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Priscilla's Perils(翻訳) その4

 翌日、朝食後、僕は母の車に乗せられた。僕はマーガレットとその友達のおしゃべりに取り囲まれることとなった。
 彼女は最終的に、町の『排他的な』場所にある、僕の知らないある店の前の駐車スペースに車を止めた。
 ピンクと白の日よけに書かれた定型文字を見たとき、僕の心は沈んだ。
『The Sissy Mister』
「あなた、ここで買い物を楽しんだんだろうから、ここの服を着るようにしないと・・いつでもね! それから行儀良くなさい・・さもないと・・・」
 
 僕は無駄と知りつつ抵抗を試みたが、少女達は僕の逃げようとする空しい努力を無視し、店へと急がせた。
 近づくと、ウィンドウには女の子らしいポーズを取り、ドレスを身に纏った少年のマネキンがあった。それはとても上品ぶっていて、女の子らしかった!
 僕は恐ろしさに思わず喘ぎ声を上げた。

「これは面白いことになりそうね。」ヒースが僕の耳許で囁いた。

 店内に入ると、僕は恐ろしさで気を失いそうになった。
 店は(*9)ガーリーガール憧れのピンク色の夢に溢れた世界だった。
 そこは夥しい数のピンクリボンで飾られ、女性らしい花柄プリントで強調されていた。
 その店に比べれば、ショッピングセンターにあるあの有名なランジェリーショップでさえ男性用ロッカールームに見えるほどだった!

 どちらかと言うと、商品は装飾と言うよりははるかに女性的だった。
 テレビやおそらく結婚式でもなければ、僕はそんな極端に女らしい服を見たことがなかった。
 少女達がバカらしいパーティドレスを身に纏った少年のマネキンを嬉しそうに調べている間に、男のような姿をした女性が近づいてきた。
 髪の毛は固くまとめられ、ピンストライプの男性用テーラードスーツを身に着けていた。 どこか変わった雰囲気だった。

「あら、ピーター! また会えて本当に嬉しいわ。」
 その女性はまるで旧友であるかのように女らしいハグとキスをした。
 僕は彼女とこれまで一度も会ったことはなかった。
「許してくれたらいいんだけど、あなたのお母さんに、あなたが水着を買った時のショッピングの様子を全部話してしまったのよ。でもあなたっていけない娘ね、だって私には、家の人が本当のあなたを知っているって言ったじゃないの。恥を知りなさい!」
 
 彼女は母と少女達に顔を向けた。
「いらっしゃい、皆さん。今日はとても楽しい一日になりそうね。
 その女性の高級なネームタグには『ドリス・グラッドストーン  オーナー』と書かれてあった。   
 
 母は微笑んだ。
「ドリス、ここに来るのをずっと楽しみにしていたの。私、この(*10)クローゼットのSissyが、女らしいSissyとしていつも着飾るのが大好きになる様子を、早くこの目で見たいわ。私の息子がオバカなgirly-boyであるという事実を誰の目にも明らかにしたいのよ。」

 グラッドストーンさんは僕に粗野な笑みを浮かべた。
「ご心配には及びません。デザイナーと科学者からなる私たちのチームが絶え間ない研究を重ね、あらゆる少年に適応するSissy化プログラムを開発していますので。プリッシーをどうなさりたいのか、おっしゃってくださいますか?」

「ええ、ドリス、プリシラはドレスアップゲームで、女性、特に私をバカにするのが好きみたいだから、彼には嘲笑の対象になることがどういう気分かを実際に知ってもらいたいわ。」
 母はこちらにやって来て、自分と視線が合うように僕の顎を持ち上げた。
「これからは私の息子の外見は最大限女らしいものにさせるつもりよ。」

 僕の口はカラカラになり、目は母の冷たい怒った目を見つめた。
 僕は目で彼女の心が静まるのを願ったが、彼女の唯一の返事は僕の頬を抓ることだった。 マーガレットと友達達は僕の落胆した表情を滑稽だと思ったようだ。
 グラッドストーンさんの顔に笑みが戻った。
「私にはあなたの息子のイメージが浮かんでいます。まずはすばらしい基礎衣類とランジェリーから始めましょう。これはあなたの息子に今後新たな社会的立場を思い知らせることになるでしょう。言うまでもないことですが、彼はこれからずっとドレスとスカートで過ごさなくてはなりません。我々の(*11)Fem Fairy コレクションは最も極端に女性的な製品です。プリッシーには最適です。彼の内なる少女を公にするには完璧な製品です。」
 少女達は声を上げて笑い、僕の顔は真っ赤になった。
 
