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ある性転者の告白 第19章-6

 そして、ついに私の順番がやってきたのでした。
「エントリーナンバー8番、高野奈緒美さんっ・・・。」
 司会者の声が、私の生まれ変わった名前を呼びました。それはまるで、本名である高野直樹という名前との永遠の決別を表す瞬間を意味しているようでした。
 私の緊張は一気に高まり、脚は震えだし、一歩も歩み出すことができないほどでした。(さあ、いくのよ。奈緒美ちゃん。行って、ご挨拶するの。)
 涼子の声が耳元に響きます。 
 私はその声に助けられるかのように脚を踏み出すと、ステージの中央まで進みました。 その瞬間スポットライトのまばゆい光に、ほとんど視界が奪われてしまいました。
「エ、エントリーナンバー8番、高野奈緒美・・・中学一年生、13歳です。と、とにかく、が、がんばりますので・・・よ、よろしくお願いします。」
 私は、それまでの少女たちのように落ち着いた口調で話すことなどできずに、ただ型どおりの挨拶をするので精一杯でした。すでに横に並んだ列に加わろうとする私の足取りはあまりにもぎこちなく、躓きそうになったほどでした。
 
 やがて、一人ずつの紹介が終わり、
「では、改めて、この10名の美少女たちに大きな拍手をお願いします。」
 と司会の声がし、その声に応えるかのように、大きな拍手が会場からわき上がりました。
 私の横では、他の少女たちが深く一礼しています。私は、ただそれをまねるように同じ動作をしました。
(ああ、恥ずかしい・・・何でこんな目に遭わなければならないの?お願い、聡さん、助けて・・・。)
 私は目の前の客席のどこかでじっと私を見つめているはずの田中に向かって呟いていました。
 
