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N/Nプロジェクト 第6章

〔第6章〕

 慶太の心は動揺していた。
 昨日突然、瑞穂から特別にカウンセリングをしたい言ってきた。
 しかも今回はカウンセリングルームではなく、慶太の今いる、この部屋で行いたいと言うのだ。
 もしかしたら、瑞穂に隠している重大な事、つまり『慶花』として実験的に過ごした最終日の夜に、『慶花』として大男に犯される夢を見て夢精をしてしまったという事実、そのことが何らかの理由で発覚したのではないか、そんな不安な思いが慶太の心を占めていた。
 だからと言って、正直に包み隠さず事実を伝えることはできない。なぜなら、それは自分の真の人格が『慶花』という女の子であることを認めることになるからだ。そしてそれは結果的に、『慶花』としての人生を歩むことを認めることにも繋がってしまうのだ。
 慶太は心の中のどこかで、通常の男性として社会復帰できる可能性を捨て切れていなかった。
 もしそういう状況になった時に、『慶花』としての人生を歩んでしまっていたら、もう男の『慶太』に戻ることはできないではないか。そんな思いが慶太にはあった。
 あの日以降、慶太は、今日までの2週間ユニセックスの服装で過ごしている。もちろん化粧もしていない。カウンセリングもそういう姿で受けているが、瑞穂の目を見ることができない。彼女の話しぶりには変化はないようだが、奥に何かを秘めているような気もしてくる。


「は、はい・・・どうぞ。」
 ドアをノックする音に、慶太は消え入るような小さな声で応答した。
 一瞬の後にドアが開き、瑞穂が資料らしいファイルを片手に入室してきた。
 黒地にピンストライプの入ったパンツスーツが細身の身体によく似合っている。
「こんにちは、慶太くん」
 瑞穂がにこやかな笑みを湛えながら、慶太のいる窓際に近づいてくる。
 カウンセリングルームでの瑞穂とは少し雰囲気が違う。なぜかいつもにも増して威圧感を感じる。
 慶太は瑞穂の足元に視線を落としてみた。
 10数センチほどのピンヒールが、ただでさえ長身の瑞穂に一層の存在感を持たせていたのである。
 慶太は思わず目を伏せた。
 それはまるで年長者から叱責を待つ子供のような姿だった。

 もちろん、これは瑞穂の狙いの一つだった。
 ヒールによる20センチもの身長差が、ただでさえ負い目を感じている慶太に言いようのない威圧感を与え、ひいては瑞穂の圧倒的な優位性を認識させることに繋がると考えたのである。

「それじゃ、始めましょうね。」
 瑞穂は小ぶりの円テーブルにドレッサーの椅子を引き寄せると、ゆっくりと腰を下ろした。
 慶太は瑞穂と正対する形でベッドに腰を下ろした。
 この位置関係も瑞穂の狙いだった。
 いつものカウンセリングにおける隣の位置ではなく、正対することで相手に心理的圧迫を与えようという考えだった。

「どう、気分は?」
 瑞穂は俯く慶太を、微笑みながら見つめた。
「は、はい・・・ふつう・・・です。」
 慶太はちらっと一瞬だけ顔を上げたが、またすぐに俯いた。
「今日は、慶太くんに少し聞きたいことがあって来たの。」
 慶太はゴクリと生唾を飲んだ。
「嘘はつかないって約束できる?」
 慶太は黙って小さく頷いた。
「慶太くんが『慶花』になって過ごした最後の日の事なんだけど・・・・」
 慶太は一瞬ドキッとした表情を見せた。
「何か、私に話さなければならないこと、ない?」
「い、いえ・・・別に・・・」
「本当に?」
「は、はい・・・何も・・なかったです。」
 声が微かに震えている。
「そう? それならいいんだけど・・・」

