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『再会』 その3

 ちょうどその時、ドアフォンが鳴った。ピザのデリバリーが到着した。
 キッチンでワインと食器の準備をしていた有希江は、大きな声を上げた。
「沙也香! 代わりに出て、おばさま、手が離せないの。お願いっ!」
 廊下奥のドアが静かに開き、ツインテールの沙也香が姿を現した。
「はい、おばさま、沙也香が出ます。」
 沙也香なりの精一杯の声だったのかもしれないが、キッチンにやっと届く程度の声量だった。
 よほど引っ込み思案なのか、今朝顔を合わせてから一度も大きな声を出す沙也香を見ていない。その様子を見ていると、確かに可愛いが、大胆なユニホームを着て受付をこなすことができるだろうかと、慶子は若干の不安を覚えた。
 
 ピザのケースを両手でかざしながら、沙也香がリビングに入ってきた。
デニムのマイクロミニとピンクのチューブトップというカジュアルなスタイルに変わっていた。マイクロミニはほとんどショーツのアンダーラインと同じくらいの長さしかない。
しかもチューブトップも幅が極端に狭い。形のいい臍をしっかりと露出するだけでなく、胸元にはくっきりとした深い谷間が見て取れる。Dカップ位かと思っていたが、もしかしたらEかFくらいあるのかもしれない。慶子の目は沙也香の豊かな胸に釘付けになっていた。
 それにしても、こんな露出度の高い服を着て人前に出るなんて、この子はシャイなのかそれとも大胆なのか、果たしてどちらなのか。慶子はそんなことを考えながら沙也香のスカートから伸びる美しく長い脚を見つめていた。身長は160センチほどで、慶子の165センチより低いが、脚の長さは沙也香の方が確実に長いだろうということが判る。男性クライアントたちの好みを言えば、もう少し肉付きのある方がいいのかもしれないが、モデル体型として見れば間違いなく一級の美脚である。
「沙也香ちゃん、本当に綺麗な脚してるわね。女の私からみても、ほれぼれしちゃうわ。それに、胸も形良さそうだし。ねえ、何カップ?」
 慶子の不意の言葉に、沙也香は思わずハッとして、スカートの裾と胸元に手を添えた。 そして、真っ赤になって俯きながら、
「あ、あの・・・ディ、Dです・・・」
とだけ、蚊の鳴くような小さな声で言った。

「フフフ・・また、嘘言って・・・本当はEでしょ? 恥ずかしがらなくてもいいのよ。」
 ワインクーラーを抱えてリビングに戻っていた有希江が口を開いた。
「ご、ごめんなさい・・本当は・・Eです。」
 沙也香の声はより一層小さくなった。
 慶子はその様子に少々気の毒になり、場の雰囲気を変えるために軽口を叩いてみた。
「ねえ、沙也香ちゃんみたいにスタイルのいい娘がそんな大胆な服で外歩いてると、男の人たちの視線が熱いでしょ? そんな時ってどんな感じ? 女に生まれて良かった~って感じ?」
「え? あ、あの・・・は、はずか・・・」
 沙也香はそこまで言うと、ピザを皿に取り分けていた有希江に視線を送った。
 有希江はその視線に微かに首を振って応じた。
「あ、あの・・・とっても・・・気持ち・・いいです。あそこが・・・ジュンってしちゃうくらい・・。だから、社長さんの会社で、エッチな制服着せてもらうの・・・楽しみ・なんです。」
 沙也香はそう言うと、もう一度有希江の表情を見た。有希江は今度は視線を合わさずに、ニコリと微笑むと、数回小さく頷いた。
「まあ、大胆ねぇ・・・これなら私の会社の受付大丈夫だわ。でもあんまり感じすぎないでね。仕事にならないから。フフフ・・・」
 慶子が冗談交じりに軽口を叩くと、有希江も呼応するように言った。
「本当にね、私たちの頃はこんな恥ずかしい格好で外歩いたら、エロ親父から「いくら?」とか聞かれたものよね。でも、今の娘は自分からこういう格好したがるんだから、時代は変わったわ。フフフ・・・」
 沙也香はそんな有希江に何か言いたげな視線を送ったが、逆に視線を返されると黙って下を俯いた。
  

