FC2ブログ

ある性転者の告白 第14章-1

 三日後、第二のテストの実施を告げられました。
 それは、女性としてセックスアピールを確かめるという名目で、見ず知らずの男たちが私にどのくらいの関心を示すかを調べるということでしたが、具体的な中身は全く知らされません。
 そもそも、再手術のためという、このテスト自体が全く意味を持たないものであったことは、数日後の衝撃的な出来事によって明らかになるのですが、その時の私は、本能と理性の狭間で激しい葛藤を繰り返し、彼らの真の目的に気づく心のゆとりは全く残っていませんでした。その「本能」とは、全身に間断なく流れる女性ホルモンとエンドレスに聞かされるCDとの相乗効果によって、肉体的にも、精神的にも女性化が急速に進行し、自分が男であったことすら忘れてしまいそうになっていることです。そして「理性」とは、早く再手術を受け、結花との生活を始めなければという、一種の使命感に基づくものでした。

 その日、私が指示された服装は、固めの素材でできたバイオレットのパステルカラーのツーピーススーツでした。その日のテストが戸外で行われることを伝えられていたので、久しぶりにおとなしめの服だったことにホッとしました。
(よかった・・・。これなら、あの時のように恥ずかしい思いをしなくても済む。)
 私は姿見に映る自分の姿を見つめ、仕上げのチェックをしながらも、あの忌まわしい新宿での体験が脳裏に浮かんでいました。
 それは、身体にフィット感のあるボディコンスーツではあったものの、スカート丈も、膝上15センチほどで、全体的に上品なデザインでした。私は、メイクの仕上げとして、ワインレッドのルージュを引き、ロングのウィッグを被り、最後に黒のパンプスを履くと、ゆっくりと部屋を出ました。
 長い廊下を歩く時、表情に笑顔が加わっていくのがわかりました。あの満足のいく準備ができた時に、心からわき上がってくる女性特有のナルシストな気分を、その日も味わうことができたのです。
 鼻歌交じりにリビングのドアを開けると、村井と涼子、さらに本城と田中も話を止め、私の方に視線を送ります。いつもなら、ここで、下をうつむいてしまったのでしょうが、どういうわけか、その日はもっと視線を浴びたいという欲求の方が強くなり、堂々と彼らの顔を直視しました。恐らく上品な服をきれいに着こなすことのできている自分に注目を集めたいという、女性特有の気持ちだったのだと思います。もちろん、それは、心の女性化が一段高いステップにあがっていることを意味するものだったのでしょうが。
「あら、きれいじゃない。でも、何となく、おとなし過ぎる感じねぇ。どう?村井ちゃん。」 
「ああ、最後のテストの割には地味だなぁ、これは・・・。」
 村井が涼子の言葉を受けて同意を示しました。
「で、でも・・・これ、言われた通りの服ですけど・・・」
 私は少し不安げな表情で言いました。
「うん、そうなんだけど、今日は何しろ最終テスト、セックスアピールテストだから、それなりの服にしないと・・・ね? その方が、合格しやすいからいいじゃない、奈緒美ちゃんも。フフフ・・・。」
「さ、最終・・・? じゃ・・・これが最後ってこと・・・ですか?」
 私は、村井と涼子の言った『最終テスト』という言葉に、我を忘れて喜びの声を上げました。
「そう、最終テスト。だから、合格すれば、晴れて解放ってわけよ。どう?うれしい?それとも、もう男に戻る気がなくなっちゃったかしら? フフフ・・・」
 私は涼子の言葉に、ドキっとしました。もちろん監禁生活から解放されるのですからうれしくないはずはありません。
 でも不思議なことに、心のどこかで、
(本当に男に戻っていいの?このまま、女の子として生きていた方が幸せなんじゃないの?)
 という問いかけがわき上がってくるのです。私はそんな問いかけを理性で打ち消そうと、首を左右に振り、あえて、男の意識を強く持とうとしました。
(何、考えてるんだ? 男に戻って結花と暮らせるんじゃないか。 うれしいにきまってるだろう。)
 けれども、実際に私の口から出た言葉は、
「ホ・・・ホントなんですね? うれしいです。奈緒美、とってもうれしいです・・・。涙が出てるほど・・・うれしいです・・・。」
というものでした。
 もちろん、それは村井たちの機嫌を損ね、解放の約束が反故になることを避けなければという防衛本能によるものでしたが、同時に心の片隅に、男たちから可愛く見られたいという女性化した心理があったからかもしれません。
 私の、自分でも驚くほど自然な女の子としての仕草に、村井も涼子も心から満足げな表情を浮かべて頷きました。
「でも、セックスアピールテストって・・・・何ですか?」
 私は、これが最終テストであると告げられたことの喜びに、肝心な部分を確かめるのを忘れていたのです。
「うん、それはね、ここにいる人たちは、みんな奈緒美ちゃんのこと、可愛い女の子になったって思っているけど、外の知らない男の人たちにはどれだけ魅力的に写るかわからないじゃない? だから、それを試してみるの。ね、だから、そんな地味なのじゃなくて、色っぽい服にしないと・・・あ、そうだ、ちょっと、待ってて・・・」