 十数秒の沈黙の後、瑞穂が静かに口を開く。顔から笑みが消えている。
「ねえ、慶太くん、これなんだかわかる?」
 瑞穂は資料ファイルから1枚のDVDを取り出す。
「い、いえ・・・わかりません。」
「これは慶太くんの、この部屋での生活ぶりが収められたDVDなんだけど。」
「えっ? な、何て・・言ったんですか?」
 慶太は自分の聞き間違いだと思った。
「ねえ、あれ見えるかしら?」
 瑞穂は天井の一角を指さした。
 慶太はその指先の方向を追った。
 だが、そこには小さな窪みが認めらるだけだ。
「あそこにはね、とても小さいカメラが設置されているの。慶太くんの生活ぶりを確認するためにね。」
「そ、そんな・・・なんで黙ってたんですかっ?」
 慶太が怒りの声を上げた。
「フフフ・・そんなこと当たり前でしょ? しゃべってしまったら本当の慶太くんの生活ぶりを確認できないじゃない? バカね。」
 慶太の背中に冷たい汗がつたった。

「ど、どこまで・・・わかってるんですか?」
 慶太が思い沈黙に耐えきれずに口を開いた。
「うん? どこまでって、何が?」
「あの日の・・・僕が『慶花』になった最後の日の・・・ことが?」
「フフフ・・・心配? うーん、カメラは24時間休みなく作動してる・・・とだけ言っておこうかしら。」
 慶太は瑞穂の言葉に力無くうなだれた。

「ご、ごめんなさい・・・先生、僕・・黙ってました。」
 慶太が重い口を開いた。これ以上、隠しておくことができないと思ったのだ。
「やっと本当のことを話す気になったのね? 先生は正直な慶太くんが好きよ フフフ」
「僕、あの日・・・また夢の中で・・む・・夢精をしました・・・」
「ええ、わかってるわ、ちゃんと記録にも残ってるし。で、今度はどんな夢だったの?」
 その瞬間、慶太の心に閃くものがあった。
(もしかしたら、言い逃れできるかもしれない。夢の中まで記録されているわけはない。だったら、本当のことを言わなくても・・・・)
 
「あ、あの・・・男の『慶太』が・・・夢の中で・・・女の子を・・・あの・・・襲って・・・それで・・・」
 慶太は口ごもりながら言った。
 瑞穂の顔に落胆の色が浮かんだ。
 だが、彼女はあえて慶太の嘘を強く指摘するようなことはしなかった。
「そう・・・『慶太』が女の子を犯しちゃう夢だったのね?」
「は、はい。」
「で?相手の女の子は誰だった?」
「は、そ、それは・・け、『慶花』・・でした。」
「うん?それはおかしいわね。だって『慶太』も『慶花』も二人ともあなたの中の人格でしょ?」
「あ、ま、間違い・・・でした。 あの・・・見たことのない・・・女の子でした。」
「ふーん、そう。 じゃあ、彼女どういう服装だった? 髪型は? どういう顔してた?スタイルはどういう感じ?」
 慶太は瑞穂の矢継ぎ早の質問に面食らった。
 とっさにイメージできる女の子はいなかった。それに何か出任せで言うと、見透かされそうな気もした。
「えっと・・・あの、そういう外見は、みんなボーっとしていて、はっきり見えませんでした。」  
 瑞穂は、この慶太の言葉を聞いて一瞬目が輝いた。
「そう? じゃあ、どういう外見の女の子かわからないけど、襲ってセックスした行為自体は夢で見ているのね? そして、その夢に興奮して、夢精したってことね?」
「は、はい・・」
「ふーん、そう・・・」