 グラッドストーンさんの話は終わらなかった。
「プリシラはとても女性的なgirly-boyなので、外見をできるだけお上品でお淑やかにするべきです。だから彼には誇張された50年代ファッションをさせるつもりです。洗練されてはいるけど、とんでもなく女女したSissyにするつもりです。」彼女は笑った。

「ウエストニッパーで締め上げるの?」ヒースはクスクス笑った。

 ジェイニーが言葉を継いだ。
「それにたくさんのペチコート付きの広いサークルスカートよね?それから超タイトなペンシルスカートよね?」 

 サンドラが笑いながら、突然口を開いた。
「それからsissy boyの膨らみかけたオッパイがわかるような、可愛くてタイトなセーターでしょ?」

 少女達は声を上げた。彼らにとってこんな面白いことは初めてだった。

「すばらしいチョイスだわ。みんな、本当にすばらしい趣味をしてるわ!」
 
 僕は震え出した。本気であるはずがない。
「止めろよ! 笑うな! 僕はそんなクソみたいな服着るつもりはないからな。僕にそんなことできないぞ。こんなこと間違っている。僕は男なんだ!」

「もう済んだ?」美しい店員が尋ねた。僕は涙ぐみながら頷いた。
 僕には、グラッドストーンさんが彼女に「僕の態度を改めさせる」よう言った後も、彼女に止める気持ちはないだろうと思った。
 それは地獄の苦しみだった。僕は間もなく、苦痛と屈辱の入り交じった感情にすすり泣いていた。
 店員は、グラッドストーンさんと、苦しみをもたらす者たちの待つ所へ僕を連れて行った。

「さあ、ここよ、プリシラ。急がないと。マッジがサロンで今や遅しと待っているわ。」
 
 グラッドストーンさんは僕の腕を荒々しく掴むと、ドレスコーナーを通り、店内の違った場所へと僕を向かわせた。
 間もなく、僕たちは昔風で、とても女性的な美容院らしき所の受付の前に立っていた。
 その場所はヘアースプレーなどのウンザリするほど甘い香りに満たされていた。
 受付越しに見ると、ピンクのスモックを着た美容師達が客に対応していた。
 もっと近くで見てみると、少女らしいピンクのケープを身に着け、カット、カーラー、スタイリング、スプレーなどをされている客達は僕みたいな・・・男の子だということがわかった。
 姉妹や母親や叔母たちが、令嬢のような髪型にされた少年をからかいながら、喜んで見ていた。
 もし僕が脅されていなかったら、きっと彼らを気の毒だと思っただろう。
 僕は目にした光景に動転していたので、サロンの店長であるマッジが来たことに気づかなかった。
 彼女は年配で、厳しい顔つきをしていた。
 薄い唇には作り笑顔が、そしてその目は僕を上から下まで見つめていた。

「いらっしゃい、皆さん。おそらく・・・あなたがパーカー夫人ですね。」

「ええ、こんにちは、マッジ。会えて嬉しいわ。このサロン、とても気に入ったわ。」

 マッジはニコリとした。「で、このかわい娘ちゃんはどなた?」彼女はまるで赤ん坊にするように僕に問いかけた。

「私の息子の、プリッシーよ。こちらは妹のマーガレット、私、彼が完璧に女らしく変身した姿を見てみたいの。きれいなメイク、素敵な髪型、魅力的なネイル・・・その他何でも。 彼はこれまでSissyとしての空想を家族にも友達にもひた隠しにしてきた。だから、それらを使って、会う人みんなに確信させてあげたいのよ。」

 マッジは無慈悲に笑った。
「ねえ、プリッシー、聞こえた?とても楽しい時を過ごせそうね。」
 
 彼女はSissyヘアースタイルの大きなスタイルブックを持って来た。
 それはひどいものだった!
 すべてのスタイルが驚くほど仰々しかった。
 髪型が写真のようになると思うと、僕の顔は恥ずかしさで真っ赤になった。
 膝から力が抜けた。
 どうしたら友達に会うことができるだろう? どうしたらみんなの前に出られのだろう?ひどい屈辱感だった。 
 
