たとえ3人が再会したとしても、気づくのは明菜だけであり、それ以上のことは起こらなかったはずだ。明菜が自ら二人に告げるはずはないからだ。
 それを、明菜の苦悶に歪む顔が見てみたい。そして元恋人、親友との屈辱の再会に、大粒の涙を流しながらうなだれる姿を見てみたい。
 そんな邪な欲望を満たさんがために招いた結果なのだ。まさに自業自得だった。
 だが、一方で自分にそんな陵辱欲をかき立てた明菜の滲み出てくるような被虐性を、学園長は恨みたい気持ちだった。

「その後、良介のお父様の力も借りて、その暴力団風の男との一件はきれいに解決しました。後で聞いたところによると、多少の金銭と縁故の伝を使って解決させたということでした。でも、これですべてが解決したわけではありません。明菜がその後どうやって生きていくかが問題でした。明彦が明菜に変わった経緯を知った私と良介に彼、いえ、彼女を見捨てることはできません。明菜に、『これからどうする?』って聞いても、『二度とあんな生活には戻りたくない。怖い思いはしたくない。できることは何でもするから、お姉様、助けて、お願い。』と泣きじゃくるばかりでした。私のことを『お姉様』、良介のことを『お兄ちゃま』と何度も口にしながら、長い睫毛をフルフル揺らして見つめてくる明菜を見て、私はふとある考えが浮かびました。良介に打ち明けてみると、驚いたことに彼も同じような考えが浮かんでいたようでした。つまりそんなに妹として振る舞いたいなら、本当の妹にしてあげようということです。」

「本当の・・・妹?」
学園長は美穂の説明に口を挟んだ。聞き間違いだと思ったからだ。
「ええ、本当の妹です。つまり良介の兵藤家か私の村瀬家の籍に入るということです。簡単に言えば養子ということですね。私と良介は大学卒業後結婚することが決まってましたから、どちらになっても明菜は妹ということになります。幸い誕生月の関係でもそうなるので、後は養子縁組さえ成立すれば正式に『兄妹』『姉妹』の関係になります。ところが、これがなかなか難しい問題で、まず私の両親は取り合ってもくれませんでしたし、兵藤のお父様も話は聞いていただいたものの、結局は同意してはくれませんでした。ただ、お父様は明菜の可憐さと可愛らしさには関心を持たれたみたいで、私の友人として一緒に良介に会うために兵藤家を訪れることは反対なさいませんでした。そんな時でした。良介からお父様の昔のお話を聞いたのは・・・。 良介、ここからはあなたが話して。あなたのお父様の話なんだから。」
 美穂はそう言うと、良介の方に顔を向けた。
 学園長は曰くありげな話にじっと耳を傾けていた。
 たとえどのような話であっても「取引」は成立してしまったのだという諦めもあったが、もしかすると話の流れの中で、少しでも自分に有利な条件でも出れば、それを逆手に「取引」のやり直しができないだろうかという目論見もあった。

