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ある性転者の告白 第15章-1

「テストは合格よ。よかったわね。これで、解放ってこと。」
 私は涼子の言葉に、何が起こったのか理解できませんでした。しかし、次の瞬間ハッと我に返ったのです。
 そうです。その日の屈辱的な体験は涼子の言う最終テストとして行われたものだったのです。
「あら?うれしくないの? これで終わったのよ。信じられない?。」
 涼子は私が何も言い出さないのが意外だったのか、声のトーンを上げて言い直しました。
「ホ・・・ホントに・・・?こ・・・これで、終わりなんですかっ・・・?」
 私はようやく涼子の言葉の意味が実感できたのです。
 涼子は大きく頷くと、村井に視線を送りました。そして、その視線に応えるかのように村井も頷いて見せました。
(これで解放される。これで、全て終わったんだ。)
 私はこみ上げてくる喜びを押さえることができませんでした。両方の瞳からは大粒の涙があふれ出し、頬を伝っていくのがわかります。そして、その涙を隠そうと村井たちに背を向け、うつむきましたが、肩の小さな揺れは抑えることはできませんでした。
「しかし、よくここまで女になりきれたもんだ。男に戻すのはちょっと惜しい気がするが、まあ、約束だからしかたねぇなぁ。ハハハ・・。」
 村井は私の泣いている仕草に自然な女性らしさを感じたのか、満足そうに大きな声で笑いました。
「でも、すぐに手術ってわけにはいかないわよ。今のままの精神状態じゃ、男の身体なんて受け入れることができないでしょ?だから、まずは、精神的に元の男に戻ってからにしなくちゃね?」
 涼子は真面目な顔つきになり、私の目を見据えて言ったのです。
 私はまた何か裏があるのではと不安になりましたが、確かに涼子の言う通り、今の精神状態のままで、男の身体を受け入れることは難しい気がしました。それほどまでに心の中の女性化が進んでいることは、自分でもわかっていたからです。
 私は不安を打ち消し、涼子の提案に同意しました。
 それは数日間の専門的な精神治療を受けた後に、男性への再手術を行うという提案でした。
「よかったわね、あなた。これまで女扱いして奈緒美ちゃんとか呼んできたこと謝るわ。これだけ、あなたに恥ずかしい思いをさせることができたんだもの。もう私も満足よ。男に戻ったあなたが結花と一緒になるのはムカツクけど、もう、いいわ、許してあげる。お互い新しい人生を始めましょう。ね、あなた。」
 涼子は真面目な顔でそう言うと、なんと握手までを求めてきたのでした。しかも、その瞳にはうっすらと涙まで浮かべていました。私は迷いを吹っ切って、握手に応じました。見つめる手の先が涙でかすんで見えなくなっていくのがわかりました。

 けれども、この時の彼らの言動は全てお芝居だったのです。彼らには私を男の身体に戻し、解放するなどという考えは微塵も持ち合わせていませんでした。全てはもっと邪悪な企みへと私を導いていくための嘘だったのです。
 いいえ、彼らの言葉にもたった一つだけ本当のことがあります。それは、私に男性の意識を回復させるための精神的治療を受けさせると言ったことです。
 翌日入院した私は、その後五日間に渡る催眠療法により、男としての意識を回復し、それに伴って薄れかけていた結花への思いが抑えきれないほど募っていきました。ただ、その男性意識の回復もあくまで一過性のもので、退院時には心は再び女性の意識に占められていたのです。それは、催眠療法が失敗したからではありません。もともと短期間の効果しか現れないような一種の催眠術のようなものだったからです。第一、私の体内には手術前も手術後も、女性ホルモンが間断なく流れ続け、精神的な女性化を止めることなどできなかったのです。もちろん、そのことは、涼子たちもわかっていたことです。 では、なぜそんな治療を私に施したのかと言えば、さらなる大きな屈辱を私に与えるためには、男性意識への回復がどうしても必要だったからに他なりません。
 私はこうして彼らの邪悪な企みへのレールに、またしても乗せられていったのでした。


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サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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