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『再会』 その7

 すでに慶子にとっても、目前の沙也香が、元は坂下智則であり、またリリーであったということは動かし難い事実として認識されていた。
 だが、そうだとしても、いやそうだからこそ、沸いてくる大きな疑問があった。
 それは目の前の信じがたい光景を作り出している、根本に関わる疑問とも言えた。

「でも・・・どうしてなの?」
 慶子が呟くような声で言った。有希江に向けてなのか、自分に向けてなのか、はっきりとはしない問いかけだった。
「うん?どうしてって?」
「うん、つまり・・・どうして彼・・・いえ、彼女ははこんな悲惨な生き方を選んだの?それにどうして有希江はこんなひどい仕打ちを彼女にしたの?」
 
 慶子の問いかけに、一瞬の間をおいてから有希江は口を開いた。
「その二つの質問に対する答えは単純かもしれないわ。少なくとも私に対する質問にはね。
答えは私が根っからのSだからってこと。男を苛めることが・・・ううん、男と言っても、智則のように小柄で体格も劣っているような男を見ると苛めたくて仕方がなくなるのよ。もちろん、私の中にそんな性癖が眠っていることを気づかせてくれたも智則だったってことなんだけどね。」
「で、でも・・有希江、今、宮田くんとつき合ってるんでしょ?彼の前でもSなの?」
「アハハ・・ううん、違うわよ。今も言ったでしょ?小柄で体格も劣っている男を見るとって。雅明みたいなガッチリマッチョにはM・・・とまではいかないけど、それなりに『子猫ちゃん』になっちゃうわ。ね?雅明?」
「子猫」という比喩がよほどおかしかったのか、それまで黙って会話を聞いていた雅明は声を上げて笑った。 
 慶子もそれにつられて微かに微笑みはしたが、まだ心からの笑顔を見せる余裕はなかった。落ちついてきたとは言え、心には戸惑いがこびりついていた。

「それから、もう一つの質問ね。 沙也香が何でこんな悲惨な生き方を選んだのかってことね? う~ん、それは私から答えることではないわね。ここにいる沙也香に答えてもらった方がいいわ。沙也香、あなたの口から答えなさい。」
 有希江はそう言うと、沙也香の手を取り、慶子と有希江の間に座らせた。三人がけソファの真ん中に座る華奢で細身の少女を豊満な熟女2人が挟む格好である。
 有希江は沙也香の震える肩に手を回し、薄手のブラウスの上から優しく撫でながら、囁くような声で語りかけた。
「さ、社長様に、沙也香の気持ちお伝えしなさい。正直にね、嘘をついてはダメよ。いいわね。」
「は・・・はい・・・」
 それは、消え入りそうな小さな声だった。

「あの日の夜・・・あの『リリー』と『ラベンダー』のタトゥーを入れた日の夜、沙也香は何をしたんだったかしら?」
 なかなか話し出そうとしない沙也香を見かねて、有希江が話のきっかけを振った。
 決して苛ついているような様子ではなく、むしろ楽しげな笑みさえ浮かべている。
「は、はい・・・どうしても、忘れられないので・・・これからも会って欲しいってメールしました。」
「それだけじゃなかったでしょ?隠さないで言いなさい。」
「・・・はい・・・あの、『ラベンダー』さんとのセックスがどうしても忘れられません。お願いです。また、『リリー』を・・・イジメテください。ってメールしました。」
「フフッ・・そうね、それで2週間後に沙也香の・・いえ、智則のマンションでもう一度会ったんだったわね。そこでどんなお話したんだっけ?」
「あ、あの・・・有希江おばさまは、もう『ラベンダー』と『リリー』の関係は終わりよ、どうしても続けたいなら新しい関係にならなければいけないわとおっしゃいました。『レズパートナー』としてではなく、『主人と奴隷』の関係に。」
「うん、で、それを沙也香は受け入れたんだったわね。どうしてそんなこと受け入れたりしたのかしら?」
「あの・・・それは・・・その・・・・」
「はっきり、言いなさい。おばさまに犯されたアナルセックスが忘れられなくなったからだって。そして自分がどうしようもないMっ娘だということに気付かされたからだってっ!」
「は、はいっ・・・・、おばさまはその時、もう主人と奴隷なんだから、この前のようなプレイはできない。 奴隷はご主人様にアナルを犯して頂く代わりに・・・おクチと舌でご主人様の大事な所に・・ご奉仕させていただくのだと。」
「フフッ・・そうね。それから沙也香は私のヴァギナにご奉仕したんだったわね。沙也香のクンニはとっても上手だったわ。3回もイっちゃったもの フフフ・・・ その後は?どうしたんだっけ?」
「はい・・・沙也香のアナルを・・・ディルドゥで・・・犯していただきました。」
「どうだったの?気持ちよかったの?」
「は、はい・・とっても。」
「忘れられなくなっちゃったのよね?自分がMッ娘だって気づいたのよね?」
「は、はい・・・沙也香はお尻を犯されないと感じない、変態Mっ娘になってしまいした。」
「フフフ・・・やっと正直に言えたわね。ヨシヨシ・・・」
 有希江は真っ赤になって俯いている沙也香の頭を軽く撫でるように触れた。
 それに呼応して沙也香の頭が有希江の肩にもたれかかっていった。