「まあ、沙也香ちゃんって小食なのね?ピザ一切れも食べきれないの?」
 沙也香の皿にピザが残っているのを見て、慶子が言った。
「あ、あの、さっきお菓子食べちゃって・・・それで食欲がなくて・・・」
「もう~、またなの? この前も注意したでしょ?お菓子は食べ過ぎちゃダメだって。」
「ご、ごめんなさい・・おばさま。」
「じゃ、いいわ。またお部屋に戻ってなさい。おばさまたちは、まだ大事なお話があるからね。」
「は、はい・・・おばさま。」
 沙也香はゆっくりと立ち上がると、そのまま部屋に戻っていった。
 慶子には沙也香のお腹が微かに鳴っているのが聞こえたような気がしたが、あえて口に出して指摘することはしなかった。
 
 沙也香の姿が見えなくなると、慶子が口を開いた。時折右手のワイングラスを回しながら。
「ねえ、沙也香ちゃんって、ちょっと変わってるわよね?」
「うん?そう?どんな風に?」
「だって、あんな大胆な服とか平気で着たり、デリバリーの人の前にあのまま出たりするのに、私が指摘したりすると、すごく恥ずかしそうに真っ赤になったり、もう大胆なんだか、シャイなんだかわかんないわ。」
「う~ん、まあ、それが若い女の子の複雑さってやつじゃないの?私たちおばさんにはもうなくなった感覚かもね。」
「う~ん、そうかな~、それと、何か有希江のこと怖がってない?もしかして相当厳しく躾てるんじゃない?」
「うん、まあ、厳しいと言えば厳しいかもね。だって姉とは言え、人からの預かり物でしょ。いい加減な育て方はできないわよ。私みたいなしっかりした女性になってもらわないと。」
「アハハ・・・よく言うわ。まあ、反面教師としてなら参考になるかもしれないけどね。」
 二人はワインの酔いが回ってきたのか、より一層饒舌さが増してきた。


「ねえ、じゃあ、またさっきの話の続きして。元旦那への悪戯の話。」
「うん、えっと・・どこまで話したっけ? 彼がフルメイクした写真送ってきたことは言ったっけ?」
「え?何それ?お化粧した写真送ってきたの?」
「うん、そうなの。私がね、先に写真を送ってから、『そろそろリリーさんの顔見たいなぁ。』ってメールしたのよ。そうしたら、しばらく返事がなかったのよね。」
「それはそうよね。だって顔の写真送ったら誰だかわかってしまうものね。」
「うん、彼もそう考えたんでしょうね。いろいろいいわけして写真をなかなか送ってくれないのよ。私ももうこの辺が悪戯も潮時かなとも思ったんだけど、どうせ終わるんでも、もうちょっとやってみようかなってね。で、わざと怒ったふりしてメールを送ったの。『きっと写真も送ってくれないところを見ると、信頼してくれてないってことなのね。私はリリーさんと本当のレズパートナーになれるって思ってたのに。リリーさんがどんな顔していてもかまわない。信頼してくれてるかどうか、それだけが知りたかったの。がっかりです。もうこれっきりにしましょう。』ってね。」
「うん、そうしたら?」
「『ごめんなさい、私が悪かったです。ラベンダーさんのことは本当に信頼しています。だから写真送ります。ブスでも笑わないでください。』ってメールと一緒に写真が添付してあったわ。その写真がね・・・」
 有希江はソファから立ち上がると、マガジンラックの端から小さなファイルを取り出し、一枚の写真をテーブルに置いた。
「な、なにこれ? アハハハハ・・・  ひどいわね。これは・・・」
 それはメイクなどという代物ではなかった。ファンデーションを何重にも厚塗りし、ほとんど真っ白になった顔にこれでもかと思いついた色のシャドウと口紅を塗りまくっている。もう歌舞伎の隈取りよりも厚いメイクだった。
「でしょ?でもね、これだけ厚くすれば誰だか判らないと思ったのね、きっと。」
「う~ん、それにしてもね・・・だって、これじゃ相手に嫌われるから同じじゃないの。ねえ?」
「たぶん、最後の賭だったんじゃない? 写真送らなければ終わりだし、だったら送ってみて、どんな顔していてもかまわないっていう私の言葉に賭けてみようって。だから、『写真送ってくれてありがとう。私にはリリーさんが信頼してくれたことだけで嬉しいの。だから、これからもメール続けましょう。そしていつかもっとお互いが判ったら、本当のレズパートナーとして愉しみましょう』って送ったの。そうしたら、すぐに返事が来たわ。たぶん、とっても嬉しかったんだと思うわ。『許してくれてありがとうございます。もうこれからはラベンダー様の信頼を裏切るようなことはしません。リリーはラベンダー様の言うことには何でも従います。だからリリーのこと見捨てないでください。』って書いてあったわ。」
「あら~、もう完全に捨てられる直前の女のセリフね。それがあの自信に溢れていた坂下部長の言葉なの?何か信じられないなぁ。会社の子たちも、もしそれを知ったら驚くわよ。相当きつく叱られてた子もいるからね。アハハ」
「そうね、だいぶ厳しい上司だったもんね、会社では。でも私の魅力に嵌ったのが運の尽きってことかな?アハハ・・」
「はいはい、有希江様はお美しくて、魅力的でいらっしゃいますからね。」
「うん、判ればよろしい フフフ・・」

「で、その後はどうなったの?」
「私の言うことには何でも従うって言うんだから、それを利用しない手はないでしょ?『じゃ、リリーさん、私好みの女の子になること、誓える?』ってメール送ったわ。そうしたら『誓います。何でも命令してください。リリーはラベンダー様のものです』って返ってきた。もう、後は流れるように進んでいった。私は妹みたいなパートナーが欲しい、だから私のことは『お姉様』と呼びなさい、私は『リリー』と呼び捨てにするからね、とか。『リリー』のメイクは変だから、お姉様の言うとおり直しなさい、とか。それはそれは素直に従って来たわ。メイクだっていつの間にか、このレベルまで来たんだから。」
 有希江は再びファイルを取り出すと、先ほどとは別の一枚の写真を取り出し、その横に並べるように置いた。
「ええ?これ、本物?修正とかしてないの? へ~、これなら十分女性として通用するじゃない。美人って程じゃないけど、そこそこ魅力的じゃない。」
「でしょ?彼の面影も少しは残っているけど、レディス服を着ていれば、まず男と判ることはないレベルでしょ?」
「うん、確かに。ねえこの「オバケ」写真から、こっちの写真まではどの位の時間がかかったの?」
「う~ん、ちょうどひと月くらいかな。たぶん元々女性的な顔してたんだよね。だから、ちょっとメイクのコツ掴むと、どんどん綺麗になっていく感じだったなぁ。それにね、毎回毎回励ましてあげたからね。『リリーはどんどん綺麗になっていくのね。お姉様はリリーの成長ぶりが嬉しいわ。もっと綺麗になったリリーとキスしたり、ハグしたりしたいわ。』とかね。そうしたら必ず返事があって、『リリーもお姉様に早く抱きしめて欲しい。キスもたくさんして欲しい。リリーをお姉様の可愛い妹にして』なんて書いてくるのよ。なんか、一日ずつ心まで女性化していってるのがわかる感じだったわ。」
「キャー可愛い。それメールじゃなくて、目の前で実際に言わせたくなっちゃうわね。フフフ・・。でもそんな風になるなんて、元々心も女性的だったのかもしれないわね。」
「うん、そうね、もしかしたらね。」
「うん?この写真の頃で何か月目くらい?」
「う~ん、どの位だろ、そうね・・・4か月位かしら。」
「ふ~ん、じゃ、まだ2か月もあるのね、悪戯の期間が・・何か楽しみ~」
「何よ、慶子すっかり楽しんじゃってるじゃない。もうワインも開いちゃってるし・・ねえ、もう一本開ける?」
「うん、開ける~ ヘヘヘ」
「何か酒癖悪そうだな~ 大丈夫かな~ ハハハ」