 マッジは意地悪そうな声で言った。
「私には完璧なスタイルのイメージがあります。それは、仰々しくも美しい・・・とても貴重な髪型です。でも、そのヘアスタイルは悪夢とも言えます。と言うのも、カーラー、スタイリングジェル、大量のヘアスプレイが必要だからです。洗髪とセットのために一週間毎の長期予約が必要になります。もちろん、そんな髪型、本当の女の子はしません。少なくとも50年代以降はね。」
 それは本当にSissy用のスタイルだった。彼女は、派手なジェスチャーで、ゾッとするような写真を指さした。それは、後ろを女の子らしくフワフワに盛り上げ、たっぷりとした前髪で額を覆った少年の写真だった。前髪の上にはバカげたリボンまで付いていた。
 
 僕は吐き出しそうな写真を見て喘いだ。

「言うまでもなく、この髪型はプラチナブロンドにすれば、ずっと女の子らしくなります。」とマッジは笑った。

 母と少女達はマッジのお勧めが気に入り、間もなく、僕は他の男の子と同じようにサロンの椅子に座らせられた。バカみたいなレースのケープが僕の首にかけられた。
 不安げにサロンを見た時、僕は吐きそうになった。他の少年達が完全なオカマに見えた。
 僕は自分の運命を見ている気がした。
 
 マッジは、僕のすすり泣きなど無視して、手荒に仕事に取りかかると、髪の毛をあれこれと引っ張り始めた。
 彼女はひどい匂いのペーストを髪に塗りつけた。
 それを洗い流した後、マッジは楽しそうにシャンプーをし、髪を整えた。そして大量のセット用ジェルと小さなトゲトゲのあるカーラーを使って、カールし始めた。
 くそっ!
 そんなにきつく巻かなくてもいいじゃないか?僕は髪の毛が抜け落ちるのではないかと思った。
 
 マーガレットが仕事中のマッジに語りかけた。
「まあ、本当にたくさんのことをしなくてはいけないのね。彼、毎日こんなことしなくてはいけないの?」

「ええ、その通りよ。就寝前に必ずね。だから、カールを崩さないための、きれいなシフォンのキャップを選んでおいてね。それから朝になると、彼はカーラーを外して、髪をといて、ピンで留めて、きちんとスプレイをしなくてはいけないの。でも、その姿はきっととっても女の子らしいわよ。彼もきっと大好きになるはずよ。」

「聞こえた?プリシラ。あなた、これからカーラー女王になれるわ!」母が笑った。
「毎晩、髪を巻いていれば、自分がオカマちゃんだということ、忘れなくて済むわ。」
 
 僕の髪が小さなピンクカーラーの行列で覆われたと、マッジが僕をヘアドライヤーの下に連れて行き、大きな弾丸の形をしたフードを引き下げ、僕の手に(*12) Sissy Teen magazine を押しつけた。
 ヘアドライヤーのうなり音のせいで、僕の耳には何も聞こえなくなったが、母と少女達が笑いながら、僕を指さしているのが見えた。
 言うまでもなく、少女達の手にはカメラが握られていた。 
 僕は目を閉じ、屈辱から逃れようとした。
 僕には、自分がどのような姿になるのかわかっていた。きっと髪を素敵に美しくセットされた完璧なsissy boy だ。
 僕は、頭が燃え出すのではないかと思うまで、ドライヤーの下に座っていた。
 
 最後に、少女達の承認を意味する笑いがあり、マッジは僕を椅子に戻して、バカげたカーラーを外しだした。
 僕はバカらしいカーラーを外すことができて嬉しかったが、彼らによってもたらされた髪型は恐ろしいものだった。
 僕の頭は、きっちりとしたプラチナブロンドのカールで覆い尽くされていた。

「ほら、私のやることを見ていなさい。だって、これからは自分でしなくてはいけないんだから。」
 
 なんてことだ。
 マッジは櫛を取って、髪の毛をとかし始めたが、すぐにそれを上にとかし上げた!
 彼女の動きは素早かった。それによって僕の頭はしっかりと引っ張り上げられた。
 それから彼女はヘアピンで一部を止め、両サイドを持ち上げた。
 彼女の動きが終わったとき、バカげた前髪を除いて、僕の髪は、頭上がお祭りの綿菓子のようにフワフワにされていた!
 くそっ!
 それから彼女は、ひどい匂いのするヘアスプレーを全体に吹き付けた。
 スプレーの霧が消え、僕は鏡を見た。
 何てことだ!
 僕の姿はまるで誰かの漫画に出てくるSissyそのものだった!
 ひどいなんてもんじゃない!