 涼子はそう言うと、リビングの片隅に予め畳んであった服を抱えて、近寄ってきました。私の心からは快活さが消え、不安な思いが大きくなっていきました。
「さあ、これに着替えて。この方が奈緒美ちゃんらしくて似合うんだから。フフフ・・・。」
 私は涼子の差し出す衣類を手に取り、広げてみました。
 それは、タオルのようなソフトな素材でできた純白のツーピーススーツのようなものでした。ただ上下に分かれたそれぞれが見るからに小さな布きれにしか見えないのです。
 私は自分の甘さに情けなくなりました。
 このテストの一番の目的は、私に辱めを与え、それによって涼子の溜飲を下げることにあったのを忘れていたのです。ですから上品なスーツなどで外出させる意図は最初からなかったのです。恐らく私が上品なスーツに身を包むことで明るい気分になることを涼子は予期していたのでしょう。そして、その上で羞恥心をあおれば、一層の効果があることもわかっていたに違いないのです。
 私の口からは無意識の内に大きなため息がこぼれましたが、これが最終テストだからと心に言い聞かせ、着ていたスーツを脱ぐと、ピンクのブラジャーと、スキャンティだけを残して、手渡された服に袖を通そうとしました。
「ちょっと、待ってよ。ブラしてちゃ、だめでしょ。そういう服を着るときはノーブラにしなさいって、教えてあげたじゃない。忘れちゃったの?」
 私はためらいながらも、背中に手を回し、ブラジャーのホックを外しました。抑圧から解放された豊満な双乳がブルンッと露わになり、そばで見ていた彼らの視線がそこに一斉に集まりました。私は思わず、両手を胸の前で交差させ、彼らの視線をそらそうと身を屈めたのです。
「ホントに何度見ても、惚れ惚れするくらい、良いスタイルしてるわねぇ。恥ずかしそうにしている仕草も、女の子そのものじゃない。とても、男だなんて信じられないわ。ねえ、いっそのこと、ホントの女の子になっちゃった方がいいんじゃない? その方があなたも幸せだと思うけどなぁ。 フフフ・・・。」
 私はその言葉に本心を見抜かれているような気がして、思わず、涼子の顔をキッとにらみつけました。
「冗談よ。冗談・・・。今日のテスト終わったら、解放されるんだものね。わかってるわよ。アハハ・・・。でも、合格すればってことよ。だから、せいぜいがんばるのよ。奈緒美ちゃん フフフ・・・」
 ブラジャーを外し、上半身を露わにした私は、彼らの視野から乳房を隠すように背を向けると、もう一度服に袖を通しました。
「な・・・何、これ・・・?」
 私の口から無意識に驚きの声が漏れました。
 袖を通してみると、その服が頼りないほど小さいことに気づいたのです。海辺のリゾートやプールサイドならいざ知らず、町中で普通に着るような服などと呼べるものではありません。まるでセパレーツの水着のトップと言ってもいいような大きさしかありません。これでは、Dカップの豊かな双乳が作る谷間とくびれたウエストをすっかり晒しています。しかも素材は思った以上に薄く、服越しでも、ツンと突出した乳首の色や形がはっきりと見て取れるのです。
 私は鏡に映る自分の姿に呆然とするしかありません。
「なに、ぼーっとしてるの? 自分の姿にホレボレしちゃったわけ? ホント、ナルちゃんなんだから。フフフ・・・。さあ、早く下も着ちゃいなさいよっ。」
 私はその言葉に急かされ、もう一枚の布きれ(そう呼ぶ方がピンとくるようなものでした)を手に取ると両足を通しました。
(ああ、やっぱり・・・)
 恐らくそれが、マイクロミニであることは予想していましたし、広げて見た時に、かなり小さいこともわかっていましたが、身につけた姿を改めて鏡に映し出してみると、その丈の短さは想像を遙かに超えたものでした。
 股下数センチの裾と、ピンクのスキャンティのアンダーラインとの差は、恐らく1,2センチしかありません。いえ、そればかりではありません。スカートのウエスト部分は、腰骨にやっと届くくらいの、いわゆるヒップハンガータイプのデザインで、お臍の周辺を露わにしてしまっているのです。
 それは、あの新宿での悪夢のような体験をした時以上の過激なスタイルでした。
もしも、このまま外出すれば、通りすがる人々の視線や投げかけてくる言葉がどのようなものになるか、考えただけで背筋が凍り付く思いでした。
 けれども、彼らの指示を拒否することなど許されないことは、自分が一番よく知っています。私は結局、そんな信じがたい恥辱的な姿で屋敷を出ることになったのです。


スポンサーサイト
[PR]

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
=============================================
女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR