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ある性転者の告白 第15章-4

『奈緒美・・・REBORN編』
 画面には、そんなタイトルがピンク色の文字で現れました。
(リ、リボーン? 生まれ変わり? 何だ? これは・・・?)
 私は画面を見つめながら胸騒ぎがし、動悸が激しくなっていきました。
 けれどもすぐに、
(ああ、そうか、男に「生まれ変わる」ってことか・・・、つまり、奈緒美を捨て直樹に戻るってこと・・・そうなんだ。)
 私は襲ってくる不安を取り除こうと、無理矢理自分に言い聞かせ、画面を見つめ続けました。
 しかし、なんということでしょう。次の瞬間、私の目には信じられない場面が飛び込んできました。
 タイトルが消え、画面が映し出したのは見慣れた屋敷の一室です。
 カメラは部屋の中を一回りした後、中央に腰掛けている一人に女性に向けられました。そしてだんだんと、その女性をアップにしていきます。
(ゆ、結花・・・? 結花じゃないか。これは一体・・・・どういうことだ?)
 そうです。そこの映し出されたのは紛れもない最愛の恋人、加藤結花の姿だったのです。私には一体何が起こっているのか分かりません。ただ夢の中を彷徨っているような気分でした。
 「どう?結花ちゃんよ。あなたが愛している結花ちゃん。びっくりしたでしょ? よかったわねぇ、あんなに会いたかった結花ちゃんに会えて・・・フフフ・・・」
 私はその言葉で、画面上の女性が幻などではなく、結花本人であることを思い知らされました。
 けれども私はできるだけ楽観的な考えを抱こうと努めました。そうしなければ不安に押しつぶされそうになっていたからです。
(そうか、涼子たちは、少しでも早く、結花を私に会わせるために呼んでくれたんだ。そうだ。そうに違いない。)
 
 しかし、この後、画面の中の結花が口にした言葉は、私を希望の淵から奈落の底へと突き落としたのでした。   
 画面の中の結花はカメラの方を直視して、ゆっくりと口を開きました。口元にはかすかな笑みが浮かんでいましたが、その目は落胆と怒りと哀れみが混じり合ったような複雑な色をたたえています。
「こんにちは、お久しぶりね。直樹さん。びっくりしたでしょうね。私がここにいるなんて・・・。でも、ホントは私の方がびっくり・・・。だって、直樹さん、アメリカにいるとばかり思っていたんだもの。それが、こんなところにいたなんて・・・。電話で村井さんたちに呼ばれて、ここに来てみてホントに驚いたわ。でも、もうそんなこと、どうでもいいの。私がびっくりしたのは、直樹さん、あなたの秘密を知ってしまったことよ。あなたはとっても優しかったわ。顔立ちも優しかったし、私はそれが大好きでした。でも・・・それが優しさではなく、あなたの秘密の・・・性癖のせいだったことを知ってどんなにショックを受けたか分かる? 直樹さん・・・あなた、私をだましていたのね? 私、私・・・、本当にバカだった。最初、村井さんたちにあなたの写真、そう、女装した写真見せられて、まるで狐につままれたような気分だったわ。きっと、これは騙されてるんだって・・・。それに写真の直樹さんは、眠っているように見えた。だから悪い人にでも拉致されて、無理矢理あんな格好させられているんだって・・・。私、そう、信じ込もうとしてた。わかるでしょ?私の気持ち。でも、その後いろいろなDVDを見せられて、そんな気持ちも消えてしまったわ。直樹さんが小さいときから、ずっと、女の子に・・・・女の子になりたかったなんて・・・・。そして自分から進んで女装をしているんだって。でも・・・でもね、それだけなら直樹さんのこと、許せたかもしれない。 ううん、それも、イヤだけど・・・でも、それだけなら・・・我慢できた。私を愛していてくれるなら・・・。でも、直樹さん、女の子になって男の人に愛されたいって思っていたなんて・・・。それに、他の男の人と・・・あんなことまでするなんて・・・。ね、直樹さん、あなたにとって、私は何だったの?私は、あなたと結婚できることを夢見ていた。でも、もう無理・・・。だって、男の人しか愛せない直樹さんと結婚するなんてできないもの・・・。私、何時間も泣いた、大声を上げて・・・直樹さん、あなたにこの気持ち分かる?」
 結花の瞳に大きな涙の粒が溢れ出し、それが一本の筋となって頬を伝っていきました。
(ち、違うんだ、結花、違うんだぁ・・・。き、君はだまされてるんだ・・・。そいつらにだまされてるんだぁ・・・。)
 私は、何度も叫ぼうとしましたが、その言葉は完全に打ち消され、
「んんん・・・、ううんん・・」
といううめき声にしかなりません。しかも身体を動かして抵抗することも叶わず、私は幾筋もの悔し涙を流すことしかできませんでした。

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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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