 マーガレットと少女達は楽しさに、飛びはね、手を叩いた。
「プリシラ、ご覧なさい!Sissyらしいフワフワヘア、とっても素敵じゃない?でも、何かちょっと足りないと思わない?」
 マーガレットは笑いながら、髪の前の方、つまりちょうど前髪の上に、大きなピンクのリボンをピン留めした。
 もし僕の今の髪型が「悪く」見えるなら、その時のそれは「とてつもなく悪い」と見えただろう。僕は両手で顔を覆い、恥ずかしさですすり泣いた。

 母がマッジにカーラー、超強力セットジェル、大量のヘアスプレー、「数え切れないほどの」可愛いヘアアクセサリーとリボンが欲しいと言うのを聞いたとき、僕のすすり泣きは一層激しくなった。

 マッジはニッコリしながら、髪のリボンを弄んだ。
「プリシラの予約は一週間おきにさせていただきます。」
 母の怪訝そうな表情を見て、彼女は続けた。
「プリシラのシャンプーやセットをひと月に一回、お母様の行ってるサロンでやってもらえば、面白いことになると思いますわ。そうすれば、あなたのお友達やプリッシーの友達のお母さん達も、彼のオカマちゃんぶりを直に見ることができますから。」
 
 母は笑った。
「まあ、なんていい考えなの!私の担当美容師のベスに、彼の髪もやってもらうわ。でも、残りの週末はどうしようかしら?」

「古いタイプのサロン、つまり男性客が寄りつかないようなサロンを見つければ、きっと面白いことになりますよ。そこではきっとプリシラは本当の嘲笑と屈辱を味わうことになるでしょう!」

「マッジ! あなたは天才だわ! 私そういうサロン知ってるわ。Bertha's Beauty Barnよ。
ピンクカラー風のお店で、本当に昔ながらのビューティパーラーなのよ。sissy boyがカーラーで髪をセットされるのを見て、彼女たちがどんな反応するか想像してみて。面白いことになりそうじゃない?ね、プリシラ? あなた、他の女の子と一緒に髪をセットしてもらうのよ。」
 
 僕は母が話している店を知っていた。そこは時を経て、すっかり古ぼけて見える店だった。その場所に足を踏み入れることを思うと、僕は背筋に悪寒が走った。
 
 僕が恐怖から回復するのを待たずに、マッジは荒々しく高級デパートにあるようなメイクアップカウンターに引っ張って行った。
 美しい美容師の女の子が、僕の新しいヘアスタイルを見て笑った。
「すてきよ、そのヘアスタイル。私たち、あなたにはたくさんの違ったメイクアップのやり方ができるのよ。ほとんどのSissyは、ほとんど気づかれないうっすらメイク、例えば、透明なリップグロスとか微かなファンデーションとかが好きみたい。綺麗な感じを味わうにはそれでも十分だけど、見つけようとしなれば、ほとんど誰の目にもとまらないわ。ワンステップ上げると、もっと可愛くて女の子らしい仕上がりになるわ。例えば、ファンデーション、お粉、口紅、マスカラ、それとすこしだけアイライナーでね。これは、自分の女らしさをもう少し現したいと思っている男の子向きね。」

「オプション3は究極の女性らしさね。それは極端な女性らしさ、つまり、新たな極限に達した女の子らしさのメイクね。このメイクにはナチュラルメイクの欠片もないの。誰の目からも、あなたが女らしさと美しさを最大限強調するためにメイクをしているのがわかるものよ。だから維持し続けるのも大変なの。一日中、絶えずメイクをチェックして化粧直しをしなければならないわ。コンパクトが新しいお友達になるわよ。」

「彼にはオプション3をお願いするわ。何かワクワクしない?プリッシー。あなた、女の子の真似をするのが大好きなんだもの。だったら、たくさんたくさん、お化粧しなくてはならないわ。私、あなたがお友達の前でお化粧直しをする姿を早く見てみたいわ。」
 
 メアリーが彼女の笑いに加わった。
「アイブロウから始めましょう。まず、形を整えなくちゃ。」

「形を整える? それってどういう意味? お化粧をするのだとばかり思ってたんだけど。」

「だから、眉を間引きしないとね。『超女性的』メイクには、眉は細くてアーチ型でなくちゃ。」
 メアリーは僕の眉を抜き始めた。僕は痛みに叫び声を上げた。
 彼女の仕事が終わった時、僕は恐怖を感じた。僕は完全なオカマのように見えた!
 例え、何のメイクもしなくても、僕はまさにSissyのように見えた。
 僕は一日かそこらで元に戻ることを祈った。
 さらに事態を悪くしたのは、マーガレットとヒースがお腹を抱えて笑い転げたことだった。
 
 次にメアリーは瓶を取り出し、濃い液体をスポンジで僕の顔に塗り始めた。
 彼女はそれがファンデーションだと言った。
 僕の顔がファンデーションで覆われると、まるで1トンの重さになったように感じた。
 僕が何かを言う前に、メアリーは、甘い香りのするお粉を、大きなパウダー用スポンジで、僕の顔に叩き始めた。それは少しだけ、くすぐったかった。
 
 僕は目を開け、驚いた。僕の顔はまるで磁器か何かでできているみたいだった。それほど青白かったのだ。
 でも僕には不満をいうことはできなかった、なぜならメアリーが僕の唇の輪郭を描き口紅を塗っていたからだ。

「プリシラ、この色、気に入ったんじゃない? 洗練された赤の唇っていかにもキスしてって言ってるみたいに見えるわ。それに、この口紅、特別な薬品が入っているのよ。これを塗ると唇がもっとずっとふっくらとして、とても可愛い(*13)poutになるのよ。」   
 次に彼女は目に取りかかった。
 
 母は笑った。「それって、つけまつげなの?」

「ええ、もちろんですわ。つけまつげはSissyの親友ですもの。ほら、驚くほどすてきだわ。」

「あら、まあ!」ジェイニーが叫んだ。
 
 メアリーが話を続けた。
「女の子らしい眉にダーク系のペンシルを入れてポップな感じにしましょうね! このリキッドアイライナーは少し練習がいるわ、プリシラ。気を付けて見ていてね。瞼には綺麗な色を入れるのよ。もちろん、マスカラもたっぷりね。さあ、今度はチークよ。この頬紅素敵じゃない?これを塗るとあなた達男の子を恥ずかしそうな表情にすることができるのよ。まあ要らないだろうけどね。 最後は仕上げの『定着液』よ。」

 彼女は甘い香りのするものを顔中に振るかけた。
「これを使うと、メイクアップが完璧なウォータープルーフになるの。事実、これを落とすには特別製のコールドクリームを使わなければならないわ。」

 彼女がメイクを終えて離れると、僕はもう一度鏡に映る自分の姿を目にした。
 それを見ながら、僕は開いた口がふさがらなかった。まるでSissyドールのようだった。
 僕の顔は青白く、ほとんど純白に近かった。
 唇は赤く大きな(*14)cupid's bowだった。
 頬紅は僕の顔に恥じらいの表情をもたらした。そんなもの完全に不要だったのだが。
 僕は、はっきりした白のスモックを着てデパートで化粧品を販売している極端に厚化粧の女性を思い出していた。僕は彼らの誰よりも厚化粧だった。
 僕は泣くまいと努めた。短い喘ぎを繰り返した。気持ちを落ち着けなくてはならなかった。僕はとにかく、バスケットボールのことを考えようとした。
 
 母が僕の後ろにやって来た、そして顔を僕のすぐ隣に寄せると、鏡を見つめた。
「どうしたの?プリシラ。あなたが綺麗な新しいお化粧姿を見せたとき、お友達が何て言うか心配しているの? そのSissyのヘアースタイルがあれば完璧にうまくいくわ。考えてみて。私たちはあなたのウンザリするような空想を実現してあげようとしているのよ。メアリー、今プリシラがつけている物を全部いただくわ。それにきっとハンドバックに入れる、あなたのサイン入り化粧ポーチも必要になるわ。」
 
 それはあんまりだった。僕は人にこんな姿を見せることなどできない。
 僕はみんなからからかわれ、侮辱されるだろう。物笑いの種になるだろう。
「お母さん、お願いだよ。」僕はすすり泣いた。「こんな姿で人前になんか出られないよ。」
 母は僕に同情的な表情を見せ、ガッチリした弾力のある髪のカールを撫でた。

「確かにそうね。」彼女はため息をついた。
「私ったら何を考えていたのかしら。気がおかしくなったと思ったでしょ!考えてみて!そんなバカげたヘアスタイルとおかしなメイクアップで人前に出ることを。そんなこと夢にも思わないわ。」

「ありがとう、うれしいよ。」僕は叫んだ。「僕、本当に怖かったんだ、それに・・・」

「ピアスもネイルもしないまま、あなたを人前に出すなんて夢にも思わないわ。」彼女は笑顔を作った。
 
 メアリーは笑いながら僕をマニキュアコーナーに連れて行くと、美容師に紹介した。 間もなく僕は、口紅と合わせ、光沢のある赤に彩られた半インチのネイルエクステンションを持つこととなった。それに続き、ペディキュアもされた。
 それが終わると美容師は、マーガレットと友達の歓声と嘲笑に応えて、僕に楽しそうにピアスを施した。
 
