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ある性転者の告白 第15章-3

 私が朦朧とした意識の中で目覚めたのは、白い壁に覆われた病室のベッドの中でした。
 私はまだ焦点が定まらない視力を懸命に駆使して周囲を見回しました。そこには数人の人影がありましたが、すぐには誰だかわかりません。ただ、その中の一人が涼子であることだけはわかりました。私の耳元でささやく声が聞き慣れた涼子のものだったからです。
「よかったわね。手術は大成功よ。でも、まだゆっくり休んでいなさい。無理は禁物だって、お医者様もおっしゃってるからね。」
 私は涼子のその言葉に、大きな安堵感と喜びで胸が熱くなっていきました。
 同時に今までの忌まわしい記憶を打ち消すかのように、再び静かな眠りについたのです。
 後に聞かされたことですが、手術は約7時間にも及ぶものだったのです。
 そして再度眠りに落ちた私が次に目覚めたのは、それからまた半日後のことでした。
 今度は割と意識もしっかりとしていて、周囲のあらゆるものを視界にとらえることもできました。視線の先には村井と涼子のはっきりとした姿がありました。 
「あら、気がついたのね。どう?気分は・・・・?」
 涼子が目覚めた私に気づき声をかけました。
 私は何か答えようと口を開きかけましたができませんでした。と言うのも、私の顔は目の周囲だけを残して、全体が包帯か何かで拘束されていたのです。
 私はドキッとして、とっさに身体を起こそうとしましたが、それも叶いません。身体全体も様々な拘束具により、ベッドに縛りつけられていたからです。
「んー、んーぅ・・・」
 私は声にならない声を上げました。
「あら、だめよ。まだ動いちゃ。大手術だったんだから。ね、じっとしていなさい。フフフ・・・。」
 涼子口調の奥にどことなくサディスティックな冷たさが戻っているような気がして、言いようもない不安が沸いてきました。
(お、お願いだ、何とか・・・何とかしてくれ・・・。)
 私は声を出して叫ぼうとしましたが、口元からこぼれるのはうめき声だけです。
 しかし、そんな私の気持ちを察したのか、涼子が再び口を開いたのです。
「フフフ・・・やっぱり、気になるわよねぇ、手術の結果が・・・フフフ・・・。いいわ、分かったわ、じゃ、見せてあげる。手術の経過を・・・ね。フフフ・・・」
 涼子はそう言うと、袋から一枚のCDを取り出し、病室のプレーヤーにセットしました。
「あなたの手術はね、記録として残しておいたほうがいいと思ったのよ。だから、黙ってそうしちゃった。ごめんなさいね。だけど別に公にする訳じゃないし、いいでしょ?フフフ・・・」
 心の中に抑えようもない不安が溢れてきます。
 涼子の嗜虐的な口調もさることながら、これまで彼らの手によってCDに収められたことで、自分が味わってきた数々の辛い体験の記憶が蘇ってきたからです。

「手術は、7時間もかかったんだけど、これは3時間にまとめてあるの。でも大切な所は全部撮ってあるから、その目でしっかりと見るのよ。自分の身に起こったことをね。フフフ・・・。」
 涼子は意味ありげに言うと、ベッドの脇の椅子に腰掛けました。傍らには、同様の笑みを浮かべながら村井も腰掛けているのが見えました。
 やがてテレビの画面が、白く変わり何やらタイトルらしき文字が浮かび上がってきました。

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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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