 美穂から引き継ぐ形で良介が話を始めた。
「実は、これは母から父との離婚寸前に聞いていた話なんですが、父は母と知り合う前、かなり深い交際をしていた女性がいたのです。普通の男女交際というよりはほとんど身体だけの関係だったらしいのですが、父はその女性の魅力に溺れていたそうです。まだ10代という若さと類い希な美しさ、そして珍しいある性質に惹かれていました。年が離れ過ぎていることと、その性質によって結婚ということにはなりませんでしたが、その後も父の頭からはその女性の記憶が消えたことはありませんでした。父はよく母にその女性の姿や振る舞いを真似させたそうです。そうしないと性的興奮を得られないこともあったそうです。母は、それも離婚原因の一つだと言っていました。それで私と美穂はある案を思いつき、実行することにしました。簡単に言えば、明菜にその女性の真似をさせることでした。幸い母から聞いたその女性の外見的特徴は、明菜と似ている部分もかなりあって、これはいけると思いました。父が気に入ってくれさえすれば、養子の話も進むはずだと思いました。
明菜にその計画の話をすると、少し心配はあったようですが、最終的には自ら進んでやってみる気になったようです。よほど元の生活に戻るのが怖かったのでしょうね。早く誰かに守られ安心できる生活がしたいという明菜の本心からの願いが父の養女になることを望ませたのでしょう。それからは私と美穂が母の話を参考に明菜を少しずつその女性に似るよう手直ししました。と言っても、メイクとか髪型とかアクセサリーとか洋服の範囲ですけどね。
それは十分効果があったようです。父の明菜を見る目は、日を追う毎に変わっていきましたから。 後はその女性の持っていたある性質を身につけさせることができれば完璧でした。ただ、そのためには私と美穂の力だけ足りないので他の人の力もかなり借りることになりましたし、時間も相当かかりました。でも何とかやり遂げたときには父の気持ちは完全に固まったようでした。明菜を養女にすることを決めたのです。もちろん正式には法律上の問題など難問が残っていましたので、それらを処理するために美穂が弁護士として主体的に動けるまで待ちました。そして昨年ようやく兵藤明菜、つまり私の妹として家族の一員に加わったというわけです。・・・・ですので、学園長、本日こうして私の妹、兵藤明菜の入学をお願いにまいったというわけです。」
 
「え?な、なんだって?」
 学園長は良介の話に思わず声を上げた。
「に、入学させたい妹というのは・・・明菜のことだったのか?」
 明菜の退寮後の話にすっかり引きつけられていたため、「出来の悪い妹」の入学依頼の件は頭の片隅から消えていた。
 それが良介の話の最後に、あっさりと両者を結びつける言葉が出て、学園長は急に現実に引き戻された感じだった。
「ええ、そうですよ。そうでなければ、ここまでお話する必要はないでしょう。」
 良介は事も無げに言った。
「つ、つまり・・・一回入学した学校にもう一度再入学をするということか。」
「ええ、入学はしましたが、卒業はしていませんのでね。高校を卒業するのが明菜の夢でもあったのですから、それを叶えてあげるってわけです。ただ今度は女子Fクラス生としてですがね。つまり、『美穂お姉様』の可愛い後輩になるってことですね。ハハハ」
 
 二人のやり取りを聞きながら、時折時計を気にしていた美穂が良介に言葉をかけた。
「ねえ、良介、そろそろ明菜をこちらに連れてきたらどう? 学園長先生にも、入学前に会っていただきたいし。」
「うん、それがいい。美穂ちょっと連絡してみてくれよ。」
 美穂は小さく頷くと、バックから携帯電話を取り出し、通話を始めた。
「ああ、前田さん? ええ、そう、美穂。悪いんですけど、明菜を連れて学園長室まで来てくださる?ええ、お願い。 あ、ちょっと待って、明菜に代わってもらえる?・・・・・・あ、明菜ちゃん? そう、お姉様よ。今から運転手の前田さんに連れてきてもらってこっちまで来なさい。いいわね。 ええ、そう。でもその前に前田さんにしなくちゃいけないことあるわよね? うん? ええ、そう。お礼ね。お世話になったときはお礼をするのよね? うん、いい子。 ちゃんと自分からお礼をさせてくださいって言うのよ。いい?それで、お礼がちゃんと終わったら、前田さんに連れてきてもらいなさい。ああ、そうそう、お礼が終わったら、もう一度口紅直さなくちゃダメよ。そのままだとみっともないからね。いいわね。・・・・ うん、じゃ、後で。」
 美穂の電話はまるで母親が子供を教え諭すような話しぶりだった。
 学園長は含意のありそうな電話のやり取りに耳を傾けながらも、9年の歳月を経て、明菜がどのような姿になって目の前に現れるのかを想像すると胸の高鳴りを抑えることができなかった。

 (続く)

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サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
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