 店員が楽しげな表情で、大きな更衣室へと僕を導いた。
 彼女は僕に、服を脱ぎ、女らしい黄色のパンティを履くように命じた。それは僕が今まで見た中で一番フリフリでレイシー(lacy)なパンティだった。
 ウエストの中央にはSissyなリボンまで付いていた。
 僕は従うつもりだったが、できなかった。女の子のパンティなんて!
 それはあまりに屈辱的だった。
 僕が躊躇っていると、店員は僕のベルトを外し、あっという間にズボンと下着を膝まで下ろした。なんと彼女は僕を叩き始めた。
 僕がバカげたパンティを身に着けると、彼女はハイヒールのミュールを手渡した。
 彼女はひだ飾りの付いたピンクのカーテンを指さし、カーテンの向こうまで歩いていくように命じた。
 さらなるお仕置きを畏れた僕は、躊躇いながらも息を殺して、鏡に囲まれた試着用の高台へと歩いていった。
 
 台の前でマーガレットと友達が心地よさそうに椅子に腰掛けているのを見て、僕は恐ろしくなった。
 それはまるでプライベートのSissyファッションショーを演じるかのようだった。 少女達が指さし笑うのを見て、僕は激しい屈辱を感じた。
 
 マーガレットは僕の女らしい姿を見て、嬉しそうに笑った。
 友達たちも喜び合いった。そしてヒースはすぐに段を登り、僕のいる台に上がった。
「プリシラ、そのパンティ、あなたにとっても似合うわよ。」

「プリシラ、ヒースに何て言うんだったかしら?」
 グラッドストーンさんがからかうように言った。

「お願いだよ! もうこんなひどいところから出て、家に帰りたいよ!」
 
 僕には信じられないことだったが、ヒースは僕を前屈みにさせ、パンティを履いたお尻を何回も叩いた。

「お願い、止めて!」僕のお尻は火のように熱くなった。

「ねえ、プリシラ、良いSissyというのは、話しかけられた時にだけ口をきくものよ。そうじゃない?」グラッドストーンさんが優しげな口調で尋ねた。

「はい、その通りです。」
 僕のお尻はずっと痛みに疼いていた。
 僕は、狂った女にあえて反発することはできなかった。

「ほら、ずっと良くなったわ。Sissyなら・・・特にあなたみたいな本格的なSissyなら、可愛くて新しいパンティを履いた時はいつだって興奮するものでしょ。女の子らしくクルッと回って見せて、男物の下着を色とりどりの素敵な女性用パンティに入れ替えてもらうように、マーガレットとお母様にお願いしたらどう?淫らな気分になった時のために黒も揃えておかないとね!」
 
 僕は吐くかと思ったが、涙を流しながらもすぐにそれに従った。
 
 マーガレットは喜んで手を叩いた。
「それはとても楽しみだわ!もちろんそうしてあげるわよ、プリシラ。私だって、可愛くて女の子みたいなお兄さんの楽しみを奪うつもりはないわ。だってあなたパンティのために生まれてきたようなものだもの。実際、これからはずっと、男物の下着ではなく、女物のパンティ姿だけを目にするでしょう!」
 
 僕がモデルとなり、見慣れない女の子のパンティを何枚も「選んだ」後、母はグラッドストーンさんの方を向いた。
「グラッドストーンさん、忘れないで。息子には基礎衣類を身に着けさせたいの。彼を50年代スタイルにしたいのよ。私、彼がもっと女らしくなりたいと心から願っているのを知っているわ。」彼女は忍び笑いをした。

「もちろんですわ。おそらく私どもがプリシラに用意しているものをご覧になれば、一層ご満足頂けるでしょう。エミー、お願いがあるんだけど、このオカマちゃんに『Fifties Femme』商品を着せてあげて。」