 私たちは型どおりのお辞儀をすませると、ステージから奥に戻りました。
「いかがですか、皆さん。いずれも可愛い美少女揃いでしょう?きっとたいへん難しい審査になることと思いますが、それだけに、楽しみもあるでしょう。では今度は、お一人ずつ出てきて頂いて、審査委員の方から質問をしてもらいたいと思います。」
 司会の女性がそう言うと、再び、エントリーナンバー1番の鈴木詩織という少女の名前を呼んだのです。
 再びステージの中央に立った少女に、司会者から指名された一人の中年男が質問を始めました。それは特技や趣味そして、将来の夢などといったごく普通の質問から始まり、最後にチャームポイントはとの質問がありました。その詩織という少女は、はっきりとした口調で、
「大きな、瞳です。」
 と、答えたのです。
 中年男は、その答えを受けて、さらに、
「じゃ、そのチャームポイントを生かした、表情を作ってみてください。」
 と言いました。
 少女はそれにまったく気後れする様子もなく、ちょっと顔を斜めにして、ニコッと微笑むと、中年男に向かって大きな瞳を開いて見せたのです。
「ホントに、素敵な目をしていますね。わかりました。どうもありがとうございました。」
 中年男はそう言うと、ペンを動かし、なにやらメモを取り始め、時折、隣の別の男に耳打ちを始めたのです。
 少女は、一礼して、「ありがとうございました。」と言うと、ステージから奥へと歩いて行きました。
 司会の女性がそれを確認すると、次の少女の名前を呼びました。エントリーナンバー2番の本間有紀という少女も同様に、かなり落ち着いた様子で審査員の質問に答え終わると、ステージを後にしました。 
 3人目、4人目と順番が進み、やがて私の名前が呼ばれました。
 はっとした私の耳に、促すような涼子の声が響きました。
(いいわね、私が言うとおり、答えるのよっ)
 私は思わず頷きました。それはまるで自分が催眠術にかかったかのような反応だったに違いありません。
 再びステージの中央に歩み出た私の視線は、まばゆいスポットライトの照り返しによって、まったく客席が見えません。
 私は、そんな中で、ようやく頭を下げて、小さな声で、
「よ・・・よろしく・・・お願い・・・・します。」
 とだけ言いました。
 そんな私に、審査員の一人が質問を始めたのでした。 
「ずいぶん、緊張してるみたいだけど、大丈夫かな?リラックスしましょうね。」
(微笑むのよ。だめよ、ニコッとしなくちゃ・・・・。)
 審査員からの質問と同時に、涼子のささやきが聞こえてきました。
 私は指示に従って、精一杯の微笑みを浮かべました。
「そう、その方がいいですよ。せっかく、そんな可愛い顔してるんだから、緊張してると台無しですよ。ところで、奈緒美ちゃんは、学校では何が好きなのかな?」
 質問に答えるかのように、涼子のささやきが聞こえてきます。
 私はステージでのその後の受け答えも、表情や動作もすべて、涼子の指示に従って行うことしかできませんでした。強い緊張感と羞恥心が少しの思考能力をも残してくれていなかったからです。
「え、英語・・・・です。」
「ほう、そうですか?部活は何をやってるのかな?」
「は、はい、テ、テニス・・・です。」
「そう。背が高くてすらっとしてるから、きっとテニスウエアが似合うだろうね。ところで、奈緒美ちゃんの将来の夢は何かな?」
「あ、あの・・・グラビア・・・・グラビアアイドルに・・・・なりたい・・・です。」
「ほほう・・・グラビアアイドルかぁ・・・。中一の女の子にしては、ちょっと珍しいね?奈緒美ちゃんは、グラビアアイドルってどんなことするか知ってるのかな?」
 私は徐々に質問の方向が変わって行きそうな気がして、不安が募ってきて、だまりこんでしまいそうになりましたが、涼子の指示はそれを許しませんでした。
「はい、あ、あの・・・男の人のグラビアに・・・・セ・・・セクシーな水着とか・・・で写真に・・・載って、いろいろなポー・・・ポーズを・・・。」
「うん、そうだよね。奈緒美ちゃんはかなりおマセさんなんだね。きっと。男の人に水着姿とか見てもらいたいんだぁ。でも、奈緒美ちゃんも知ってると思うけど、今のグラビアアイドルたちって、みんな、胸の大きな人たちばっかりだよね。奈緒美ちゃんも、将来そんな風に、なれるのかなぁ・・・」
 私はできる限り胸の大きさを悟られないように、うつむいて、大きめの上着でその部分を隠そうと努めました。
 しかし、男の質問は、容赦なく続いたのです。
「それとも、夢を叶えるために、なんかトレーニングとかしてるの?胸を大きくするような。」
「あ、あの・・・、じ・・・・実は、こ・・・これでも・・・む・・・胸の・・・・胸の大きさは・・・自信が・・・あるんです。」
「へえ、そうなのかぁ・・・。じゃ、奈緒美ちゃんのチャームポイントは胸の大きさってところかな?」
 私は、指示されたとおり、小さく頷きました。
「そうか。じゃ、最後にチャームポイントをアピールするようなポーズをとってみてもらえるかな?」
 その瞬間、涼子の強い口調の指示が私の耳元で響きました。
 私はあまりにも激しい羞恥心に襲われ、思わず身体を固くしましたが、さらに響いてくる指示に抗うことはできず、その命じられた通りのポーズを取りました。
 私は、一旦客席に背を向けると、両手を後ろに組み、上半身だけ、振り向いて、ニコッと微笑むと、そのまま、胸を反らしていきました。そのポーズはそのまま、制服越しにもたおやかな胸を強調しているポーズに他なりません。
(ああ、はずかしい・・・こん・・・こんなポーズ・・・ああ、逃げ出したい・・・この場から・・・。)
 私は、心の中で叫びながらも、そのポーズをとり続けました。
 その瞬間、客席の中から、どよめきともつかないざわざわという話声が聞こえてきたのです。   
「ほほう、確かに、大きそうな胸をしてるね。まさかパットじゃないよね。後で水着姿が楽しみになってきました。わかりました。どうも、ありがとう。」
 審査員の男は少々興奮気味にそう言い、私への質問が終わったことを告げたのでした。 私はその言葉に、ドッと疲労感と安堵感が沸き上がり、まるでその場から逃げ出すようにして、ステージから奥へと向かいました。

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プロフィール

サテンドール

Author:サテンドール
=============================================
女性化小説なら国内・海外を問わず大好きです。

特に屈辱系・羞恥系・強制系・寝取られ系・立場逆転系・年齢退行系・SISSY系などなど・・・。

happy よりは、unhappy ending が好み。
(ちょっと、性格がゆがんでるのかも^^)

私事ですが、以前某サイトに 
「高野奈緒美」のペンネームで
『ある性転者の告白』という拙い小説を掲載させて頂いておりました。事情があって途中で掲載を止めましたが、その完結編も当ブログでご紹介できればと思っています。

それとランキングにも参加させていただきますので、
ポチッとクリックいただければ幸いです。

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