 しばらくの沈黙の後、瑞穂は慶太に厳しい視線を送ると、きっぱりとした口調で言った。
「慶太くん、あなたは嘘を言ってるわ。」
「え?う、嘘?」
「ええ。いい? 一般的に男性は性的興奮をその対象に求めるの。つまり相手が誰であるかが重要だということ。まして襲って犯すなんていう男性性そのものの行為に相手がわからないなんてことは考えられないわ。」
 慶太は瑞穂の断定的な物言いに圧倒され言葉を失った。
「あなたが見たと言っている夢は女性のものよ。一般的に女性は男性と違って、性的興奮を行為そのものに求めるの。極端に言えば、相手は誰であっても関係ないってこと。」
 瑞穂は自分の話している内容が極論であることは十分承知していたが、これにより慶太に嘘をついているという負い目を感じさせることができるならやむをえないと思ったのだ。

「それに・・・記録にはこういう場面も残ってるわ。」
 瑞穂は黙ってうなだれている慶太を横目に、DVDを手に取ると、近くに置かれたプレーヤーに差し込んだ。

 映像はあの夜の記録だった。

「い、いや・・・やめてぇ・・・」
「お、お願いやめて・・・だ、だめぇ・・・」
 映像と共に、慶太の叫び声がはっきりと記録されていた。
 それが「慶花」の口から発せられた悲鳴であることは明らかだった。

「慶太くんっ!」
 言い逃れのできない証拠を突きつけられて、微かに震えながら俯いている慶太に、瑞穂は強い口調で呼びかけた。
 ハッとした慶太が思わず顔を見上げる。
「あなたは私に嘘をついたのよっ あなたが見た夢は『慶花』の夢。女の子の『慶花』になって男に犯される夢を見たの。そして、その『行為』に興奮して射精したのっ そうでしょ?」
 慶太の目が涙で潤んでいる。いつにない瑞穂の強い口調と、自らが嘘をついていたことの負い目が慶太を追い込んでいた。
「ご・・ごめんなさい・・・僕・・・」
 慶太はそこまで言うと、頭を抱え込んで泣き崩れてしまった。

 瑞穂は再び顔に笑みを作ると、ベッドに座る慶太の横につき、震えている肩を抱いた。
 そして、静かに優しく声をかけた。
「もう、いいわ、慶太くん。嘘をついたことを謝ったんだから、ね? じゃ、先生に本当のことを話してごらんなさい。」
 慶太は瑞穂に顔を向けると、涙声でゆっくりと語り始めた。
「せ、先生の言うとおり・・僕、夢の中で『慶花』になってました。それで、あの大きな黒人に・・襲われて・・・、抵抗したんですけど、無理矢理犯されて・・・それで・・・」
「気づいてみたら射精してたってことね?」
「は・・はいっ・・ううっ・・・」
 慶太はそこまで言うと、崩れ落ちるように首をうなだれた。

「でも、どうしてそのことを隠そうとしたの?」
 瑞穂は慶太の頭を撫でながらゆっくりと言葉をかけた。
「そ、それは・・・もし、夢の話をしたら・・あの・・・先生との約束で・・あの、本当に『慶花』として生きることになるから・・・・」
「ええ、そういう約束だったわね。 人格の統一が認識できたら、その人格で生きること。その約束は当然守ってもらうわ。」
「でも、やっぱり、怖いんだ・・・だって・・・『慶花』になったら、もう二度と男に戻ることができないんでしょう? 男の『慶太』として生きることができないんでしょう?」
「あなたはまだわかってないの? たとえ、ここで『慶花』になることを否定しても、男の『慶太』に戻ることはできないの。なぜなら男の『慶太』なんて人間は存在していないからよ。『慶太』は男ではないの。だから、あなたが『慶太』を選択しても『男』に戻ることは絶対にないのよっ」

「で、でももう少し時間をかけて、努力をすれば、男として生きることもできそうな気がするんです。」
「努力? 一体どういう努力をしようって言うの?」
「だ、だから また男として生活して・・それで、男らしい行動をしたり、男らしい考え方が持てるように・・・それから・・・男らしい性格になれるように・・・あと身体も鍛えて・・・」 
「だから、それは無駄な努力だと言っているの。いくら努力しても、あなたの中の本質は変わらないの。それは今までの結果でわかるはずよ。」
 慶太の目に消えかけていた涙がまた溢れてきた。

「ほら、今も・・・、慶太くん、気づいているかどうかわからないけど、以前に比べて、とても泣き虫になってるわ。感情が高ぶるとすぐに涙をためて・・それはもう女性の心理と同じだわ。性的傾向も、心理状態も、あなたはもう『女』なのよ。」
「そ、それでも・・・僕は、やっぱり・・・男なんだ。」
「男が自分より強い男に屈服して犯される夢を見て興奮なんてする? 男が可愛い女の子の服を着て、お化粧して、綺麗になりたいなんて思う? 」
「で、でも・・・」
「それにあなたの今の姿を鏡に映して見てごらんなさい。あなたは今ユニセックスの服を着ているけど、レディスにしか見えないわ。それはノーメイクでも顔立ちが女性に近づいているからよ。女性ホルモンを投与しているわけでないのに、そういう変化が起きるのはあなたの心理状態がそうさせてるの。」
「だ、だけど・・・」
「もういい加減に目を覚ましなさい。どうして苦しい道を選ぼうとするの?あなたは『女』なの。それを認めれば、自然体で生きることができるのよ。もう人格を合わせるための無駄な努力も必要なくなるの。」
「ぼ・・・ぼくは・・・どうしたら・・・」
 慶太の目から大粒の涙が幾筋も流れ落ちる。

「慶太くん、ちょっと立ってみてっ」
 瑞穂の声の強さに促されて静かに立ち上がった。
「服を脱いで」
「え?・・ど、どうして・・」
「いいから、脱ぎなさい。あなたのためよ!」
 慶太は瑞穂の口調に恐怖感さえ抱き、言われるままに服を脱いだ。

 小柄で華奢な身体は、全裸にするとあまりに脆弱で儚い。
 もはや服を着ているときの少年の面影さえ消え、成長期前の少女の体つきにさえ見えてくる。
 慶太は、ペニスと呼ぶにはあまりに貧弱なその部分を右手で隠しながら、俯いたまま黙っている。頬にははっきりとした紅潮が見られる。
 瑞穂は慶太の後ろに回ると、そのまま背中を押しながら姿見の前まで連れていった。

「顔を上げなさい。」
 瑞穂の声に促され、ゆっくりと視線を上げる。
 小さく細い全裸の自分を、後ろから覆い隠すように抱擁する長身の瑞穂の姿が、圧倒的な存在感を持って、慶太の目に飛び込んでくる。

「ほら、見てごらんなさい。 これが慶太くんの本当の姿よ。小さくて、白くて、細くて、今にも壊れちゃいそうな身体・・・」
「せ、先生・・」
 瑞穂の右手が、慶太の筋肉の片鱗さえ見えない胸を優しく撫でる。
「これが、男の身体? 努力すれば男になれる人の身体なの?」
「あっ・・・先生、やめて・・・くださいっ」
 瑞穂の右手は体毛のない臍の辺りで円を描くようにうごめいている。
「私には女の子の身体、それもまだ成長期に入る前の少女の身体にしか見えないわ。」
 慶太は瑞穂の右手の動きを止めようとして手を伸ばすが、容易に退けられてしまう。

「この身体が成長したとき・・・ここには・・・・」
 右手がもう一度、胸の周りをさするようにはい回る。
「綺麗で形のいいオッパイが・・・」

「ここには・・・」
 両手が、慶太の脇の下からゆっくりとウエスト周りに滑り落ちる。
「 キュッとしまったウエストが・・・」

「ここには・・・・」
 左手が肉のほとんどついていない慶太の臀部をなでさする。
「プリッと上を向いた可愛いお尻が・・・・」

「そして、ここには・・・」
 ペニスを隠している慶太の右手を、瑞穂は半ば強引に引き離す。
「可愛いピンクのヴァギナができるのよ。」
「ん、んぅ・・・・」
 瑞穂のデリケートな手の動きに身体が反応しそうになるのを必死にこらえながら、慶太は唇とキュッと噛みしめた。

「フフフ・・・それに、もうここには・・・」
 瑞穂は慶太のペニスの先端を指先で弄ぶ。
「クリトリスがあるわ。フフフ・・・」
「そ、それは・・・僕の・・・オチン・・・・」
「ううん、そんなはずないわ。オチンチンは女を犯すための物。男に犯されること想像しながら硬くなるのはクリトリスなのよ。」
 慶太は激しく首を横に振る。
「フフフ・・認めなさい、クリトリスだって。 だってこんな小さなペニスでは女を犯すことなんてできないんだから。」
「ウウン、ンン・・」
 慶太は、瑞穂のペニスを弄ぶ巧みな指の動きに耐えながら、首を激しく横に振り続けた。


 その後も慶太の身体を弄ぶ瑞穂の手の動きは止まることがなかった。
 そして慶太の息づかいが荒くなってきたのに気づいた瑞穂は少しハスキーな声で言った。
「夢のこと思い出してごらんなさい。男は『慶花』のこのオッパイをどうしたの?」
 慶太は瑞穂の言葉に一瞬目を開けて反応したが、すぐに目を閉じて躊躇いがちに答えた。
「は、激しく、ら、乱暴に・・・」
 瑞穂の右手が慶太の薄い胸の肉を激しくこすり上げる。
「ア、アア・・・」

「それから?」
「そ、それから・・太い腕で、強引に・・・抱きよせて・・」
 瑞穂の両手が慶太のか細い身体を締め付ける。
「ウ、ウッッ・・・」

「それから?」
「手で・・手で、『あそこ』を・・・さわってきて・・・」
 瑞穂の右手が慶太のかすかに硬度を増してきたペニスを弄ぶ。
「ア、アアン・・・・」
 
「それから? それからどうしたのっ?」
「そ、それから・・・アン、アア・・・大きな『あれ』を思い切り、慶花の『あそこ』に・・・アンっ・・入れてきたの。」
 瑞穂には、慶太の心に『慶花』の姿が戻ってきているのがわかった。
 慶太の言葉つきと、ピクピクと反応し始めたペニスが、それを証明していた。

「そうよ、あなたは男の太くて逞しいペニスに犯されてるの。どうして? どうしてそういう目にあうの?」
「アアン・・・ア わ、わかり・・・ません・・アア」
 ペニスをまさぐる指の動きが大胆になっていく。それにつれて硬度も最高潮を迎える。
「それは・・あなたが女の子だからよ。男が乱暴してでも奪いたくなるような可愛い女の子だからよ。」
「ぼ・・僕が・・アアン、お、女の子・・・?アア・・・」
「そう。それも男に無理矢理レイプされてるのに、感じちゃってるいけない女の子。ほら、こんなにクリトリスも硬くなってるわ。」
「アアっ・・く、クリトリス・・・」
「そうよ、クリトリス・・・『慶花』の可愛いくて敏感なクリトリス・・・」
「アアン・・・け、『慶花』の・・アン・・・・ク、クリトリス・・・」
「ほら、もうこんなに、『慶花』のクリトリスの先が濡れてきてるわ。ほら・・・」
「アアア・・・ だ、だめ・・・」
 瑞穂はペニスを二本の指先で激しくさすり上げる。
「アアアア・・・せ、先生・・・ぼ、僕、もう・・・」
「フフフ・・・もう? もう、何?」
「アア、ア・・ も、もう・・・僕、イっちゃいそう・・・」
「『僕』じゃないでしょ? 『慶花』でしょ。あなたはもう『慶花』なのよっ」
 瑞穂は強い口調で言うと、一気に頂点へ導こうと指の動きを加速した。
「アアンンン・・・、け、慶・・慶花・・イっちゃいそう・・・アアン」
「いいわよ、イきなさい・・男に犯されるのを想像しながら、イっちゃいなさいっ!」
 慶太は激しく首を振り最後の抵抗を試みるが、それもあっさり崩壊した。

「アアン・・・い、イくっ・・イクゥゥー・・・・」
慶太の身体がビクッと痙攣したかと思うと、ペニスから白い迸りが一気に噴出した。
 そしてその一部が瑞穂の右手の指を濡らした。
「フフフ・・イったわね。慶花・・・」
 瑞穂はそう言うと、テラテラと光に反射する指を慶太の顔に近づける。
「ほら、慶花をイかしてくれたペニスよ。ちゃんとお礼しなくちゃね? フフフ・・」
 瑞穂は微かに震えている慶太の唇に、ザーメンで濡れた指先を押しつけると、そのまま口中深く差し入れた。
「フフフ・・上手よ。 慶花は『おそうじフェラ』までできる従順な女の子なのね。」
 慶太は目を瞑ると、瑞穂に導かれるまま、その倒錯の世界へと落ちていった。
 

 2時間後、慶太は姿見の前に立っていた。
 だが、鏡に映っているのは、慶太ではない。
 ハイスクールの制服に身を包み、フルメイクをした『慶花』だった。
 ロングのツインテールの毛先がフルフルと揺れている。
 
「わ、わたしは・・・慶花・・・女の子の慶花・・・」
 慶太が鏡に向かって静かに呟く。
 後ろから長身の瑞穂が慶太の身体を抱きしめる。
「そう、あなたは慶花・・・生まれた時から女の子だったの。それがやっとわかったのよ。」
瑞穂のワインレッドの唇が慶太の、いや『慶花』の細くしなやかな首筋に触れる。

「わたしは慶花・・生まれたときから女の子・・・わたしは慶花・・・」
 慶太は何度も同じ言葉を繰り返した。
 それは一見すると、瑞穂の言葉をただオウム返ししているようにも思えるが、そこには慶太自身の意志が確実に存在していることがわかる。
 なぜなら、繰り返される言葉が徐々に高いトーンへと変わっていったからである。

「わたしは慶花・・生まれたときから女の子・・・これからもずっとずっと女の子・・・わたしは慶花・・・・」



****************************************

「いやぁ、それにしても、見事なものですねぇ・・・」
 カウンセリングルームで、モニター越しに瑞穂と慶太のやり取りを見ていた常田は、瑞穂が戻って来るなり、笑顔で声をかけた。
「まさか、ああいうことをして『誘導』するとは思いませんでしたよ。ハハハ」

「ですから、多少強引にでも・・・・と言ったんです。」
 瑞穂は疲れ切った身体をソファに沈めながら言った。
「いやいや、強引でも何でも、最後は慶太が自分の口で言ったんですから。『女の子として、慶花として生きていきたい』って。それはもう文句のつけようもありません。」
 常田はプロジェクトの失敗が避けられたことに喜びが隠せないようだった。
 瑞穂は常田の言葉を無視して、インターフォンを押すと、ヘルパーの後藤良介を呼んだ。

「それに、自分から『もう一度お化粧がしたい、慶花の服が着たい』と言い出したんですから、何の強制性もありませんからね。」
 常田は、瑞穂が多少うるさそうにしているのが目に入らないらしい。饒舌ぶりが止まらない。
「それにしても、最後のあの姿、可愛い少女そのものでしたねぇ。なんか、私、あの姿見てて実は・・恥ずかしながら、ここが反応してしまって・・・ハハハ」
 常田は自らのズボンの前を指さして照れ笑いを浮かべた。

 インターフォン越しに後藤良介の声が返ってきた。
 瑞穂は常田の話を制するようなジェスチャーをしてから、インターフォンに向かって返答した。
「明日から慶太をブロック3に移動させますから、すぐ準備に取りかかってください。部屋のネームプレートは『慶花』としておいてください。あと、センターに『N1新薬』の発注もお願いします。」
 瑞穂の公的な口調が、いつもとは違う緊張感を漂わせている。
 常田の顔からも笑顔が消えていた。

「『N1新薬』・・・とは何ですか?」
 常田は瑞穂がソファに腰を下ろすのをを待って質問した。
 「N/Nプロジェクトマニュアル」には、プロジェクトの過程において、必要に応じて薬物が使用される旨の言及があったことは、常田も覚えている。だが、専門外である彼にはその詳細についての情報は入っていない。
  
 瑞穂はゆっくりと説明を始めた。
「『N1新薬』とは、このプロジェクトのためだけに開発された新薬で、現時点では『N1新薬』という名称になっていますが、今後開発が進めば、順次『N2』『N3』・・・と、より進歩した新薬を使用することになるはずです。主にエストロゲンを成分としていますが、一般的に医療用に使用されるエストロゲン製剤とは異なり・・・」

「ちょっ・・ちょっと待ってください。」
「はい?どうかしました?」
「エスト・・・エストロゲン?」
「はい、エストロゲン・・・一般的には女性ホルモンと呼ばれるものです。」
「ああ、あのニューハーフの人とかが使うやつですね?」

「ええ。ただ先ほども言いかけましたが、『N1新薬』は通常のエストロゲン製剤とは異なり、このプロジェクトのためだけに使用が許可されているものです。つまりプロジェクト成功のためなら、ある程度のリスクには目を瞑る、そういう性質のものだということです。具体的に言えば、エストロゲン濃度が極めて高いことはもちろんですが、最大のリスクは麻薬などと同じように『薬物依存症』を引き起こす可能性があるという点です。もしかしたらもっと大きな副作用もあるかもしれません。何しろ動物実験しかされていないので、データがないのです。」
「そ、それを・・・慶太、いや『慶花』に使用するということですか?」
「ええ、その通りです。」
 常田は瑞穂の顔にずっと笑顔がなかった理由がわかった。
 彼女は、危険な薬物を使用しなければならないことに大きな重圧を感じていたのだ。
  
「す、すぐに使い出さなければならないのですか?」
 常田は薬物の「リスク」という言葉を受けて、多少の罪悪感も感じていたのだった。
「ええ、すぐに使用を始めるつもりです。 常田さんも今までごらんになってお分かりのように、慶太・・・いえ、『慶花』には二つの大きな特色がありました。 一つは『美』に対する好奇心と執着心、もっと言えば強迫観念とさえ言えるものです。もちろん、サブリミナル映像を利用した結果ですが、他の「Nランク」者よりもその点が顕著に出ています。そしてもう一つは、揺れやすい心です。この点も他の者たちに比べて特徴的です。これはたぶん、男性として社会的地位の高い職業に就いていたことが理由でしょう。つまり、後天的に作られた、いえ、『作らされた』表向きの男らしさが動揺を引き起こしているのです。」

「でも、その動揺は今日でなくなったのではないのですか? だから、『慶花』も自らそう選択したのでは?」
「ええ、その通りです。ただ、このままでは恐らくブロック3においても頻繁に動揺を繰り返す可能性があります。ですから、なるべく早い段階で女性化が不可逆性、つまり後戻りできないものであることを認識させる必要があります。」
「しかし、現段階では『慶花』は身体の女性化までは望んでいませんよね? ということは、それは強制性を伴う行為になりませんか?つまり本人に意思がないのに投与するということは?」

 瑞穂はこの時初めて、微かな笑みを浮かべた。その笑みはまさしく瑞穂の中の「S性」から発したものだった。
「もちろん、本人に服用の意志がなければ強制です。しかし、自ら服用を望めば自由意志です。」
「本人がそれを望むと?」
「ええ。『慶花』の『美』に対する強迫観念を利用すれば簡単に誘導できるはずです。フフフ」
 瑞穂の抑えた笑い声が、無音のカウンセリングルームを満たした。


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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
=============================================
女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
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