 慶子にはこの場の会話が有希江によって強制されたものなのか、それとも沙也香の意志によるものなのか、判別することはできなかった。だが、それはもはやどうでもいいことのようにも思えた。
 沙也香がアナルセックスの虜になったためにM性に目覚めたというストーリーが、仮に作り話であろうと、真性S女である有希江に沙也香が心から仕えているという事実は疑いもなく存在しているのだ。
 ゲイ・レズカップルの養女として、またセックスペットとして暮らすことを選択したのも、全財産を捨て生命の危険まで承知の上で、美容整形手術を受けることを選択したのも、そして男として生まれながら、女として生きることを選択したのも、すべては動かし難い事実なのである。
 沙也香に残されたものは、二十歳そこそこに見える可愛らしい容貌と、手足の長さが際だつ華奢でか細い肢体、それとコントラストをなすかのような豊満なEカップのバストとふっくらとしたヒップ、そして、有希江との唯一の心の絆を示す『リリー』と『ラベンダー』の色鮮やかなタトゥーだけである。
 例えどんなに屈辱的な仕打ちを受けようと、どんなに恥辱的な目に遭わされようと、沙也香にはそれを拒否することはできないのだ。そうであるなら、その屈辱や恥辱を進んで受け入れ、そこに喜びや快楽を得られるM性を持ちたい。いや、M性を持つように自分の心を変えていかなければ・・・と無意識の内に考えたのかもしれない。 
 今日、目の前で目にした沙也香の揺れ動く言動を見ていると、慶子にはそのように思えてならなかった。

「ところで、慶子、なんでこの娘に沙也香って名前を付けたかわかる?」
 有希江は沙也香の頭を撫でながら、慶子の方に視線を向けた。
 ぼうっと考え事をしていた慶子は、一瞬ハッと目を開いた。
 有希江はクスッと悪戯っぽく微笑むと、雅明に目配せをした。
 雅明は合図を待っていたかのように小さく2回頷くと、バッグから黒革の手帳らしきものを取り出し、慶子に手渡した。
 手帳らしきものと思ったそれは、フォトケースだった。
 開いてみると、左側に顔のアップ、右側にはセーラー服を身につけた全身写真が収められていた。
いずれも今有希江の肩に頭を凭せ掛けている沙也香の写真だった。
 写真の下にも「沙也香」と名前が書き込まれている。

「え?これが何だって言うの?」
 慶子は有希江の方に視線を向けた。沙也香の固く目を閉じ、小刻みに震えている姿が目に入った。何かに怯えているような様子である。
「日付を見て。」
 有希江の言葉に従って、写真下の日付を見る。
 ○○年3月24日とあった。10年以上前の日付だった。
「え? この日付・・・?」
 慶子はそう言いながら、写真の細部を凝視した。確かに幾分写真の色合いが古めかしく感じられなくもない。
「フフ・・でしょ? だって、その写真、ここにいる沙也香のものではないもの。」
「ええ?でも、名前が沙也香って。」
「ええ。その写真の子も沙也香なのよ。つまりここにいる沙也香と写真の沙也香は別人。」
 確かにそう言われてみると、似てはいるが、顔の輪郭の微妙な違いや、耳の位置、髪型、そしてよく見ると、体型がかなり違うのがわかった。写真の沙也香に比べて目の前の沙也香はよりやせているにも関わらす、より豊満な胸をしている。それに制服もデザインは同じだが、目の前の沙也香のそれはスカート丈もブラウス丈も超ミニサイズにデフォルメされていてとても写真のように実用的なものとは言えない。

「え?じゃあ、この写真の子って一体誰?」
 慶子は雅明の方に視線を送った。雅明はそれに応えて頷いてみせた。
 慶子は再び写真に目を落とし、次に目の前の沙也香を見た。なぜか、先ほどよりも震えが大きくなっている。有希江の指先がそれを慰めるかのように沙也香の髪の毛を撫でている。
(何をこんなに怯えているのかしら?似ている人の写真があったくらいで・・・・・
え?ちょっと待って、そうじゃないわ。似ているんじゃないわ。似させられたのよ。写真の子に似るように、手術で・・・・)
 慶子の心に落ち着きかけていた動揺がまた広がってきた。
「まさか、この写真の子に似せて整形したってこと?」
「フフフ・・・そう、当たり。まあ、完全コピーってわけにはいかないけど、かなり似てるでしょ?双子って言ってもバレないレベルじゃない?」
「で、でも、どうしてこの写真の子に似せる必要があったの?」

「ねえ、慶子、覚えている?雅明が入社の頃につき合っていた彼女がいたこと。で、ある人のせいで別れてしまったこと。」
「え? ああ、覚えているわ。確か当時女子大生だったのよね?部長に命じられた残業のせいで誕生日祝いができなくて・・・・え?ま、まさか・・・」
 慶子は雅明を見た。雅明はゆっくり立ち上がると、写真を慶子から受け取り、ため息をついた。
「ああ、この写真の沙也香は俺の恋人だった。誰かのせいで別れることになってしまったけどな。」
 慶子はもう一度目の前の沙也香に視線を落とした。全身の震えは更に大きくなっている。
「私は、最初はそんな気はなかったのよ。でも雅明がどうせ整形するなら俺のアイディアを入れてくれって言うから、まあ、おもしろそうだな~って賛成したってわけ。それにしても男の恨みっていうのも恐ろしいものだと思ったわ。失恋の原因を作った人をその失恋相手に似せて恨みを晴らすなんてね。しかも、その晴らし方が昔自分が受けた屈辱を性的辱めに変えて、それも昔その人が使っていた言葉を言わせながら・・・」
「まあ、俺の場合はちょっと歪んでいるのかもしれないがな。それだけ恨みも大きかったってことだ。」
 有希江の言葉を遮って、それまで沈黙していた雅明が言った。これだけは言っておきたいという気持ちが現れているように思えた。
沙也香の震えはまだ収まっていない。いや、収まるどころか、雅明の最後の言葉に反応したのか、ブルッと大きい痙攣をしたかと思うと、固くとじ合わせた瞼から一筋の涙が流れ落ちるのを慶子は見た。
 
「あらまあ、すっかり怖がっちゃって、こんなに涙も流して・・・」
 有希江は沙也香の身体を抱き起こすと、頬に伝った涙を指先で払った。
 沙也香はうっすらと目を開けた。長い睫毛が今だにフルフルと揺れている。
「もう大丈夫よ。おじさまも沙也香がいい娘だったら、これ以上意地悪言わないわ。ね、そうでしょ?雅明?」
「ああ、もう言わないよ。その代わり、いい娘でなかったら、すぐにお仕置きだからね。わかったね?沙也香?」
 雅明の言葉に沙也香はもう一度目を瞑った。何かを思い出そうとしているようだ。
 恐らく、このように言われたときにどう答えなければならないのか教え込まれているのだろう。
「は、はい・・・おじさま・・・沙也香は、昔・・本当にいけない娘でした。その時お仕置きされなかった分、今たくさんお仕置きしてもらって、感謝しています。これからも、ちょっとでも悪い娘だったら、お仕置きしてください。それと・・・それと・・・一杯、恥ずかしい思いをさせて欲しいです・・・だって、『恥辱を自分の宝とせよ』ですから。」
 沙也香の精一杯の言葉に有希江と雅明は顔を見合わせて笑った。
 慶子も釣られて笑みをこぼしたが、決して心からの笑みではない。
 自分もどちらかと言えばS女だと思ってはいたが、有希江や雅明からみれば可愛いものだ。とても自分にはここまでサディスティックな感情は持てないだろうと思いながら、彼らの笑い声を聞いていた。

 〔続く〕

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サテンドール

Author:サテンドール
=============================================
女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
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