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ある性転者の告白 第15章-6

 画面が切り替わり、手術室が映し出されました。
 その中央の手術台には一人の全裸の女性が寝かされています。いえ、それは外見上は完全な女性ですが女性ではありません。そうです。高野直樹、私自身の手術前の姿だったのです。
 やがてカメラは周囲にいる人の顔を次々にアップにしていきます。それぞれが白衣を着て立っています。医師の小島、二人の看護士、そして村井、涼子、さらにもう一人の女性・・・。そうです。やはりあの時、麻酔のせいで朦朧とした意識の中で、幻だと思っていた人影は、やはり結花本人だったのです。

 画面の中の涼子が、結花に話しかけます。
「ほら、よくご覧なさい。これが高野直樹の本当の姿よ。ほら、もっとよく見て・・・ね? 分かるでしょう? オッパイだって、オシリだったこんなに大きくなって・・・女そのものでしょ? それも全部自分から望んでしたことなの。ね?私たちの離婚の原因が分かったでしょ? あなたを愛しているなんてみんな嘘。私もこの人の女の子願望についていけなかったのよ。」
 結花が呆然とした表情で手術台の私を見つめています。
「こ、これが、直樹さん・・・、し、信じられない、やっぱり、信じられない・・・。」
 結花が小さく呟きました。
「そう、それもそうよね、愛する彼にこんな性癖があったなんてね。じゃ、いいわ。彼に聞いてあげる。本当に手術したいのかってね。」
 涼子はそう言うと手術台の私に近づいて耳打ちをしたのです。
「よかったわね。いよいよ、手術が始まるのよ。うれしい? ねぇ、うれしいでしょ?だったら、微笑んで見せてよ。そして、お医者様に、お願いして。『手術してください。』って。 フフフ・・・。 」
 そうです。それは、あの麻酔のせいで朦朧とした意識の中で聞いた涼子の言葉でした。
「お、お願いします。手、手術を・・・手術をしてくだ・・・さい・・・。」
 手術台の私は大きな笑顔を見せながら、消え入るようなかすかな声で応えます。頬に喜びの涙を流しながら。
 それは、事情を知らない人が見れば、自らの意志で、進んで喜んで手術を受けようとしている人間にしか映りません。
 涼子は再び結花の近くに歩み寄り、
「ね?あんなに喜んでいるでしょ? これはみんな、彼が望んでいることなの。だから、約束通り、「例のこと」してあげて。彼のこと思い切るためにもね。一度は愛していた人なんだから・・・ね?」
 涼子の言葉に結花は幾筋もの涙を流しながら、その場に泣き崩れました。
 手術台の上の私はそんなことには全く気づいてはいません。麻酔が深い眠りへと誘っていたからです。
 手術室には数分間の沈黙、いいえ、結花の泣き声だけが響いています。
 やがて画面が切り替わり、手術台の私が大写しになり、次に頬に涙の乾いた跡を残した結花のアップが続きます。
 結花は一度大きくうなずくと、
「よく、わかりました。私やります。直樹さんとのお別れを心に決めるためにも・・・」
 と言い眠っている私のそばに近づきました。
「直樹さん、いえ、こうして、あなたの身体を見てると、とても直樹さんなんて言えないわ。「奈緒美」ちゃん・・・あなたは、そう呼ばれることを望んでいたのね。これから、あなたを望み通り、本当の女の子、本当の「奈緒美ちゃん」にしてあげる。私のこの手でね。それがあなたへのお別れの印・・・。」
 結花の表情は意外なほどサバサバとしたものでしたが、その瞳の奥には明らかに自分を騙し続けていた男に対する復讐心の鈍い光が宿っています。
(だ・・・だめだ、結花。君は・・・君はだまされてるんだぁ・・・。)
 私は今となってはムダなことだということも忘れ、必死になって画面の結花に叫ぼうとしました。
 画面では、医師の小島が現れ、手に持った小さな小瓶から二つ小さな球状の塊をシャーレーに移し、結花に手渡しました。
「これが、彼の睾丸だ・・・さあ、これをあの容器に入れて。」
 そうです、その二つの小さな球状の塊は、私の身体から切除された睾丸だったのです。
(やめてくれぇ・・お願いだ・・・)
 私は目の前が真っ白になり、気を失いかけました。
 けれども、結花は小島に言われるままシャーレーを受け取ると、手術室の端に置いてある大ぶりの瓶にその塊をポトリと落としました。すると、中の液体と反応するかのように激しい白煙を出し、どんどん溶けていくのが分かります。
「あれは、濃硫酸液だ。これで、睾丸は全て溶けてなくなる。つまり、彼の男性としての機能は二度と再び戻ることはない。」
 小島の冷淡で事務的な説明が続きます。そして看護士からメスを受け取ると、結花に手渡し、眠っている私の下半身に顔を近づけながら、なにやら説明をし始めるのです。その様子を冷たい笑みを浮かべながら眺めていた涼子も彼らに近づき言いました。
「ほら、見て。結花さん、彼のオチンチン。ね、こんなに小さいのよ。自分では、クリちゃんだって思ってるの。まあ、そう見えなくはないけどね。でも、これじゃ、あなたとエッチなんて二度とできないわよねぇ。だけど、これもみんな、彼の望みなのよ。わかったでしょ。フフフ・・・」
「ホントね、涼子さんの言うとおりだわ。こんな小さくなってるなんて・・・。それも、自分からそうして欲しいなんて。そう言えば、テープの中でも言ってたものね。早くオチンチン取って、本物の女の子にしてって。それで、いっぱいいっぱい、男の人に愛されたいって・・・もう、この人は私の知っている直樹さんじゃないのね。きっと・・・」
 私は結花の口からまるで私への決別を決断したかのような言葉が出るのを信じられない思いで見つめました。けれども、それ以上に衝撃を受けたのは、次に行なわれようとしている手術の内容を、小島が説明した時でした。
「これから、この患者の陰茎を切り落とし、女性器の形成を行います。あなたにはそれをお手伝いしてもらいます。」
(な、何を・・・、何を言ってるんだ?こいつらは・・・、結花、結花・・・、だめだ、そんなことしちゃ、だめだぁ・・・。)
 画面は陰部の大写しになり、そして次の瞬間、結花の持つメスがすっかり矮小化した男性自身に静かに入っていきます。
(ぎゃー・・・や、やめてくれ、結花・・・やめてくれぇ・・・)   
 私は気を失いそうになる自分を必死に抑え画面を凝視し続けました。
 結花は少しのためらいもなく、メスを前後に2、3回動かします。
 小指の第2関節ほどの太さしかなくなっている私のペニスは、いとも簡単に切り離されました。
「よかったわね。直樹・・・いえ、奈緒美ちゃん。お望み通り、もう完全に男性とはお別れよ。これからは、私たちと同じ女の子として生きることになるのよ。良かったわねぇ。フフフ・・・」
 結花はそう言い残して、手術台から離れ涼子と二言三言言葉を交わすと、備え付けの椅子に静かに腰を下ろしました。
 この瞬間、私は本当に意識を失い、眠りに落ちてしまいました。ですから、この後の手術の過程を画面を通じて見ることはありませんでした。

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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
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女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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