 エイミーは嬉しそうに笑うと、僕を後ろの試着コーナーへと導いた。
 もしもパンティを「悪い」物と考えるとしたら、この後の物は「さらに悪い」物になることだろう。
 店員によって着せられた厚手のガードルには、足の部分とウエストの中央にレースの刺繍とサテンのリボンが意図的にあしらわれていた。
 僕はまるでバカみたいにお尻を振りながら、必死になって何とかそれを身に着けた。
 ブラも同じようにひどい物だった。それは厚いサテン地でできていて、ハイウエストのガードルとのペア製品だった。それは僕が今まで目にしてきたどんなブラとも違っていた。
前に鋭くとがった円錐形のブラカップだった。唯一の救いは、その週の初めに僕が着させられた水着よりもブラカップが小さかったことだ。まだ終わったわけではないと言うかのように、店員は僕のウエスト周りに何かを巻いた。

「こ、これは、一体何なの?」

「これはあなたのとても大切なコルセットよ。これを使ってあなたのウエストを蜂のような縊れにするまで絞るのよ。さあ、じっとしていて!」
 
 彼女は後ろのレースを操作したが、僕には何をしているのか見えなかった。
 最終的に彼女は靴を履く時のように、レースを引っ張った。
 幸いなことに彼女は、それがきつくなりすぎる前に止めた。
 
 すぐに、僕はマーガレットや友達に向かってポーズを取ることとなった。僕はそのまま気を失って死にたいくらいだった。僕はまるで変態Sissyのようだった!
 
 今回舞台に上がったのはジェイニーだった。

「みんな、見て!プリシラの男の子の部分がなくなっているわ。彼、ここもすっかり女の子みたいに見えるわ。」
 彼女は、普通は僕の男性自身があるはずのガードルの前部分を撫でた。

「当たり前のことよ。」グラッドストーンさんが口を開いた。
「マーガレットのお兄さんのようなSissy Boyは、男性自身を持っていないふりをするのが大好きなのよ。元々彼の小さなものは、何をしてもほとんど目立つことはなかった聞いているけど。」
 
 僕は彼女の言葉を無視しようとしたが、股間とウエストの不快感が増し始めた。
「何か・・・何かおかしいんだ。この下着、どんどんきつくなってくるんだよ!」僕は叫んだ。

「特にウエストの部分が少しきつくなった気がするでしょ。それは私たち開発した特殊素材でできているの。ガードルとコルセットは最初身に着けたとき、ほとんど不快感はなかったでしょう。でも体温で下着が暖められると、一層締め付けが進んで、あなたがいつも夢みていた、紛れもなく女らしいスタイルへと変えてくれるの。」

「止めさせて! 身体が引き裂かれそうだよ!」僕は締め付けに喘ぎ声を出した。

「止めさせて。身体が引き裂かれそうだよ。」マーガレットは歌うような声で僕の言葉を真似た。「あなたの言葉、もうSissyに聞こえるわよ。」
 それから彼女は指さした。
「みんな、彼のウエストを見て!はっきり細くなっているわ!」
 
 みんなが指さし、笑った時、グラッドストーンさんが声を上げた。
「もう少し待ってね。きっとダイエットと、コルセットを使い続けることで、彼のウエストは間もなく永久的な女性らしい形になるはずよ。」
 
 苦痛は耐え難いものだった。 邪悪なコルセットのせいで、呼吸がほとんどできなかった。またガードルのせいで男性自身は文字通りつぶれてしまいそうだった。
 恐ろしいことに、Sissy地獄の買い物ツアーはその後数時間も続いた。
 母や少女達が何か一段落するたびに、新たな屈辱と恥辱がリストに加えられていった。 とうとう母は、グラッドストーンさんと最終的な商談をするので、店員さんに服を着せてもらいながら待っていなさいと告げた。僕は悪夢のようなコルセットをすぐにも脱ぎ捨てたかった!

「ねえ! 僕のジーンズはどこ?それからスニーカーや他のものも? ここに置いておいたのに!」

「バカなこと言わないの。あんな男の子の服が、あなたみたいな女の子に相応しいと思っているの?」

「お願いだよ!」僕は嘆願した。

「でもね、このピンクのタフタ地のドレスを着たら、とっても可愛いくなると思うわ。それにペチコートが膝丈のスカートの裾を可愛らしく広げてくれるのよ。それからつま先のとがったハイヒールパンプスを履けば、もっとシックになるわ。」
 
 僕はコルセットをしたまま、崩れ落ちた。不機嫌な顔で姿見の方を向いた。僕の姿は完璧な(*15)pansyに見えた。究極のSissyドレスアップゲームを楽しんでいる少年のようだった。
 僕の姿は紛れもなく、凝った女らしいドレスを身に纏った少年のそれだった。  
 しかし店員はそれだけだは終わらせてくれなかった。
 彼女は近づくと、いくつかの屈辱的なアクセサリーを加えた。

「あなたみたいな正式なレディは、非公式の場でも手袋なしではいけないわ。」
 彼女は笑って、僕の両手に手首までの白い手袋をはめた。
「今度は、可愛いハンドバックよ。」
 彼女は僕に、靴に合わせた大きなピンクのハンドバックを渡した。
「もちろん、素敵なアンゴラセーターがそのか弱い肩を暖かく守ってくれるわ。」
 彼女は優美な白いセーターを羽織らせ、袖は通さないまま、一番上のボタンを閉めた。
「最後は、仕上げの真珠ね。 あら! 完璧な社交界のSissyお嬢様がママと妹とお買い物の楽しんでいるみたいね。」
 
 鏡で自分の姿を見たとき、僕の顔は恥辱で紅潮していた。
 僕はベッドに座った。部屋は文字通り、大きなショッピングバック、箱、包みで溢れかえっていた。そのすべてにThe Sissy Mister:という軽蔑すべきロゴマーク、つまり洗練されたドレスを身に着けた少年が嬉しそうに回っているシルエットが付いていた。
 僕は人生でこんなにたくさんの物を見たことがなかった。
 母は実質的に店全体を買い占めたようなものだった。
 
 夕食時には、母とマーガレットがその日の冒険を喜んで話すのを聞いていなければならなかった。
「ねえ、おかあさん。私、今までにこんな楽しかったことなかったわ!女の子たちも笑いすぎて、中には実際にチビッちゃった子もいたのよ。本当に面白かったわ。プリッシーも夢見心地なんじゃない?」
 
 悔しいことに、母まで冷たく言った。
「ええ、そうに違いないわ。あなたのお兄さんのドレス姿があんなにも美しいなんて誰が想像できたかしら? 彼って本当に可愛いわ! これからは少なくとも私たちの物をこっそり身に着ける必要はないわね。今朝、自分のパンティとブラを付けようとした時、思わずプリシラがもうすでに着たんじゃないかって思ったもの。」彼女は震えた。

「授業の予約もしたの?」

 僕はハッとした。授業のことなんて全く聞いていなかった。
 
 母は目に邪悪な光りを輝かせながら、僕を見た。
「ええ、全部予約済みよ! 彼はForever Femme教室の全部に登録されているわ。午前中はSissy Deportment and Grooming.(Sissyの振る舞いと身だしなみ教室)から始まるの。続いて、Girl's Ballet for Boys(少年のための女の子のバレエ教室)よ。もう私待ちきれないわ。プリシラはチュチュやタイツやその他全部を身に着けることになるのよ。きっと可愛い少年バレリーナになるわ。」
 彼女は笑いながら、僕の頬を抓った。
「その上、仕上げとしてSissy Missy Homemaker(Sissyお嬢様の主婦教室)を受けさせるの。そこでプリシラは、お上品な主婦になる際に知っておかなくてはいけないことを全部身に着けるの。おそらくプリッシーがいれば、私たちは二度と料理も掃除もしなくて済むわ。結局、pansyの息子を持つことはそんなに悪いことではないってことよ!」
母は呟いた。
 
〔注〕 
(*9)ガーリーガール girly-girl つまり女の子らしい女の子、典型的な女の子です。いわゆるフリフリのドレスが好きで、ボーイッシュな要素がまったくない女の子のこと。(*10)クローゼットのSissy つまり、closet (衣装室)の中のsissy ということで、まだ外に出たことのない、カミングアウト前のsissyということ。
(*11)Fem Fairy 作者オリジナルのブランド名ですが、Femは「feminine(女らしい)」の略ででしょう。 Fairyはもともとは「妖精」の意味ですが、sissy , fag(got),などと並んで、その手の男の子の呼び名でもあります。
(*12) Sissy Teen magazine  これも作者オリジナルの雑誌名です。本当にあったらぜひ読んでみたい(笑)
(*13)pout もともとは「ふくれ面」を意味しますが、女性の唇に形容するときはすこし下唇が出たセクシーでふっくらとした唇を言います。いわゆるkissable(キスしたくなるような)な唇で、さらに進めばDSL(dick sucking lips フェラを連想させるような唇)までいくのでしょう。
(*14)cupid's bow 女性の美しい眉を現す言葉です。キューピッドの持つ弓のような柔らかい曲線です。ただ、今となっては少し古い印象かも知れません。
(*15)pansy これもsissy,faggot,fairyなどと並んで、その手の男の子を称する呼び名です。


   〔続く〕

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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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