 有希江は新たなワインボトルを開けると、慶子のグラスに注ぎ、次に自分のわずかにワインが残ったグラスにもつぎ足した。
「メイクが終わったら、今度は服装だったわ。ランジェリーも靴もアウターもすべて指示してあげた。私の好みの女の子になりたいなら、ちゃんと言われたものを着なさいってね。それ以外を着たら、もうお姉様のリリーじゃないからって。そうそう、途中で一回おもしろい話があったのよ。私が指示したランジェリーはどこで売ってるのって尋ねてきたから、どこどこのランジェリーショップよって返したら、ランジェリーショップは恥ずかしくて入れないって返事があったのよ。男の気持ちで返信しちゃったのよね、きっと。だから、『え?どうして?女の子がランジェリーショップ入るの当たり前でしょ?もしかしてリリーって女の子じゃないの?』ってね。」
「うゎっ~意地悪~。で、何て言って返してきた?」
「それがね、笑っちゃうんだけど、『リリーは貧乳だから、サイズとか計られるのが恥ずかしいんです。だからあんな返信しちゃったの。ごめんなさい。お姉様』って返してきたのよ。」
「へ~うまいこと言うじゃない。これじゃ、ドSの有希江もそれ以上意地悪言えないわね。ハハハ・・」
「フフフ・・・そうはいかないわ。この言葉で閃いたのよ。これはおもしろくなりそうだな~ってね。」
「へ~どういうこと?」
「返信メールにね『ええ~?がっかりだわ。お姉様は、オッパイの大きな女の子が好きよ。ペチャパイなんて幻滅。ペチャパイの子は男の子みたいでゾッとしちゃうのよ。そうか、じゃ、リリーとはレズパートナーにはなれないわね。このままメールフレンドでいましょ。』って書いて送ったの。そうしたらね、もうびっくりするような返事が返ってきたのよ。」
「ええ?どんな?」
「近いうちに豊胸手術する予定なんです、だからお姉様をがっかりさせることはありませんってね。」
「ええ~?うそ~? どこまで追い込まれちゃうの?彼?」
「うん、確かに普通じゃなかったかな。仕事は失敗続きだし、ダイエットでやせ細って元気ないし、髪の毛も爪も伸ばしていて、誰にも相手にされなくなっているから、きっと私が最後の頼りだったんでしょ?だから、豊胸手術なんて出任せ言ってでもなんとか私の関心をつなぎ止めたいと思ったんだわ。」
「う~ん、そこまで追い込まれちゃったのね。で、どうしたの? 『豊胸手術なんて出任せ言ってごめんなさい』とでも言わせて謝らせた?」
「ううん、謝らせたりなんかしないわ。」
「へ~、じゃ謝らなくても許してあげたんだ? 珍しいじゃない、ドSの有希江にしては。フフフ・・・」
「アハハ・・・許すわけないでしょ?」
「ええ?どういうこと?え?まさか本当に・・・?」
「フフフ・・ええ、そのまさかよ。本当に手術させちゃったの。」
「うそ~、ちょ、ちょっと・・それって・・・」
「え?何?犯罪だとか言いたいわけ?大丈夫、全部自分の意志で、しっかりとした病院で手術してるんだから。」
「どうやってそんなことができたの?」
「うん?まずね、
彼が豊胸手術って言ってきたから、どこの病院で?って聞いたのよ。そうしたら、洋順病院だって言うじゃない。きっと私が以前ヒアルロン酸注射打つ時に行ったのを覚えていたのね。でも、洋順病院の院長と私が昔とても『深い』仲だったってことを彼は知らなかったのよね。で、洋順病院なら安心よ、信頼して行きなさい、って返事したの。」
「でも、どうして?普通、手術する前に説明受けたら思いとどまるでしょ?何で受けちゃったの?」
「アハハ、それは簡単。院長に声かけておいたから。豊胸手術で入れたパックはいつでも取り外し可能だから、気楽に考えて大丈夫だと説明して欲しいって。もちろん、院長は最初拒否したんだけど、私、院長の秘密知ってるのよね、実は・・・・・フフフ」
「うわ~、どこまでも怖い人ね、有希江って。」
「確かに、自分でもそう思うわ フフフ・・・。」

 〔続く〕


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サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

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